関川村教委主催・25年度夏の村民健康登山、目的地は村上市山北地区大毎(おおごと)にある吉祥嶽(きちじょうだけ)

国土地理院25000分の1地図に、その山名は載っていない。三角点もない。
ただ500mの標高が記されているだけの山。
だが、越後の名山を取り上げた冊子には紹介されているほどの山だという。それに、その山麓に湧出する吉祥清水は名水で有名だ。

地元・大毎の皆さんも大事にしている山で、この日も、有志総出で登山道の整備をされていた。
伸びた夏草を刈払い、沢に橋を架け、山頂の樹木を伐採して展望を効かす等々の作業に汗だくの真っ最中だった。

草が払われてなければ、相当歩きにくかったろうし、牛の首コースでは何本か渡る沢で、橋がなければ渡渉はかなり難渋したに違いない。
多分だが、関川村民の登山を事前に知って、それに合わせてくださったのではないだろうか。それとも、公民館の担当Anqさんが、それを事前に知って、この日に計画したのだろうか。
いずれにしろ、ありがたいことだ。こうやって山を大切にして下さる方々がいて、そのお蔭で快適な登山を楽しめているのだから。

梅雨空のこの日、天気予報も各社まちまちで、発表の度に変わる。
登山前には霧雨もあったようで、今季初カッパ着用も覚悟したのだが、登山中、全く雨に遭わずにすんだ。これもありがたかった。

低山のこの時期、花はそれほど見られない。ヤマツツジはほぼ終り色あせていた。
ただ、山頂の広場にはツルアリドオシがびっしりと生えていたし、途中の山道には、イチヤクソウが一株だけ蕾をつけているのを教えてもらった。
下山した林道ではヤマアジサイが咲いていたし、木苺の黄色い実を見つけて、写真を撮る前に口に入れていた。もう少しで熟そうとしている実だった。
道々、同行の人から食べられる野草、つまり山菜を教えていただいたが、なかなか覚えられない。それというのも、今の時期と食べられる初春の時期とでは、形が変るからだ。

それにしても、山菜のことやら何やらかにやらと、いろいろな会話がはずんで、いつもの登山とはまた違った楽しい登山となった。こういう、人とのふれあいを楽しむ登山もまたいいものだ。
こんな登山を年3回も計画してくれるのだから、公民館の活動はありがたい。参加した人々は健康の塊だし、村の健保の負担も減少するし、一挙両得以上ではなかろうか。我田引水過ぎたかな。

帰路、吉祥清水に寄った。ビールが冷やしてあったが、さすがにご自由にどうぞの表示はなかった。
水はご自由にということで、2リットル持ち帰った。明日、この水でコーヒーを立てて飲もうという魂胆で。
ただし、1リットルは、いつも世話になっている兄宅に分けた。
人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
山歩紀行 2013

                   西穂山荘 2011.8.28撮影
  2013年6月22日 吉祥嶽 その麓には名水・吉祥清水が湧く
                    吉祥嶽 500m 新潟県村上市大毎

牛の首コースで何本かの沢を渡る一行に地元の皆さんがサポート

吉祥嶽  麓は美しい棚田の里

栃の大木の下を進む一行
  地元の皆さんが刈り払った登山道を行く

山頂からの眺め
  日本海に粟島が浮かぶ

山頂からの眺め
 麓の大毎集落、その右方先に北中 旧出羽街道の街
 
イチヤクソウの蕾          ツルアリドオシの花

名水・吉祥清水
  水はご自由に・・・でも、ビールはちがった(当たり前)  
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