槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年3月28日  初の山スキーで蔵王・熊野岳再挑戦
熊野岳 1840.4m  山形県山形市 上山市 

12:12 熊野岳避難小屋下方から覘いたお釜  白い湖面に薄く融け出したような氷面が見える
    遠く雲のわくあたりが 先月11日に登った刈田岳  今日は打って変っての絶好天

今回のコース・・・下りは熊野岳山頂からスキー
リフト2本乗継いで→9:00ゲレンデTOP(リフト降場)-9:37廃リフト小屋-10:05馬の背-11:15熊野岳山頂12:00-12:05熊野岳避難小屋下-12:50ゲレンデTOP-13:00ゲレンデ麓

スキーをザックに縛って

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初めての山スキーの記

先月11日の蔵王・刈田岳行は、氷点下10度の強風と濃霧の中だったが、山スキーの人たちが多くいて、憧れていた。
Murandoさんご夫妻が毎年鳥海山で春スキーを楽しんでいて、その姿に憧れていたこともあって、Unqさんが呆れるほどしつこく、その山スキーの人たちに装具の値段など尋ねてみたのだった。
さて、この27日と28日の山天気は、絶好の山スキー日和との予報が出た。
29日は曇予想で、阿賀北山岳会で弥彦山を予定している。
ならば今しかないということで、この日、前回登れなかった熊野岳へ山スキーの単独行と打って出た。
といっても、当方、山スキーの道具など一切持っていない。
ならばどうするか、いろいろ策を練っていた。
滑り下るだけならゲレンデ用のスキーでも同じはず。問題は登りをどうするかだ。
ゲレンデ用のスキーブーツで、脛のバックルを緩めて可動性を確保し、スノーシューを履けば登れるのではないかと、やって見たら思いの外、問題はない。
途中でどうなるか不安もあったので、登山靴をザックに入れてスキーと一緒に担いだ。これは結構重荷になった。その上、スキーブーツもかなり重い。
喘ぎながら一歩一歩登った。
山スキーを履いたままスイスイ歩くように登っていく老若男女たちに次々と追越された。
わが姿を見かねたのか、親切な一人が寄ってきてご自分の山スキーを見せながら、アドバイスをくれた。曰く、
ゲレンデ用スキーで構わないから金具だけ山スキー用にして、シールをつければいいのだと。
担ぐなんて、そんな無駄なことはしないほうがいいとのたまう。
山スキーの金具は、踵部分を固定すれば、ゲレンデと同じに滑れるし、固定を外せば踵が上がって楽に歩ける。その上シールの効果は絶大で、そのお方は、あの石転び沢雪渓の45度近い急斜面もスキーを履いたまま登ったのだそうだ。
それぐらいの急斜面だと少々技術を要するが、30度くらいまでなら誰でも登れるという。
う~ん、そうか。こりゃ検討の余地大いにありだな・・・などと、皆滑り降りて誰もいなくなった山頂で、独りカップラーメンを啜りながら次の展望を画策したのだった。
さて、食後のコーヒーも飲み終わって、山頂でいよいよスキーを履いた。
まずは避難小屋の先のお釜の見えるところまで滑り下った。
軽快なこと。
写真を撮ってから、登った道をクロスしてショートカットする。この近道がなんとも気持ちがいい。
ちょうど、普段通れないところを自由自在に近道した「しみわたり」のような、あの気持ちのよさだ。童心にかえったような気分で。
痛快なこと。
もちろん、安全第一。
いつも単独行の時は、仲間と一緒のとき以上に慎重になる。
初の山スキーとなればなおのことだ。
登山ルートを大きく外さないように慎重に下った。ヘタに下降して谷筋を間違えたら後が大変だ。
それに、常に強い風を受けている雪面は結構凹凸が激しい。どこに何があるか分からず、ゲレンデのようなスピードは出せるものではない。
颯爽と風を切って滑り降りるというわけには中々いかない。
初めてのことだし、単独行でもあるので、今回はより慎重に、歩いて下山するよりは便利だというふうに考えて滑り降りた。
それでも、無垢の雪面に描いたシュプールを振り返ったときなど、えもいわれぬ快感を覚える。
これは病みつきになりそうだ。
阿賀北山岳会に吹聴しよう。
Unqさんも病みつきになるぞ、絶対。
などと考えている間に、あっという間に下ってしまって、少々もったいないことをした。
こんなだったら山頂でもう少しゆっくりしてもよかった。
かといって、再度リフト券を買ってゲレンデスキーをやる気にもならず、この日は、早々に帰宅した。
それにしても、いい日だった。
秋に独り登った神室岳、山形神室も仙台神室もよく見えた。
2月初めにShow君と滑ったザンゲ坂辺りの人影も望遠で見えた。お地蔵様は、ちょうど山の陰になっているようだが、石碑のようなものは見えた。
そして何よりも、阿賀北山岳会の4人で震えながらあるいた刈田岳山頂が打って変った様子で見て取れた。
山はやっぱり天気次第ですな。
それを背負った影法師 

9:24 雪は白く稜線の空はあくまでも青く 
 暖かさに樹氷は衣を脱ぐ

10:04 稜線分岐点の辺りから刈田岳遠望

10:29 馬の背で強風に身を曝しつつお釜を覘く

11:15 熊野岳山頂
 
左に地蔵岳 右に三宝荒神山 その間がザンゲ坂への道 
アップにすると、
ザンゲ坂に向うスキーヤーたちの人影が見えた

手前から雁戸山、笹谷峠を挟んで神室岳、その右に大東岳 

熊野岳山頂標識
 陽射しでも寒風の中、エビノシッポが残っていた 

山頂でスキーを履いて下山
 無垢の雪面にシュプール これが醍醐味

ゲレンデは一気に下る  醍醐味にはかなり欠ける
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