八ヶ岳 '14.6.29
  山歩紀行 2015

 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを今年も綴ります

白山 '14.7.21
 
    2015年10月20日 豊後富士・由布岳のお鉢巡り
   由布岳(西峰) 1583.3m  東峰 1580m  大分県由布市・別府市  

9:28 山頂二峰の分岐マタエから  九重連山遠望、足下に湯布院盆地

11:15 東峰からズームで 西峰の岩壁クサリ場にへばりつく登山人

<コース>
由布岳登山口7:43-7:54休憩所-8:18合野越-9:27西峰・東峰分岐-9:47西峰山頂10:01-10:13お鉢巡りの最低鞍部-10:51東峰山頂11:13-11:23分岐-12:06合野越-12:30登山口下山

各地点の様子など、詳しくは

YouTubeにスライドショーでUPしてあります。
 →こちらから どうぞ


今回の九州行の主目的は久住山登山。が、せっかくここまで来て山一つだけでは、真にもったいない。
せめてもう一山。本来なら阿蘇山なのだが、今は入山規制中。
近くに二百名山の由布岳がある。
グーグルマップで、キャンプ場から登山口まで48分と出た。 二つ目の山はそこに決めていた。

登山口から見上げた由布岳は秀麗だった。さすがは豊後富士。

駐車場には、数台の車。隣に新潟ナンバーの軽。偶然とはいえ多少の驚き。この主には結局会えずじまい。

登山口には、昨日の九重山とはうって変わって、土産物販売所どころか自販機さえなし。登山人も途中で会ったのは数人だけ。
Okkaaは、今日は麓で待つことにして、単独行。必然的に足は速くなる。

それでも花は見逃さない。初めて見た花、後日調べたらヤマラッキョウと分かった。
草原を散策していたOkkaaは、ウメバチソウ、白い花のリンドウ、そのほか珍しい花も見つけたらしいが、如何せん、カメラのピントが全く合っていなくて、確かめようもない。

それはそれとして。
トロイデ式火山だけに、高度を上げるほどに急斜面になるのだが、九十九に折れる登山道で、それほど急登感はない。
それどころか、千mを越えて樹林帯が終れば、抜群の眺望。
昨日登ったばかりの九重山が眼前にあり、足下には湯布院盆地に街が広がる。
どこまでも、その同じ景色を見ながら登るのだが、高度が上がると、少しずつ景色が変るから面白い。
ただ残念ながら登山道の反対側は雲が厚く、山頂に上がっても、豊後水道も四国も見ることはできなかった。

由布岳山頂には火口があり、その縁は平坦でなく、対面して西峰と東峰が聳え、その二峰の中間の火口壁は、南北とも大きく削れて深い鞍部になっている。

登山道は、南側の鞍部に登りつく。西、東の峰への分岐となっていて、登山地図にはマタエとある。
そこから、まずは西峰に進む。
登山道はとんでもないほどの岩壁で、垂直に近いクサリを伝って登る。
登りきってヤレヤレと思う間もなく、クサリ場は更に続く。斜めに伝って、次は、足がかりがやっとある程度の岩盤の、水平クサリ場。
前後に皆目人影なく、真に心細い。
必死の思いで山頂に辿り着いたら、先客が一人いた。

帰りの下りクサリを思うと、山頂コーヒーを入れる気もしなく、早々に戻ることにした。
先客の御仁も心細かったと見え、戻るなら一緒に行こうとおっしゃる。二人なら気が強いと。
引き返しにかかったら、たまたま登ってきたペア登山人。すれ違いに言葉を交わし、あのクサリ、下りは怖いと話したら、自分たちは、クサリ場を戻らずにお鉢廻りで東峰に行くと言う。
それならばと、彼の御仁と二人、ついて行くことでペアの快諾を得た。
旅は道連れ世は情け。
かくて、4人のお鉢巡りと相成った。
北側の鞍部は、南側分岐の鞍部よりも低く、東峰へ続くヤセ尾根岩稜の登り返しは、結構きつかったが、あのクサリ場を下ることを思えば、はるかに気分は楽だった。

先客の彼の御仁、岡山からの来山で1歳先輩の由。話し相手を探していたらしく、ペアを先にやって、ゆっくり行きましょうと、身の上などを話すこと話すこと。
東峰に上がって、ようやく山頂コーヒーを飲む気分になって、岡山の先輩にも一杯ご馳走しますからとお湯を沸かした。
いざとなって、ザックの中をいくら探してもコーヒーの粉がない。どうやら、朝飲んでそのままテントの中に置いてきたようだ。

最近、こういうことがやたら頻発する。
昨夕なども、やまなみ牧場の駐車場で入浴用タオルを探すのだが、車中探しまくっても見つからない。何処へやったのだと、Okkaaを責めていたら、なんと、自分の首にかかっていた。いやはや、どうも年相応に健忘気味になっていることは疑いようもない。
後刻のことになるが、下山して、汗の始末をするのにサングラスを車の屋根の上に置いて、そのまま忘れて発車してしまった。
途中気づいてあわてて駐車場に戻り探してみたものの、見当たらない。スピードを上げた車道のどこかで舞い落としたのだろうが、後のまつり。
数日前には梯子から落ちた。低い段で事なきを得たのだが、まっすぐに立っているつもりでも、フラリと後ろに傾いていたような。

いくら走りこんでいても、神経の老化は拒めないようだ。
自覚して、全てに慎重を期さなくてはと、つくづく思っている。特に山行中はだ。

それはさておき、結局は、岡山の先輩からスティックのコーヒーを頂く破目になった。
ゆったりと岡山のコーヒーを味わった後、Okkaaが下で待っているのでと彼の御仁にお礼を告げ、早足で下山した。
途中、登ってくる人々にかなり出会った。山は賑やかになっていた。
ただ、朝、私より早く出立したはずの駐車場の車の数に見合うだけの先行者には、ほとんど会わなかった。ということは、由布岳を往復するだけでなく、周回も含め周囲に数あるトレッキングコースをゆったりと楽しんでいる人々なのかもしれない。
由布岳往復だけなら半日で終る。

午後からは、別府の市街に下りてみた。山からは見えなかった別府湾を見たかったし、別府の温泉にも浸かりたかったので、地獄巡りの湯で汗を流した。それでもまだ日は高い。

カーナビで調べると、阿蘇の大観望まで1時間ちょっとで行ける。17時前には着ける計算だ。いつもの如くのナビ任せで、車を走らせた。

予定通りに到着。夕暮れの大観望、これまた絶景だった。

標高差500mの外輪山の台地の下に、火口原の平地が広がる。その広いこと。とても火口の中とは思われない。ましてや、火口の中に水田が広がり多数の人々が住まうとは。
阿蘇といい、九重といい、由布といい、筑紫はまさに火の国、火山の成せる大地。

大観望からの阿蘇山もよかったが、反対側の、夕陽を受ける九重連山の光景も凄かった。
この足で立った頂を下界から眺め上げるのは、登山人の楽しみの一つ。我が生を実感する。

この日は、我が方からキャンプ場に電話。無事、由布岳から下山したことを伝え、暗くなってから帰投。
3日目の夜も降るばかりの星の下で夕食。
あまりの星の多さで、我が家の辺りではまばらな星の中で目立つ北極星が、ここでは探しきれない。

明日は最終日で早立ち。残りの食材を全部ぶち込んだ具だくさんの煮込みうどんで、身も心も満たされた。

7:42 登山口から裾野の草原 行く手に秀麗な豊後富士

8:01 火山岩が転がる雑木林の道を登る

ヤマラッキョウ 

リンドウ

8:41 千mを越えれば眺望が開け、九重連山が眼前に

9:06 東峰の岩峰を見上げる

9:27 山頂二峰の分岐マタエ まずは西峰へ

マタエからの眺望 遠く大分・宮崎県境の山 祖母山方面

9:28 西峰の岩壁クサリ場 ここを登りきっても、その先には・・・

9:33 ・・・縦のクサリ、横のクサリ、岩壁にクサリ場が続く

9:47 西峰山頂 先客が一人

10:03 お鉢巡りのコースへ進む 彼方に鶴見岳

10:16 お鉢巡りの同行者 火口の縁を鞍部に下って登り返し 

10:36 岩稜の先に東峰が見えてきた

10:53 東峰山頂に立つ

11:15 東峰から  対岸の西峰岩壁クサリ場

11:23 水平のクサリ場

12:10 木洩れ日の雑木林を下って

12:31 登山口に下山

16:58 大観望から外輪山の台地と根子岳 遠くに祖母山

外輪山の内側、大火口原に広がる耕地と街 その先に阿蘇山

17:19 大観望から 夕日を受ける九重連山
   
ズームで 中心に昨日立った久住山の頂
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