2015.7.27鳳凰三山
  山歩紀行 2016

 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを今年も綴ります
 
2015.9.21栂海新道へ
 
   2016年9月14日 山頂静謐 安達太良山
安達太良山 1699.7m 鉄山 1709.4m  福島県二本松市・郡山市・猪苗代町   

10:37 安達太良山々頂  名物の風無く山頂静謐  穏やかに憩う登山人

12:59 名の如く赤錆びた鉄山の山頂岩壁に立つ  右に荒涼とした火口・沼ノ平

あだたら山RW山頂駅発9:07-9:10薬師岳展望台-10:37安達太良山山頂-
12:07-12:29馬ノ背分岐-12:54鉄山13:07-13:35分岐-14:19くろがね小屋-
15:06旧道15:30-15:32あだたら渓谷15:55-15:57RW駐車場

この前、安達太良山に登ったのは3年前の10月。
紅葉の盛りだった。

今回は、来月実施の公民館登山のための下見。
担当のKさんとは、月山の下見登山以来だから3ヶ月ぶりか。
そのKさん、登山担当になってザックはじめ用具を新調したというのだから、気合が入っている。
斜面を登っていても、月山のときとは足の運びが全く違う。
聞けば、夜な夜なスクワットを重ねているとか。
担当業務の遂行に向けて、Kさんの意識は相当高い。
上司のUnqさん、いい後継ぎができたと内心の喜びを抑えようもない様子で、帰路には名高い米沢ラーメンなどご馳走してくれて、私までご相伴にあずかった。
親指の味も出汁のうちという風情の食堂で、それだけで絶品ラーメンと分かるのだが、Unqさんの喜びが込められていると思えば、一入の味の良さだった。
もっともUnqさんのこえた口には合わなかったようで、それはまあ、個人の好みなので仕方がない。
Kさんにしたって、上司の奢りに文句は言えまいて。

おっと、話は逸れてしまった。

前回の安達太良は、OkkaaはRWを使って別行動。
当方は、くろがね小屋経由で山頂へ行くつもりが、登り口で道を間違え、スキー場のゲレンデを登って、五葉松平経由で薬師岳展望台へ出たのだった。
後で、安達太良に詳しいMurandoさんから、その道はダレも登らネ、と庄内弁訛で一笑にふされてしまったのだが、確かにいい道ではなかった。
今回、下山で旧道を通ったが、五葉松平の道の方がまだましと思うほどの、凄まじく荒れた道だった。
多分Murandoさんからは、その道もダレも通らネ、とまた言われそうな気がする。

2度目の安達太良で、ついつい前回と比較してしまうのだが、今回は、安達太良名物の山頂風もなく、実に穏やかな頂だった。

山頂で、どこかの単独行のお母さんが、ザックの肩紐につけたペットボトルの蓋を外したまま身体を前に屈めたものだから、その拍子に、中味のコーヒー牛乳を吹きこぼしてしまったのだが、運よくというか、その液体が手に持っていたパンに降り注がれて、結果オーライ事無きを得たと、一部始終を盗み見ていたUnqさんが、当人が立ち去った後で、こっそりと教えてくれた。

何とも粗忽で幸運なお母さんがいたもんだと、それを見逃さずにしっかりと観察する人もいたもんだと、妙に感心したりしたものだ。

このお母さん、不思議な人で、この後も登山道で何遍か会った。
我らよりずっと早く山頂から馬ノ背へ下っていったのに、我らが鉄山から折返して下山し、峰ノ辻の辺りを歩いていた頃、後ろからやって来たのがこのお母さんだった。
その歩き方ときたら、速いこと速いこと。道を譲ったら、トレランのように走り下り、あっという間に見えなくなった。
それが、くろがね小屋を過ぎた馬車道で、またまた後ろからやって来たのだから驚いた。
たまらず訊ねたら、小屋で温泉に入ってきたと言いながら走りすぎた。
その姿が見えなくなった頃、Unqさんが突然、自分も走って降りると言いだした。
近頃のUnqさんのランニング量はすごい。新潟マラソンに向けて一気に練習ペースを上げている。
が、今日は下見登山で走れない。
で、あのお母さんを追っかけて走り出したというわけだ。

残されたボクとKさん、馬車道の下見はそこを駆け下るUnqさんに任せて、旧道の方の下見をすることにした。
その道の酷いこと。日ごろ鍛えているボクとKさんだから転倒することもなく降ったものの、10月の本番では、ここは通るべきではないと結論を出した。

最後に、二人であだたら渓谷も下見しておくことにした。
結果、ここは一見の価値あり。木の葉が色づいていたなら、その素晴らしさは、特筆ものとなることうけあい。
長い馬車道を降る単調感は、ここで一掃されるに違いない。
ただし、危険個所多数。十分な事前注意が必要。

とまあ、そんないきさつで、端無くも二手に分かれて下山コースを下見できて、まことに結構な結果となった。

因みに、例のお母さんを追いかけたUnqさんだったが、ついに追い越すことかなわずだったとか。
ところが、そのお母さん、ゴール寸前にまたまたUnqさんの後ろに現れたというから、あるいは安達太良山の狐様の化身か、はたまた韋駄天神の権現だったかもしれないぞ。
新潟マラソン間近のボクとUnqさんの激励に、わざわざ降臨出現してくださったのかも?
なにしろ、この日以降、二人の調子はどんどん上がっていくのだから、効験あらたかなり‼

それはともかく、今回は、鉄山まで行ってこれた。
以前、安達太良に登るなら鉄山まで行くべきだと教えてくれたのはMurandoさん。
行ってみて、確かにそうだと思った。
安達太良から見るのとはまた違った迫力ある山景がそこにはあった。
本番当日は、日程的に無理だろうから、今回行けて本当によかった。

あ、そうそう、それに鉄山の稜線にはガンコウランの実が鈴生りで、兎のフンかと見紛うばかりの形と色をしたその実の美味しいこと。
Unqさんは、これは初恋の味だといい、Kさんは言うも恥ずかしいとばかりに黙してただしゃぶり、小生は、初恋の味にしては甘すぎるななどと言いながら、何粒も食べた。


さてさて、あとは、本番当日の晴天と、燃えるような紅葉を祈るのみだ。

9:12 薬師岳展望台 福島市方面は雲海の下

9:18 ゴマナの花咲き誇る登山道 ハイヒールやサンダルは禁止の看板

オヤマリンドウ 秋の風情に包まれて

10:06 ドウダンの葉色づき 紅葉のはしり

10:31 あれが山頂乳頭部  安達太良山の別名は乳頭山とか

10:40 安達太良山登頂記念撮影 この後で乳頭に登って本当の登頂

12:14 鉄山へ向かう登山道の左手前方、雲が切れて秋元湖

12:24 沼ノ平  馬ノ背の登山道に微かに漂うイオウ(硫化水素?)の匂い

12:36 鉄山の岩壁 馬ノ背から見上げればなかなかの迫力

12:51 稜線上に鉄山避難小屋 赤い看板に見えたのは入口のドア

13:15 鉄山から下山途中 ガスが切れて安達太良の乳頭が見えた

15:05 くろがね小屋を過ぎて  この道を車が通るかと吃驚仰天

15:30 旧道出口  近道かと旧道を選んだが相当の荒れ様

15:44 あだたら渓谷はマイナスイオンたっぷり 一見の価値あり
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