綿野舞(watanobu)山歩紀行2017
 
 5月27日 登らずに 長駆ドライブ 湿原へ
宮床湿原830m  福島県南会津町  地理院地図は→こちら
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阿賀北山岳会の年間計画には、会員の希望を汲んで山には登らない山行もあります。今回は、早春の湿原を見たいというOkkaaの希望を入れてもらって、南会津の宮床湿原へ長駆、ついでに沼沢湖や田子倉湖などの湖巡りも。雪が消えたばかりの宮床湿原は、今、タテヤマリンドウの花盛りでした。
渡辺伸栄watanobu 
 
春遅い宮床湿原、雪が融けたばかりらしくまだ草木も芽吹き前。しかし、よく見ると枯草の中に、星を散りばめたようにタテヤマリンドウがびっしりと咲き誇っていた。いつも思うのだが、花はあるところにはあるものだ。
花の色といい、模様といい、姿といい、何とも言えない慎ましさ、上品さ。木道沿いに咲いている一株一株、みな個性があって見飽きることがない。この時期、まだほかの草が出てなくて、株の根元までじっくりと見ることができた。
木道のすれ違い用の少し広い箇所に陣取って昼食休憩。誰も来ない湿原に笑い声とくしゃみの音が木霊するほど響き渡る。
午後からは雲が出て、気温が下がってきた。すると、なんとも見事なほどに一斉に、タテヤマリンドウが花を閉じたのだ。慎ましやかなこの花たちの持つセンサーの敏感さには驚くばかり。が、よくよく見ると、数ある株の中に閉じないでいる花が一個二個。右ナライしたくないヤツはどこの世界にもいるもんだと、妙に感心したりして苦笑い。
湿原の周囲にナラの木の林。芽吹いたばかりの若葉が柔らかい。林床にはコシアブラやハリキリの新芽、花より団子の木の芽の山菜。雪解けの春が始まったばかり、終りかけたミズバショウの花、残念なことにザゼンソウは見られなかった。
相思相愛の木との標示。一方はブナの木、もう一方はナラの木のよう。ナラはブナに巻き付かれて枯れている。かつて双方元気な時代は相思相愛に見えたのだろうが、こうなったらなんと見るか。まとわりつきの木か。いやいや、枯れても抱きかかえて放さない、やっぱりこれも相思相愛の木だと言ったのはUnqさん。
行程の最初に立ち寄ったのは、ここ沼沢湖。かつて東蒲原で暮らしたとき、ここの爆発で降り積もったという軽石が付近の地層の中から出ていて、それを拾ってきて風呂場で使っていた。何千年も何万年も前の火山の遺物。ここは噴火のカルデラ湖。
帰り道に寄ったのは田子倉湖。ここはダムの人造湖。この道をドライブで通るのは何十年ぶりか。ここは六十里越えで、河合継之助が越えたのは八十里越え。途中少し戻れば、継之助終焉の地があるのだが、歴史マニアは私だけなので取止めた。そこは何十年か前のドライブで寄ったことがある。
 
昭和村の道の駅は、からむし織の里とあった。苧麻、青苧は越後上杉氏の財力の元、なぜここに?と思ったら、上杉氏会津移封に伴ってこの地の産業になったと説明看板にあって納得。
高清水自然公園と南郷スキー場はヒメサユリの栽培地ということで立ち寄ったが、いずれも時期尚早。入広瀬のハーブ園も同様で、開園は6月とのこと。ハーブ茶とコーヒーを飲んでアイスクリームを食べただけ。
栃尾の道の駅では、名物油揚げ。揚げたてを食べたがそれはそれは美味かった。
そんなこんなで、山歩紀行にあげようか風物記にあげようか迷ったが、一応、阿賀北山岳会の山行なので山歩紀行に入れた次第。
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