綿野舞(watanobu)山歩紀行2017
 
 7月2日 鹿作る 自然の造形 なすがまま
大台ケ原山(日出ヶ岳1695.1m) 奈良県上北山村  地理院地図は→こちら
~山歩紀行目次へ~ 
Margoは日曜も予定はびっしりで、朝食後すぐにお出かけ。それに合わせて我らも出立。目指すは、大台ケ原山。京都から高速道で南下、大阪を経由して奈良入りし、橿原、明日香、吉野とかつて訪ねたことのある懐かしい地名を横目で見て、一路、上北山村へ向かったのです。大台ケ原山も前日の伊吹山同様ドライブウェイが通っていて、ビジターセンターのある駐車場から主峰日出ヶ岳までの標高差は120mくらい。今回は天気も良いし時間のゆとりもあるので、Okkaaと二人、のんびりとハイキング登山です。
渡辺伸栄watanobu 
林間のハイキング気分で歩けたのは最初の分岐(正木峠)まで。そこから山頂へは、一気登りの長い階段が続く。峠には展望所があり熊野灘が見えるはずなのだが、生憎霞んで海ははっきりしなかった。
階段でふと頭を上げると、木造の建物がある。途中の展望所かと思いきや、そこが日出ヶ岳の山頂だった。大台ケ原の名の通り、広い台地状の山が続く。隆起準平原で関西では珍しい地形なのだという。
日出ヶ岳山頂の一等三角点で登頂記念写真。単独行の若者と交換シャッター。三連チャンで二人そろった登頂は、ここだけ。この後、山頂展望台の2階に上がって大展望、その後は、1階に降りて昼食と、ここでのんびりと時間を過ごした。今日はとにかくOkkaaに付き合ってのゆったり山歩。
 
日出ヶ岳山上から西を望む。大峰山の山塊が並んでいる。あそこが大峯奥駈道の通る世界遺産の峰々。あの峰のどこかに明日登る弥山、八経ヶ岳があるはず。
 
ズームで。山頂からビジターセンタのこの方向が明日登る大峰山(弥山・八経ヶ岳)の山塊だと思うのだが、どれがどの山かはよく分からない。 
ここからは富士山が見えることになっている。遠くの山の陰にそれらしい山影が見えて、もしかしたらと思ってカメラを向けたが、どうも違うようだ。富士が見えるのは晴天の早朝だとか。それにしても、奈良と三重の県境のここから駿河の富士が見えるとは。 
一旦分岐に下り、正木嶺に登り返すシロヤシオの林。花の時期には真っ白なトンネルの道になって、それはそれは見事なものだと、この翌日、八経ヶ岳で会った地元の登山人が語ってくれた。遅咲きの名残りか、階段の道に白い花びらがわずかに散っていた。
 
正木嶺の鹿が作った景色。首を伸ばして葉や枝を食べるから下枝の高さが揃う、ブラウジングラインと言うのだそうだ。それはそれで、造形の妙のようにも見える。
これも鹿の作った光景。ミヤコザサしか育たないのだと。かつては、苔生した鬱蒼とした森だったとのことで、この山の管理者は、往年の森を復活したいと願っているようだ。それも分からぬではないが、針の山のようなこんな光景は珍しく、大台ケ原らしい感じがして印象的ではあった。鹿も自然の一つ、我が頭の毛のように成り行きに任せるのも一つの手ではあろうか。などとこの日は思いながら、翌日は、八経ヶ岳のオオヤマレンゲを絶滅させるのだけは何としても防いでほしいと、身勝手に思う登山人でありました。
<コースとタイム>
大台ケ原ビジターセンター発11:37-12:21日出ヶ岳山頂13:08-13:44正木ヶ原-13:52尾鷲辻-14:32ビジターセンター着
この日の泊地は天川村のキャンプ場。R309を通れば直通なのだが、食糧購入のためR169で吉野・大淀に戻り、そこから天川村へ向かった。
ページのTOPへ