綿野舞(watanobu)風物記2017
 
 10月22日 秋雨に兎しとどに大社
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歴史マニアとしては、伊勢神宮と出雲大社には参拝し、神の代の物語を偲びたい。そう思いながら中々機会がなく、お伊勢様に参ったのは8年前。今回ようやく出雲大社にお参りできた。子どもの頃から親しんだ大国様と因幡の白兎の話、国引き神話、国譲り、ヤマタノオロチなどなど、現地に立って見れば懐かしさが一層募る。荒神谷遺跡と合わせて見れば、太古からこの地が文化の先進地で、大和朝廷以前から一大国をなしていたこともうなずけるような気がする。
渡辺伸栄watanobu
大社敷地の裏手大駐車場から入って、すぐにこの大注連縄の拝殿。初めてのことで、ここが大社の神殿拝殿かと入念に参拝して、あとで分かったのはここは神楽殿。本殿とその拝殿は、もっと中心部に進むとすぐにあった。何事もやはり、裏口ではなく正面正門から入るべきである。
こちらが本殿の前にある拝殿。裏口から入ると本殿の前を通ってこの拝殿に出る。順序が逆だったので、ここでお参りしてもう一度本殿へ行き直した。
こちらが本殿。大社造りの千木がひときわ目立つ。一般参拝者は、正面左の八脚門から本殿を拝むことになる。
いかにも荘厳な本殿の屋根。千木に空けられた四角い穴は、実際には大人が通り抜けられるほどの大きさなのだとか。
本殿をぐるりと一周する。本殿の真後ろに、可愛い石の兎がいくつも並んでいた。しとどに濡れながら手を合わせて本殿に参拝している。因幡の白兎が大国主命へ御礼のご挨拶に参上の態。
 
何とも兎の表情がよくて、写真を何枚も撮った。我家の猫額苑にも欲しい、が赤裸の白兎を助けないと無理か。 
 
幸魂奇魂(さちみたま くしみたま)  大国主命はこの御魂のお陰でムスビノカミになられたということで、縁結びの神様になった。10月は、出雲に全国の神が集まって縁結びの相談中だから、神が留守で神無月、だが、出雲では神有月。 
 
大社の参道にはツワブキが開花中。逆回りで正面の大鳥居へ出てみたが、やはりこちらから入るべきだったと、門前で出雲名物の出雲そばを食べてから、入り直して裏口へ戻った。
大社参拝の後、荒神谷遺跡へ回った。1983年の大発見で大騒ぎになった遺跡。歴史マニアとしては今でも鮮明に覚えている。何しろ、358本もの銅剣が整然と埋められていたというのだ。その後の調査で、すぐ隣には銅鐸と銅矛。弥生時代のこの謎はまだ解明されていない。 
 
農道建設の事前調査で偶然見つかったという、ごく平凡な谷間の斜面。以前から土器の破片は拾われていたということだが、藪で覆われたどこにでもある山の斜面を掘り返すことなど、建設工事にでもひっかからなければ、まずありえない。ということは、全国どこでも、地中には何が埋まっているか分からないということ。関川村も現在、田圃の埋蔵文化財発掘調査中、淡い期待が膨らむが、確率は非常に低い。
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