綿野舞(watanobu)猫額苑四季(ねこのひたいのにわのしき)2017
 
 3月8日 河童曰く 春待ちかねて 早まったり~
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3月に入って、いよいよ春の気配。5日・6日の猫額苑には、それはそれは心地のよい陽が当たり、一気に春が来たと思わせられたのです。炬燵での冬養生にもそろそろ飽きが来ていた頃。待っていましたとばかり庭木の雪囲い撤去作業を完了。と、思いきや昨日から冬再来で今朝はこの有様。せっかく冬仕舞いから出してやった河童君も、雪に埋まってこの通り。
渡辺伸栄watanobu
上が今朝、下が2日前の猫額苑。例年より少々早めに雪囲いを撤去したのがあだとなった。
早々と、冬の間は格納していた河童君を苔庭に出してやった。残雪を背に陽だまりで気持ちよさそうにしていたのも束の間、新雪に埋まって・・・でも、それはそれで、どこか嬉しそうに見えるから不思議です。
この河童君、実は南国育ち。長崎のグラバー園の前の土産物屋から買ってきたもの。店に入ったとたん目が合ってしまって、「ツレテイッテ!」と言ってきかないのです。店の小母さん曰く、「この河童、主人がどこかの町の祭り夜店から買ってきたものなんです」と。その正直さがまた気に入って・・・その割には安くはなかったな。
いち早く、庭のニシキマンサクが蕾を綻ばせて、黄色い鮮やかな色の花ビラを広げようとしていたのでした。それも今朝はすっかり雪をかぶってしまって、気早さを後悔している様子です。 
2月中は毎日遊びに来ていたヒヨドリ君。一日一個はリンゴを平らげて、炬燵冬養生の老夫婦を楽しませてくれていたのに、そのリンゴを3日分ほど失敬して、鳥坂山へもっていったのです。 
寒い日の朝など、羽毛をふっくらと膨らませて、今日は親鳥が来たかと見紛うこともあるほど大きくなったり、時には、すっきりと細身で現れたり。もしかして二羽で交代交代かとも思うのだが、どうもそうでもないらしい。たまたま玄関から外に出た時など、時に、目の前をサァーと行ったり来たりして飛んで見せて、催促したりしているが、それ以上の芸は持ち合わせていないようだ。
3月に入って暖かくなったらちっとも姿を見せない。ほかにいい餌場を見つけたか、それとも、リンゴを掠め取られて無くなったのが原因か。餌がなければ寄っては来ない、現金なものだが、それが真実だ。
「来るものは拒まず、去るものは追わず」 これも古典の真理だ。
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