綿野舞(watanobu)猫額苑四季(ねこのひたいのにわのしき)2017
 
 11月17日 初生りの 実を葉で隠す 柿の知恵
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庭の柿の木、玉椿の垣根の間から勝手に生えた木。多分、ブドウの実を食べにくるヒヨドリが御礼に種を蒔いていったのだと、勝手に思い込んでいる。それから八年経ったはずの今年、初めてたった一個の実をつけた。甘いか渋いか、もぎ頃はいつかと見計らっているうちに秋が深まり、枝々の葉は落ちた。にもかかわらず、実の周りの葉だけが落ちずに残っている。健気にもカラスなどに見つからぬよう、実を隠しているつもりなのに相違ない。草木には脳がないから意志がないと言うのは嘘だ。個々の細胞の意志が総体として全体の意志になって、行為に現れている。これは、植物も動物も人間も皆同じ原理だと、私は勝手に信じ込んでいる。
渡辺伸栄watanobu
「♫正直爺さん食べてみた~♫」これがもし甘柿であれば、ヒヨドリ君の大御礼ということになる。でも、「♫意地悪爺さん食べたなら~♫」渋柿だったらどうしよう?早くもぎすぎるとまだ渋が残っているような気がして、なかなかもぐことができないのです。
それにしても、ここは路地で風の通り道。今秋は台風が何度か通過して、この柿の枝、右に左に大きく振られ、見かねて庇から紐を垂らして枝を吊ってあげたのですが、それでもブランコは大揺れ。ちぎれるかとガラス越しにハラハラ眺めているばかり。それがこの通り、無事に晩秋初冬を迎えているのだから、凄いものです。
玉椿の垣根には雪囲いの骨組みを立て終わり、あとは、上から竹材を並べて被せれば完了です。
今月の8日から、猫額苑の冬支度開始。まずは、樹木の枝落としから。リンゴ、モモなどの果樹はもちろん、ブナの大木やクロガネモチ、ジシャガラなども、枝をバッサバッサと切り落とし。狭い庭の空間の確保と雪折れを防ぐのと、一石二鳥の作業です。
玉椿の囲いが終われば、庭の木々を囲います。晴れの日を待っています。
 
玄関前のブナの木もモミジの木も、例年になく黄葉が綺麗だったようです。いつもは、遅くまで緑葉が残って、黄色くならずに茶葉に変わっていたのですが。
ナナカマドの実も、大風に負けずにこうやって最後まで残っています。今年の晩秋は、どうも例年の庭と雰囲気が違います。多分、気候が異常だったからでは。ま、異常でよくなるものも中にはあるということですかね。
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