古城址物語 ~関川村に残る古い城跡の話~                   筆・Watanabe Nobuei
      はじめに


 関川小学校の6年生は、「えちごせきかわ堀と柳の秋祭り」に訪れた観光客に対して、村内文化財ガイドのボランティア活動を行っています。
2013.10.27
重要文化財「渡辺邸」付近で文化財ガイド中の小学生

 
 子どもたちは、ガイドのための事前学習として調べ活動を行い、その結果をリーフレットにまとめて、祭り当日、観光客に配布しながらガイドしています。 
  
 ガイドする文化財の一つに、「村内に残る城跡」を取り上げているグループがあります。

 そのグループの城跡学習には、私もお手伝いをさせてもらっているのですが、担当の先生によれば、できるだけ子どもたちの主体的な調べ学習で進めたいのだが、なにせ子ども向けの資料が少ないのでむずかしさがあるとのことです。

 関川村の城跡については、「関川村史」に詳しいのですが、小学生が読み取るには少し難しさがあります。そこで、「上関城四百年物語」を綴ってみた私としては、中世の城跡学習に挑む関川小学校の先生方や子どもたちを応援したいと考え、浅学を省みず、ここに城跡学習用の資料集を作成してみようと思い立ったわけです。

 今述べたように、村内に残る城跡については、故高橋重右ェ門先生が「関川村史」に詳しく記されていますので、それをお借りして、児童向けに整理しなおしていくことが主な作業になると思います。
 そこに、「上関城四百年物語」を綴った過程で入手した資料や若干の現地踏査などを踏まえての少々の私見なども加えてみたいと思っています。

 また、地域史に関心のある方々にも読んでいただけるよう、小学生向けの本文にほかに補説や現地探索レポなどを加えて内容をいくらかでも掘り下げてみたいと考えています。

 中世の城跡研究というと、どうしてもマニアックな世界になりがちな印象があります。
 できるだけ分かりやすく、私たちの住むこの地で活躍した先人の具体的な活動と今も残る史跡・景観とが結びつくような、そんな書き方ができればと思っています。