綿野舞 watanobu 山歩紀行 2010.10.23 立烏帽子
 標高696m  新潟県関川村    

立烏帽子山頂から、関川盆地の眺望

山小屋「梁山泊」の屋根越しに見える岩山が立烏帽子
 
麓の大石集落の皆さんが、春は月夜平の自然探索会、秋は、立烏帽子への登山を企画している。

前年はその月夜平の会に参加し、この年は立烏帽子登山に参加した。

昔々、日照りが続くと、この山の上で大石集落の女衆が雨乞いのお祈りをしたのだと、言い伝えられているという。

葡萄鼻山という名の山塊の西北端にちょこっと飛び出した岩山だが、山頂に立つと独立峰のように感じる。
神様からもよく見えたのに違いない。

大石集落の皆さんは愉快な人たちで、その雨乞いの様子を見てきたように話してくれて、楽しい1日だった。


この立烏帽子の下には、梁山泊と名付けられた、なんとも凄い名称の山小屋がある。無人の避難小屋だ。

冬山では、この小屋を基地にして、葡萄鼻山を越えて大境山へ登ったり、さらには朳差岳へ登るルートもあるとか、素人の私などにはなかなか及びもつかない、ただひたすら感心して聞き入るだけの、山岳人の話だった。


昼食は、その梁山泊の前の広場で、確か豚汁を振舞ってもらったように覚えている。

先祖代々、自然の中で生きてきた大石集落の皆さんは、今も変らず故郷の自然を大切にしたいと願って、様々な催しを組んでいる。そんな人たちと共に、さわやかな秋の1日、愉快な楽しい山歩きだった。



ところで、この山に来たのは初めてではない。

かれこれ18年も前のこと、公民館主催の村民登山で一度登っている。

そのときは、立烏帽子が最終目的ではなかった。
梁山泊の前を通り過ぎて、そのまま、葡萄鼻山の中腹を横切る形で先に進む道がある。牛道という名がついていた。
その先には、かつて銅の鉱山があって、宝鉱山という、その鉱山跡を訪ねるのがそのときの目的だった。
牛道は、牛車で採石を運んだ道だったのだ。

18年前の印象と比べると、今回は、どうも道の周囲の木立が繁り、見晴らしが悪くなっているように感じた。

18年という歳月、あっという間だったように感じるのだが、木々の繁りようを見れば、それなりの長さを経てきたのだと、あらためて感じさせられた秋の1日でもあった。

山頂には立派な標柱が立っている
 
山頂のすぐ目の前に朳差岳、その奥左になだらかな梶川尾根

頂に憩いあり、わかぶな高原スキー場が見える

クサギ  臭木と書くほど匂いがするとか、見事な実をつけるのに
 
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