前日の20日、あまりにもすばらしい秋晴れの日で、遠くの山までくっきりと見えた。
こんな日に、山に登らない手はない。22日以降は天候が崩れるという。そこで急遽この日、二王子に登ることにした。
突然の思いつき登山に付き合ってくれるヒマ人はいない。で、今季2回目の単独行となった。

二王子山頂からの眺望は期待以上だった。眼前の飯豊連峰を、秋の澄んだ空気が、手が届くほどに近く感じさせてくれていた。 

左から、朳差岳、鋒立峰、大石山、頼母木山、地神山、門内岳、北股岳、梅花皮岳、烏帽子岳、飯豊本山、御西岳、大日岳

飯豊の主峰が勢揃いして、まさに圧巻。各小屋が肉眼でも見える。あの峰峰を歩いた、夏の日、そして先日の秋、なつかしく思い出される。 

朳差岳は連峰の前衛、鋒立峰を従えて
峰々の最前線に屹然として座る 

北股岳は連峰の中心、標高は3番手ながら
さながら司令塔の如く、存在感は大きい

左に飯豊本山、距離が離れるため小さい
右に大日岳、西大日岳を伴い連峰の本丸

二王子岳の眺望は、飯豊だけではない。ぐるりと360度、山あり海あり。北方には、朝日連峰、8月に登った大朝日岳もくっきり見えた。
朝日連峰の左方遠くに三角形の山が見えた。山頂の談義では、月山ということになったが、帰ってから地図で確かめると、月山は朝日連峰の陰になり、この方角は、鳥海山であることが分かった。~談義した山頂の皆さん、訂正します。~ 

ズームアップした朝日連峰
右が夏に登った大朝日岳

左に二王子山頂 右が朳差岳 
その中間に遥か朝日連峰

朝日連峰の左手遥か遠くに鳥海山
光兎山、鷲ヶ巣山、摩耶山、鳥海山がほぼ一直線

蒲原平野、その向うに弥彦山、角田山

日本海に浮かぶ粟島

五頭山、菅名岳、白山方面 

もちろん二王子の魅力は眺望だけではない。登山道の秋色も魅力的だった。今年は、どういうわけか燃えるような赤色が出ない。ナナカマド、ツツジ類の紅葉はすでに冬枯れの様相を示しているものが多い。
それでも、ブナ、マルバマンサクなどの黄葉が秋色を演出してくれている。

朝日射すブナ林を登る 

マルバマンサク

いかにも秋のブナ林を下る 

ツルリンドウ 

ツルアリドオシ
 

白山単独行の轍を踏むまいと、歩き始めには特に気を配った。「ゆっくりゆっくり、小幅に小幅に」と自分に言い聞かせながら。お陰で、快調なペースで往復できた。
下山終わり近くの杉木立の中で、せせらぎが滝となっていた。その水音とマイナスイオンが火照った体には嬉しかった。手を浸して、顔を洗う。その心地よさが、山頂の満足感、山道の充実感の余韻となって残った。
二王子岳の登山道は、よく整備されていて、登りも下りも実に歩きやすい、いい山だった。
Haseさんからは、足と熊を心配するメールが入って、今回も、勤務中のHaseさんをうらやましがらせてしまった。来週は、光兎山、一緒に登ろう。
 二王子岳 1420.3m 新潟県新発田市  ― ページのTOPへ ―

2011年10月21日  二王子 にのうじ 岳