山歩紀行

鳥海山  新山 2236M  七高山 2229.2M  山形県遊佐町  
人と交わり、草木と交わり、山気と交わる、そんな山歩きの楽しみを綴ってみた
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Sは、スキー)
2012年7月29日 花の鳥海山へ  滝ノ小屋登山口から


 
 いつもMurandoさんからたくさんの画像を送ってもらっている鳥海山
 いつか行きたいと願っていたところ、機会が巡ってきた
 Murandoさんが、ご夫妻で案内してくださるという
 なんともありがたい機会をいただいた

 初めての鳥海山
 行ってみて歩いてみて、大感動大満喫
 鳥海山は、大きくて豊かな山だった

 Murandoさんお勧めの滝ノ小屋登山口からの往復コース
 1500mを超す高所に河原があり、その先には大きな雪渓がいくつもあって、豊かな水の源になっていた
 そして、早春の花から夏の花まで、数々の高山植物が咲き誇っていた
 その種類の豊富なこと

 ガスが立ちこめる雪渓の登りは、Murandoさんのガイドがなければ、どこに向えばよいのか皆目分からなかった
 Murandoさんの忠告に従って我らの後ろについてきた若者の集団が、雪渓を登り切って別れる際に真面目におどけてこう言った
 「すごいパワーですね」 「僕たち、かないません」 「コウジュン、飲んでるんですか」
 売り言葉に買い言葉? 真面目におどけてこう返してあげた
 「コウジュンだけじゃないぞー、ヒアロルンサンにドモホルリンクル、君たちも、たまには飲んで、がんばれー」
      ~コウジュンとやらの宣伝では決してありません   だいたい、だれもコウジュンとやらを飲んでなんかいないのです
                                        飲もうとした人がたった一人いるようですが・・・・・(閑話休題) ~
 
 鳥海山の外輪はゆったりとして裾野を広げ、穏やかに柔らかく人々を遊ばせる
 ところが、その外輪の稜線に立ってカルデラの中を見るや、その荒々しさに圧倒される
 まさに君子豹変
 その豹変ぶりが、鳥海を奥深く豊かな山にしている、そんな気がした

 ともあれ、花々の数々、雪渓、そして、荒々しい山頂、はしゃぐ高年山歩人たち・・・
 それらを画像でタップリとどうぞ


滝ノ小屋を出るとすぐ流れのほとりにミヤマキンポウゲ

 ニッコウキスゲの向うに雪渓が見えた

滝ノ小屋の名称の本となった滝、地図上の白糸の滝とはこれのことか

 緑一色の中に紅色が鮮やかなベニバナイチゴ
群れ咲くハクサンシャジン、別名ツリガネニンジン

イワオトギリ  高山植物に詳しいMurando夫人は、奥ゆかしい方で、
シナノオトギリかイワオトギリかは、見分けが難しいとおっしゃる    
          
  ツリガネニンジン 釣鐘の形がよく出ている      クルマユリ 根元の葉が車状            murandoさんの調べで
                                                                 ホソバノキソチドリではないかと

八丁坂にイワテトウキの群落 ミヤマトウキの別名

八丁坂はお花畑 カメラを向けだすと時間がいくらあっても足りない

ミヤマハンショウヅルの花と穂
半鐘の形をした蔓とMurandoさん、言われてみれば全くその通り

ミヤマアキノキリンソウ
とにかくミヤマがつくと何でも偉く見えてしまうから不思議なものだ 

 ハクサンフウロ ひときわ鮮やかな紫色

ウラジロヨウラク こちらの花にはガクがついているようだ 

ミヤマカラマツ  河原宿小屋の前で、「この花は何?カラマツソウか?」などとと騒いでいる人に教えたかったが、奥ゆかしくじっと我慢した   

 1540mの高所に水の豊かな河原がある
そのほとりに  ニッコウキスゲ

 イワイチョウ 河原の水量は多く、豊かな水音を立てて落ちてゆく

 河原宿を過ぎると待ってました、大雪渓

 朝のうちは雪が凍っていて固い、アイゼンをつけて登る

この雪の文様を何と言うのだろうか 風紋?それとも雪紋? 

Murando夫人が指差す雪渓の融けあとにミツバノバイカオウレン
別名はコシジオウレンだと夫人から教わった

 雪渓を登り終わっていよいよ急坂に差しかかる斜面に
チングルマの群落
ミヤマキンバイ  アオノツガザクラ 

葉の形からマルバシモツケだろうか
それとも、イワシモツケだろうか
 薊(アザミ)坂 息が切れる急坂 足がつりそうになるが
花々が気を紛らしてくれる カメラを出して大きく息をつく
薊坂の草叢に ミヤマダイモンジソウ  ハクサンシャクナゲ 薊坂の急斜面に咲き誇っていた 
ヨツバシオガマ 薊坂で色鮮やかに 
イワギキョウ 伏拝岳に登り切って行者岳に向う外輪山の稜線上で 
同じ稜線上で チョウカイアザミ 鳥海山の固有種 
イワブクロ 岩に生える袋、絶妙のネーミングと図鑑にあった
 一眼レフを持ってこなかったことを悔やむHaseさん  ミヤマリンドウ 今年も出会えた
行者岳からカルデラ谷の側壁に降りる かなりの難所
 
その難所の岩壁でMurando夫人が見つけて教えてくれた
 イワウメ  時期外れて咲いていたのはここだけ 
 一時ガスが吹き飛んで、カルデラの谷から見上げた新山
1801年の噴火でできた溶岩ドーム
カルデラ谷の岩壁を慎重に歩く人 それを見守るホソバイワベンケイ
 
 
ハクサンチドリ
色といい形といい、なんとも複雑な花
御室で昼食の後、新山の岩肌にしがみついて登る
Kimiちゃんはこんな崖で本領を発揮する スイスイと登ってしまう 
 胎内めぐり 長身のHonjunさんには厳しい穴  ツガザクラ 花だけ見るとアカモノそっくり

新山の岩に溶け込むMurandoさん
新山から一旦御室に降りて、荷を背負い、反対側の七高山に取り付く 
 目指す七高山の頂 七高山山頂から対岸の新山を望む その間にはカルデラの深い谷 
おい、押すなよ!! 
HaseさんとHonjunさんが感動してはしゃぐ
七高山山頂で ここに一等三角点がある2229.2m
「いい年こいて万歳はやめろー」とMurandoさん 
 帰路は七高山から伏拝岳までの外輪山の稜線歩き
その途中で、ヨツバシオガマとミヤマリンドウ、ネバリノギランも

同じ稜線上でウサギギク
名前の由来は葉の形にあるとMurandoさんのレクチャー
アオノツガザクラにハクサンチドリにイワオトギリに  チョウカイフスマの固まりの中にイワブクロ その向うの雪渓は千蛇谷 
 トウゲブキと心字雪渓  ヒナザクラ 帰路には見事に開いていてくれた
 雪が軟らかくなっていてアイゼンなしで下る  ミヤマホツツジ
チングルマの穂
説明不要の美しさ 
ミヤマツボスミレ
これもMurando夫人が見つけて教えてくれた花 

一息入れて、眼前の大雪路をこれから下る
下り終わって見上げた心字雪渓の大雪路と小雪路
朝はこの景色が全く見えなかった

八丁坂で見つけた大岩  勝手に秘かにMargo岩と名付けた
Murando家の孫岩に真似て

トウゲブキとイワテトウキが競い合う八丁坂は、
岩がゴロゴロのワイルドな路、下りには長くて辛い坂だった
 
午前1時に起床、3時に朝日道の駅に集合して出発、5時57分から登山開始
無事下りきって、登山口に下山したのが午後4時時48分
その後、Murandoさん定宿の鳥海山荘で風呂に入れてもらって、高速道を帰路につき
帰宅したのは午後9時過ぎ
長い長い、充実の一日だった・・・・・道中運転のHaseさんに感謝して
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