光兎山麓にある中束(なかまるけ)集落の皆さんによる中束元気づくり実行委員会主催、「光兎山登山とヒメサユリ鑑賞会」に参加。

登山前の開会行事での話。
1週間前の日曜に登った人が1コ見た。その翌日登った人は3コ見た。その翌日の人は5コ見た。だから、今日は多分10コは見られるだろう。
ヒメサユリの開花状況のことである。

天候はあいにくの曇り空。麓から見上げた光兎山はすっかり雲の中。
眺望はきかないだろうが、このくらいの天候のときが、むしろ花はきれいに見える。
雨にはならないようだし、いい登山になりそうだ。

登ってみると、想定どうり。
まずは、ブナ林の緑。これがいい。この時期のブナ林は緑が濃い。しっとりと濃い。前を行く一行が緑の中に吸い込まれていく。
やがて、緑の中に花々が現れて。
まず、ツクバネウツギ。
白に薄くクリーム色、花弁の内側に黄色で網目模様。
それから、ヤマツツジ。今が盛り。緑の中に点々と赤い塊。確か昔、この花を火事花といったように覚えているが、この色からだろうか。
次に、アズキナシ、ナナカマド。どちらも白花で、この時期になくてはならない花。山肌の濃い緑を落ち着かせるから。
そしてお待ちかね、ヒメサユリ。
現われるのは、第三峰・雷峰の手前辺りから。
いつも必ず、先頭を行く人が、「あったよー、咲いてるー」などと大きな声を出す。
ほかの花では絶対にそういうことはしない。やっぱり、この時期の主人公、主役、スター。

下山して帰宅した後の話になるが、Murandoさんからメールが入っていて、光兎山のヒメサユリの開花状況をすぐ知らせろという。直ちに次のように返信した。
「たったさっき帰ってきました。取り急ぎお知らせします。
光兎のヒメサユリ、今が旬。蕾あり、咲き初めあり、咲き盛りあり。姥ユリ、全くナシ。」
今日はドンぴしゃりのそんな状況。
光兎山のヒメサユリはいい。
山頂近くの稜線上の登山道の傍らに咲く、その風情がいい。一つ一つ、皆それぞれに違う顔をしていて、それもいい。
今回は、日が当っていなかった分、ピンクの色合いが特によかったような気がする。霧にしっとりと濡れた花もよかった。
最後の締めは、ウラジロヨウラク。ガク付きとガク無しがあるそうだが、そういう細かいことは別にして、この花の色も形もいい。
赤でもない、紫でもない、ピンクでもない釣鐘形。この時期にしか見られない色。
もっとも、どの花も、その時期にしか見られないのであって、だから、山は、同じ山でも行く度に違う山になるのだが。

山頂はガスの中。風はないが少々の霧雨。こんな天候でも、花の時期の登山は大満足。
下山して中束集落センターで実行委員会の皆さん心尽くしのお握りやお汁をいただいて、感謝感謝の一日。

ところで、Murandoさん、早速翌日、光兎山に出かけたそうで、たくさんのきれいな画像が届いています。
「Murandoさんの自然写真館(山・花・鳥)」
でどうぞご覧ください。
この日も山頂は大賑わいだったそうで。

(6・9Murandoさん撮影)
まっ、山は晴れるにこしたことはないですよね。
それにしても、大人気の光兎山です。
人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
山歩紀行 2013

                 西穂山荘 2011.8.28撮影
 
 2013年6月8日 光兎山 霧の中、ヒメサユリ咲いて
                       光兎山 966.3m 新潟県関川村

緑に染まるブナ林を行く  フカフカの落ち葉の道が心地好い

ツクバネウツギ

真っ赤に燃えるヤマツツジ

アズキナシ

ウラジロナナカマド

ヒメサユリ

ヒメサユリ咲く登山道

豪華絢爛

ガクウラジロヨウラク

霧の山頂で憩う人々 本日参加の一行

  
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