2日目の朝、ご来光を拝めるかと早起きしたものの、門内小屋の外は一面のガス。
諦めて寝袋の中へ、しばらくすると窓ガラスに日の光、外へ出ると雲海の上に陽射しがあった。
カメラをいじっていた目をふと上げると、一瞬の間にガスが吹き飛んで、眼下の石転び沢雪渓が見えた。その上に厚い雲海。
天上界と地上界の境界を見たような気がした。もちろん、こちらは天上界。
昨日、多少無理して門内まで足を延ばしておいたお蔭で、今日はゆったり日程。
せっかくの天上界、お花畑でカメラを構えてうろつきながら下山。
Junjyさんは、花を見つけるのが実に上手い。路傍のどんな小さな花でも見逃さない。
Murandoさん曰く、こういうのをミツバチ登山というのだそうで、花から花へ、フワリフワリ、ブーンブーン。
昨日の雪渓登りは標準タイムよりわずか速いくらいの直行登山。打って変わって、今日は、標準タイムを数時間オーバーの、いつもどおりの道草登山。
6月の飯豊は初めてだから、このときにしか見られない花がたくさん、びっしり。
HaseさんもJunjyさんにつられてパチリパチリ。
今回は先頭に立たせてもらった小生、このままでは時間が掛かりすぎる、飛ばすぞ! 写真は終り!などと言ってはみたものの、きれいな花を見つけると、真っ先にパチリパチリ。
すかさず、Haseさんから、写真は終りといった人はだれだ!!と、突っ込まれ。
滝見場近くで石転び沢の雪渓を見たときは、時間も忘れて、居座り。どうにも立ち去りがたい。時を変え場所を変え、何枚石転びの写真を撮ったことか。
それにしても、どう目を凝らしても雪渓を登っている人がいない。昨日はあんなににぎやかだったのに。
平日だから当たり前なのだが、我らも昨日に登ってよかった。今日だったら、どれだけ心細かったか知れない。
当初の計画は、土・日だったのだが、土曜日が雨で、日・月に変更した。昨日の日曜が雨なら、平日に登るつもりでいたのだが、日曜でホントによかった。
それに、下山した後のことになるが、翌日の火曜日からは雨。結局、ドンぴしゃりの日・月の2日間となった。
昨年、槍ヶ岳に登って好天をピタリと射止めた岳人2人のお蔭だと心から感謝している。
それはさておき、なれない先頭を務めたせいか、梶川尾根の最後の急下りで、足がヘロヘロ。下でビールを飲むことだけをイメージして、それを支えにどうにか下山。
2人を急かして、山荘へ直行。玄関に横付けしてもらった車から転げ出るようにして、2階のレストランへ駆け込み、生ジョッキを一気に2杯。飲まなくてもツツツーと喉の奥へ流れ込んでくれた。
湯上りにカンチュウハイなどもう一杯飲んだものだから、帰りのHaseさんの車の中で、すっかり出来上がってしまって、帰宅して翌朝までぐっすりの体たらく。
車を運転のHaseさんJunjyさん、ここの登山口では、いつも自分だけわがままをしてホントにごめんなさい。お詫びに、撮りまくったお2人の勇姿を送りますので。
それにしても、今回の梶川尾根下り、すっかり余裕のJynjyさん、Haseさんでした。お見事!!
そして、初の石転び完遂、アッパレ3人組!! (自画自賛)
人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
山歩紀行 2013

                 西穂山荘 2011.8.28撮影
 
  2013年6月17日 飯豊連峰2日目 門内小屋から梶川尾根へ
                扇ノ地神 1889m 山形県小国町・新潟県胎内市

梶川尾根の滝見場付近から石転び沢雪渓を望む あそこを登ったと思うと立ち去りがたい

5:09門内小屋で
  一瞬ガスが晴れて雲海の下に石転び沢が見えた

扇ノ地紙へ向う稜線上で
  ハクサンイチゲの向うに二王子岳

北股岳、烏帽子岳、飯豊本山
  その先遥か雲に浮かぶ吾妻連峰

チングルマの向うに北股岳と梅花皮岳
 その間の三角が石転びの雪渓

朝日連峰  雲間から呼びかけているように

地神山から丸森尾根
 その向うに朳差岳 朳の小屋が微かに見える

タニウツギが瑞々しくて
 石転びの雪渓と梅花皮小屋がまだ見えて
 
ウズラバハクサンチドリ                アオノツガザクラ
 
イワイチョウ                      タカネザクラ
 
ハクサンチドリ                    クロウスゴ
 
シラネアオイ                      サンカヨウ
 
マイヅルソウ                     無事に下山  疲れたー

  
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