JunjyさんもKimiちゃんも、長雨で鬱々としていたらしい。
ネットで天気予報を片端から当って、19日の雨飾山は大丈夫だ、行こう!! ということになった。
それというのも理由がある。

来週、横尾から1000m上がって稜線を常念に向い、Uターンして蝶ヶ岳に泊まろうという計画があるからだ。
何故そのような計画になったのか、そもそも常念登頂は可能なのかなどについては、後日に回すことして、話を雨飾に戻すと。

長雨に祟られて1ヶ月山歩きをしていない二人。このまま常念の稜線歩きに出かけるわけには行かない。
当方も鳥海の御浜まで歩いたとはいうものの不十分状態に、そう違いはない。
そこで、3人で雨飾で足慣らしだ、と長駆、出かけたという次第。

目標は、標準タイム以内で登攀往復すること。

ということで、出だし、Kimiちゃんを先頭に快調に歩いた。荒菅沢を越えてからの急坂もなんのその、順調に高度を稼いで、岩尾根に出た。
そこからがいけなかった。

予想外の、見事な花々の出現。花に目のないJunjyさんとNobuさんには堪らない。早速カメラでパチリパチリ。
おーい、Kimiちゃん、感動してるかーなどと呼びかけているうちに、Kimiちゃんの影も形もない。
あわてて二人で追いかけて、なんとか笹平の稜線上に出たものの、そこもお花畑。遅れること遅れること。
結局、Kimiちゃんの前回タイムに1時間遅れ、標準タイムに30分遅れの体たらく。

下りこそ真面目に行こうと、花に立ち止まることもせず歩いたにも関わらず、結局、前回のKimiちゃんタイム2時間に対して1時間遅れ。
かなりのショック、これは常念は危ないと自信喪失。

ところがJunjyさんは、前回タイムの方がおかしいと、引き下がらない。
翌朝早々、Kimiちゃんからメールあり、調べたら2時間40分の間違いだったと。
続いてJunjyさんのメール、ヤッパリナ、自信回復だ、と。
これで、めでたし、めでたし。


いや待て、喜んでいる場合ではないゾ。標準タイムより、登り30分下り30分遅れている。
登りロスの原因は花カメラ、それは分かっている。下りロスの原因は何だ。

つらつら考えてみるに、山頂で、Kimiちゃんの運転をいいことに、Junjyさんと二人、ビールの乾杯をしたことが原因に違いない。

下りのわずかな登りでも息が切れて歩みが遅れたのは、アルコホールのせいでアルデヒドが体内に滲出し、悪さをした。科学的に考えればそうなる。

来週の常念登頂策としては、花で時間ロスを生まないこと、山頂ビールは自粛。Kimiちゃんに誓いのメールを送った。

送った後でふと考えた。そもそも常念の山頂に立てる保障はどこにもない。稜線の途中のどこかで引き返す公算が大。ビールなど持って行けるはずもないのだ。


それやこれやで、真面目な一人と良い加減の二人の珍道中、楽しい山旅でした。雨飾山は変化に富んだ、いい山でした。

それに帰りに寄った温泉宿も、木造レトロで実に趣があって。何しろ熱湯、流し湯の蛇口・シャワーなし。まるで、毎朝入っている上関の湯とおんなじ。



行き来の長駆、運転してくださったkimiちゃんに深く深く感謝です。

人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
山歩紀行 2013

                 西穂山荘 2011.8.28撮影
 
   2013年7月19日 雨飾山  予想外のお花畑に感動して

                     雨飾山 1963.2m 長野県小谷村 新潟県糸魚川市

15:01 下山途中、荒菅沢雪渓から見上げた雨飾山  往路では、ガスで山頂がよく見えなかった

15:14 荒菅沢から更に登山道を下ると雨飾山の全容が見えた。
右の雪渓が荒菅沢。

拡大すると・・・荒々しい岩山

9:50 荒菅沢雪渓はまだ厚い。山では(も?)婦唱夫随

11:03 山頂はまだ先 クガイソウ、オオバギボウシ

岩尾根に花が咲き誇って 色鮮やかなシモツケソウ

岩の斜面にクルマユリ、ハナニガナ、イブキジャコウソウ

タテヤマウツボグサの紫に見とれてしまって、ついつい・・・

11:47 笹平の稜線にマルバダケフキ
・・・・ガスの向う斜面の上が山頂

山頂下の鞍部に一旦下って、早く来いと手を振るKimiちゃん

12:05 ようやく山頂部に登り着いて下の鞍部を覗くと
小さな池がある  その右は山頂直下荒菅沢の谷底

12:10雨飾山頂に立つ 三角点のある南峰から北峰を見る

昼食後、北峰へ行き、そこから山頂碑の立つ南峰を見る

山頂も花園 タカネナデシコ
 
14:15 慎重に岩尾根を下る            15:00 荒菅沢雪渓の涼風を浴びて一息つく

     ― ページのTOPへ ―