8月初旬に槍ヶ岳と北岳を踏破して、なにやら大仕事を終えたあとのような気分になってホッとしていたら、アッという間に9月。
9月に入ったら朳差岳へと目論んでいたのだが、台風と秋雨前線で天候不順。
年間予定で7日にしていた武尊山も結局この日、10日に延期してどうにか実施となった。
「武尊」を「ほたか」と読むことは、最近知った。
登山口の武尊神社の看板によると、もともと宝高(ほうたか)神社と言ったとのこと。
それが日本武尊(ヤマトタケルノミコト)信仰と結びついて武尊の字を当て「武尊(ほたか)」山となったようだ。
山の名称は歴史と伝承と信仰が結びついて奥深く、面白いが、それだけに難しいのも多い。
「武尊山」を「ほたかやま」と読める人はどれくらいいるのだろうか。
それはともあれ、予報では、この日は絶好の登山日和のはずだったが、下界は晴れでも高層の雲はとれず、またまた遠望不可となってしまった。
晴天であれば、上越国境の山々はもとより、尾瀬、関東と360度の展望が期待できたのだが・・・。
7月初めに登った人のWeb記録ではシャクナゲの花ざかりだったようだが、今は、花の時期も過ぎて、花好きのJunjyさんもカメラを出さずじまい。
それでも、数少ないこの時期の花がところどころで姿を見せてくれていたし、この時期ならではの赤い実が鮮やかで、結構カメラ心を誘ってくれた。
それに、稜線に出てからの岩場は、かなりの崖でスリルあり、登り人の気分を満たしてくれた。
岩壁を這い登った上の景色は、高山の雰囲気に一変して目を楽しませてくれた。
下山後、武尊神社の下の沢に下りて、「裏見の滝」を見物してきた。沢近くまで下ると道は荒れていて途中で通行止め。結局、滝の裏側に回ることは出来なかったが、落差40mという豪快な滝を、滝頭からと正面から眺めることが出来た。水量多く、なかなか豪快な滝ではあった。
武尊山は含水量の多い山なのか、登山道のいたるところから水が滲み出していた。
その割りに、利根川水系が水不足なのは、需要に供給が追いつかないのだろうか。
それは自然のせいではない。

武尊山は、独立峰ながら、なだらかな裾野が広がる奥深い山で、山頂付近は岩峰険しい変化に富んだ山でした。
人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
山歩紀行 2013

                 西穂山荘 2011.8.28撮影
 
  2013年9月10日 武尊山  ひと月ぶりの山歩きはまた雲の山

                  武尊山 2158.3m 群馬県 みなかみ町  川場村
沢筋から尾根筋に上がってヤレヤレと思う間もなく、稜線上に岩場が数箇所現れる。
急崖が登山道になっていて、結構緊張を強いられる。一歩一歩足場を確かめながら鎖を頼りに高度を稼ぐ。
この変化に富んだスリルも、武尊山の面白さの一つかもしれない。

自然交代進行中
 倒木の登山道を長身のJunjyさんが屈んで通る

岩壁の登山道、山に慣れたHaseさんが着実に登る

あの岩場の上が絶好の休憩展望台

そこからの眺め・・・・利根川源流の方向へ
  裾野が広がり奥は深い

岩場の上に出て標高2000m
  ようやく高山らしい風景に変った

山頂間近
  標高2000m地帯だが森林限界には未だ至らない
武尊山頂から前武尊へ続く稜線
  ここまで来るとさすが森林限界

山頂から、雲の合間に剣ヶ峰山2020mが見える
武尊山には剣ヶ峰が二箇所あり、こちらは沼田市側の剣ヶ峰
ただし、国土地理院の1/25000地図には山名称なし

この日、武尊山で出合った花や実 

ツリフネソウ

キツリフネ

トリカブト
利根川源流部にはホソバトリカブトがあるとか、
これはちがうようだが

クロクモソウ
  現場ではこの名がなかなか出てこない

カメバヒキオコシ・コウシンヤマハッカとも
葉が亀の形で、その苦さが引付けに効くとか

ヒノキの大木の根元に赤い実の木
 ・・・・名は不明、木はむずかしい

オオカニコウモリ  葉が蟹型でなく五角形

オクモミジバハグマ  ハグマはヤクの尾の毛

ゴゼンタチバナ
 花後、実のために葉を増やす

オオカメノキ
  ようやく近頃ガマズミとの区別が・・・

ナナカマド
  新説は七日間竈で炭に焼く意味とか
         (中村浩著「植物名の由来)

ガマズミ 子どもの頃よく食べた
確か、甘酸っぱかったように覚えているが・・・

下山後眺めた「裏見の滝」

滝頭から、轟音を立てて40m下に流れ落ちる水   覗くと足が震えた

裏見の滝全景、滝の裏側に続く道は、途中崩壊らしく通行止め

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