人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
神室岳の動画をYouTubeにUPしました。こちらからどうぞ。

ついでに、クライミング講
習の様子もご覧ください。
 講習2日目は、こちら
 講習3日目は、こちら


絶好の晴天予報のこの日、カムロという名前に惹かれて、出かけてみました。
笹谷峠906mの辺りは紅葉の真っ盛りで、1000mより上は少々終わりかかっていました。

登り口からも稜線からも山形神室の山頂からも、山形市街がよく見えました。
この街は、青春の4年間を過ごした街、軟弱だった精神と肉体を徹底的に鍛えてもらった街です。
裸足で駆け登った千歳山がよく見えました。この山の麓の神社の石段を兎跳びで何往復したことか。
もう半世紀近くも昔のことです。

意図したわけでは全くなくて、たまたまなのですが、66歳の最後の日を飾るにふさわしい登山になりました。


山頂で一緒になった人たちは、地元の方々らしく、見える山々を紹介してもらいました。
目の前の大東岳、その先の面白山、ずっと先に船形山、みな奥羽山脈を成す、いい山だと。
早池峰には登ったと言うと、ならば、栗駒、岩手、岩木、秋田駒はどうだ、ぜひにと言う。
さらには、岩手県旧沢内村には和賀岳という山があって、ここのブナ林は白神を超えるとか。

行きたい山が、どんどん増えていって、どうすっぺー? 人間の欲望は、限りないものですな。
などと談笑しながら、一関から来たというその方と一緒に下山して別れたのですが、山を歩く人はどうしてこうも気持ちがいい人なのでしょうか。
気持ちのいい人が山に来るのか、山に来ると気持ちのいい人になるのか、どっちだろうなどとつい思ってしまいます。

この方は同年輩の人ですが、山で出会う若い人も本当に気持ちの和らぐ人が多いことに、最近しみじみ感じ入っています。

この日山頂で一緒になった青年も、実に爽やかで穏やかな若者でした。
この人は二人連れでしたが、単独行で、孤独を楽しんでいる若者にも山でよく出会います。
下界では、孤立を恐れて群れる若者が多いなどとといわれているようですが、山に来る若者は決してそのようにひ弱ではないようです。
山好き人としての贔屓目でしょうか。

若者よ、孤立を恐れるな、体を鍛えておけ、と言ってあげたいですね。


それはさておき、神室山塊、なかなか歩き応えのある山です。
どこかの記録にあったのですが、この山の魅力は稜線歩きにあるのであって、そのことからすると、仙台神室への激しいアップダウンは敢えて行く必要はない、などと書いてあったようです。

確かに共感できるような気もしました。
山形神室から仙台神室は別の山にもう一度登り直すような感じです。
2度目だったら、山形神室の先の台地状の稜線までで引き返すかもしれませんね。

来年、花の時期にUnqさんが阿賀北山岳会の計画に入れているとのこと、楽しみにしています。
山歩紀行 2013

                西穂山荘 2011.8.28撮影
 
  2013年10月29日 神室岳 錦秋の奥羽山脈
        神室岳(仙台神室) 1355m 山形神室岳 1344.2m
                      宮城県川崎町 山形県山形市


8:22 ハマグリ山1146.4mを越えて、錦装う稜線を進む
神室岳は思いのほか変化に富んだ山で、4つのピークを繋いだ稜線歩きが魅力の山
左から、トンガリ山1241m 山形神室1344.2m 仙台神室1355m
それだけにアップダウンがけっこう激しく、なかなか手ごたえ(足ごたえ?)のある山歩きが楽しめます

7:25 登山口から山形市街が雲海の下に見え、遠くに冠雪の
朝日連峰が見えます。ここまでは車で来れて、手軽に絶景を
楽しめる場所です。山形市街の左手前は千歳山471.3m

8:12 気持ちのいい稜線歩きが続きます。錦秋の山肌を見なが
ら、遠くの山形盆地はまだ雲海の下。

8:14 ハマグリ山という面白い名前のピークです。次のピークが
トンガリ山、その次が山形神室です。結構な凹凸です。

8:46 トンガリ山から見た山形神室とその右に長く続く台地状の
稜線。そこから急激に下って、再度急坂を登り直すと仙台神室。
あの四角な形から、カムロとはおかっぱ頭のことかと思ってしま
います。

9:22 山形神室山頂からは、霊峰月山も白く輝いて見えました。
山形盆地の雲海はだいぶとれてきました。

10:44 仙台神室山頂から北に奥羽山脈が続いています。
大きな台形は大東岳、その左奥に船形山、その左に面白山
どれも地元の人お薦めの山です。行ってみたいですね。

12:29 下山で向うトンガリ山です。その左方に雁戸山、その奥
に蔵王。山頂からは、地蔵山、熊野岳、刈田岳の建物まで微か
に見えました。

13:05 ハマグリ山に戻る途中、名残惜しく山頂を振り返りました。
日が当ると紅葉がきれいです。

13:51 登山口に下山。笹谷峠に立つ茂吉の詩碑、その後ろが
神室岳への前峰です。なだらかに見えますが、結構そうでもない
のですよ。
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