光兎山は、故Hikaさんの愛した山。
毎年この時期なるとHikaさんから光兎登山の案内状が届いた。当時は仕事の忙しさなどもあって、参加できないことも多かったが、山の楽しさを教えてもらい、摩耶山、新保岳、倉手山などにも連れて行ってもらったものだ。
今は、Haseさんがその後を継いで毎春の光兎登山を計画してくれ、これで4年目になる。
早いものだ。

山頂で憩うひととき、それぞれの胸の中にHikaさんの姿を浮かべているのだが、口に出して語ることはだんだんと少なくなってきている。それでも、時々思い出しては、ポツリポツリと、Hikaさんのことを話しながら歩く。
Hikaさんが我が家の山林に遊びに来たとき、ニホンカモシカも遊びに来ていたとか、あの時だけギフチョウが飛んでいたとか。ずっと昔のことのような、ついこの間のことのような。

恒例の春登山は、光兎山でHikaさんを偲び、年月の経過を忘れる山歩き。


Hikaさんの山歩きにはいつも一緒だったYoko長老が、ここ1年ほど休養に努めていたのだが、この春から復帰するかもという嬉しい知らせがあった。
3日後、足慣らしに大峰山を歩くという。我ら3人も、早速駆けつけることにしている。
なんとも嬉しいかぎりだ。



それにしても、穏やかな日和になったものだ。こんなに無風で暖かい光兎山頂は、記憶にないくらいだ。
今回も同行したタマ公、なんと、気持ちよくなって山頂で居眠りをこき始めた。海抜966mの天上で悠然と昼寝、それも、雄大な飯豊連峰をバックに。
なんとも、贅沢なひと時ではないか。本当は、飼い主同様、よほど疲れたのかもしれないのだが・・・?



今年の山行きは、みな大当たりで晴天続きだといったら、そりゃ当たり前の話、天気の悪い日を見送って良い日だけを選んでいるのだからと、突っ込みが入った。
老いることと引き換えに自由な時間を手に入れたということか、それも悪くはない。
失うことと得ることと、プラスマイナスゼロ、常に熱量は一定、それが真理かもしれない。
人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
山歩紀行 2013

                 西穂山荘 2011.8.28撮影
 
 2013年4月29日 光兎山 恒例の春登山
                            光兎山 966.3m 新潟県関川村

・・・966m天上の昼寝・・・  タマ、居眠りしている場合じゃないぞ!! うしろの飯豊を見てごらん
 
朝日射すブナ林の中、イワウチワ咲き誇る小径を登る

朝ねぼう? お目覚めの山桜

イワウチワ  三姉妹? それで、三重唱? 

ナエバキスミレ   二人兄弟? それで、二重唱?

キジムシロ  一人っ子? それで、独唱?

午後の陽を浴びて タムシバ

柔らかな新芽のブナ林 春は始まったばかり

山頂近くの斜面、雪崩の音がさかんに轟いていた

普通に登山道を歩いているかぎり、特別危険はない状態だったが、
県警ヘリが飛んでいて、山頂付近で滑落事故があったようだと聞いた
我らが山頂に着いたころには、救助を終えたらしく何事もなかったように静かな山に戻っていた
翌日の新聞で事故の詳細を知り、命に別状はなさそうでホッとしたものの、油断は禁物と改めて自戒した

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