槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年6月1日 蒜場山山頂から大日岳を仰ぐ  
蒜場山 1363.0m  新潟県新発田市・阿賀町 

10:59 蒜場山山頂間近 正面に飯豊連峰の最高峰大日岳

<この日のコース> 6:23加治川ダム駐車場発-6:30米平新道登山口-7:39独標-8:17岩岳-9:16烏帽子岩-9:47兎戻し-11:19山頂12:56-17:01米平新道登山口に下山

7:41 正面が蒜場山、目指す頂きは遙かに遠く高い 
 

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蒜場山は、ヒルバヤマと読む。
ヒルバサンとする表記もあるようだ。

信仰の山はサンが多く、そうでない山はヤマ、という説をUnqさんから聞いた。

ヒルバヤマというから、例の血を吸うヒルが多いのだろうかと、以前は漠然と思っていた。
そういえば、鳥取の大山に登ったときにも、途中、蒜山(ヒルゼン)という名があって、ここもヒルの山かと何となく思っていた。

今回、蒜場山に登ることになって、改めて辞書を引いてみた。

「蒜」は、あの嫌われ者のヒルではなく、ニンニクの類のことだという。
山に生えるニンニクといえば、ギョウジャニンニクが有名だ。別名、ヤマビル(山蒜)とかヤマニンニクともいうらしい。
アサヅキのノビルは野蒜だろう。

「蒜」のつく山は、古来、重要な食料資源の山だったということになる。

蒜場山は、周囲にある俎倉山や焼峰山から見ると、そう目立つ山ではない。
が、上で述べた意味で、麓の人々から大切にされてきた山なのだろう。
そんなことを思いながら、長いアプローチの辛さをまぎらわして登るのも面白い。



山頂に立ってみて分かったのだが、飯豊連峰の大日岳を最も近くから見ることのできる山だ。

もっとも、蒜場山頂から稜線を進めば烏帽子山があるし、さらに進めば西大日岳となって、大日岳はどんどん間近になっていくわけだが、独立した一般登山道がある山で、大日岳を間近に仰げるのは、この蒜場山頂のような気がする。

と、くだくだどうでもいいことを言ったのは、それほどまでに、山頂から眺めた大日岳の姿が素晴しかったからだ。

大日岳に登ったのは、今から40年も昔のことになる。湯ノ島小屋に1泊してオンベ松尾根を登った。大日、御西を経て本山小屋に辿り着いたときには、夏ながら既に薄暗かったことを覚えている。
Unqさんは、このルートは未踏だという。今夏ぜひ実現したいものだ。

4月に二王子岳に登って、大日岳に近づきたくて二本木山まで足を延ばした。
そこから見た大日は、もっとなだらかな山に見えたが、蒜場からの大日は、山頂が尖っていた。
さすが飯豊連峰の最高峰、すっきりとした迫力ある姿で眼前に迫っていた。

蒜場から烏帽子、西大日、大日と続く稜線は、積雪期の登山ルートだという。勿論、超ベテラン向きなのだろうが、蒜場山頂に至るまででも、ヤセ尾根を幾つも渡った。
積雪期、このヤセ尾根をどうやって渡るのだろうか。
確か、昨冬だったか70代の登山家が単独でこのルートを大日へ行ったと聞いた。凄いものだ。


さて、山頂に続く稜線には、シラネアオイが群れ咲いて見事だった。
谷間の花という印象が強かったが、見方を変えた。

シラネアオイと大日岳と、十分満足すぎる蒜場の山頂だった。
イワカガミ

タムシバ 

8:34 眼前に烏帽子岩、その奥続く稜線上に蒜場山山頂

9:17 烏帽子岩から振返る俎倉の岩峰
 その奥幽かに五頭連峰

9:26 加治川の谷を挟んで焼峰
 その右奥に白く二王子岳

ノウゴウイチゴ

10:55 左の二王子岳から飯豊・門内岳に続く稜線

10:57 咲き乱れるムラサキヤシオ
  その先幽かに綱木辺りか

1::00 山頂はすぐそこ、大日岳が近い 

ツバメオモト 

シラネアオイ 

11:18 山頂から飯豊連峰、中央右に大日岳、左に北股岳 

同じく飯豊連峰北側、中央奥に朳差岳 

大日岳をバックに登頂記念撮影、チーム赤城
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