槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年8月24日  四阿山で、高原野菜の嬬恋村を一望
           四阿山 2354m  群馬県嬬恋村・長野県須坂市 

7:46 野反湖から四阿山に向う途中のパノラマラインからみた四阿山、山頂に薄雲がかかっている。中央右の白い建物が嬬恋スキー場、そこから右上の尾根へRWゴンドラで上がり、標高2000mの稜線を歩いて四阿山山頂に上がる。山頂は、ちょうど中折帽子のような双耳峰。

<今回のコース>
9:00 嬬恋スキー場ゴンドラ山頂駅発-10:51 北峰三角点2333m-11:00 四阿山山頂南峰2354m11:50-13:40 ゴンドラ山頂駅着

7:47 パノラマラインからの浅間山 山頂には雲

登山の様子や出合った花などをYouTubeにUPしてあります。
 →こちら  からどうぞ。


四阿山の山名をすらーっと読める人は、山の通だ。
普通は読めない。私もつい最近まで読めなかった。

行ってみて分かったが、群馬側では吾妻山と書く。
嬬恋村が立てた標識には、吾妻(四阿)山とあって、Mt.Azumaと英語まで添えてあった。

ヤマトタケルノミコトが、オトタチバナヒメを偲んで、「あづま はや」と嘆いた神話に由来する。
だから、吾妻であり、嬬恋となる。それは、分かる。

問題は、四阿山だ。
この山に、この漢字を当ててアズマヤサンと読ませるのは長野側だという。
長野側から見たこの山の形は、アズマヤに似ているのだそうだ。

以上は、帰宅した翌日のクライミング練習に、Unqさんがわざわざ持ってきてくれた四阿山の資料に書いてあった。

アズマヤは、普通、東屋とかく。
よく広い庭園などに立っている休憩所のような建物のことを言う。

それが何故東屋かというと、昔、京の都から見れば、東は田舎、鄙ということで、簡単な粗末な建物ということらしい。

では、四阿は何だということになる。
辞書では、阿は、家の棟の意とある。
四阿は、棟が四つ。まさに東屋だ。

と、まあ、こんなことは今ではネットですぐに分かる。
問題は、調べるという行動を起こすかどうかだ。
今回、実際に行ったから調べる気になった。

Junjyさんなら、きっと山行前によく調べてきて、車中で講義をしただろう。私の場合は、ほとんどの場合、事前の調べは最低限のルートだけにしている。
その違いは、単にズボラなだけだ。

いずれにしろ、後になろうが前になろうが、座学と行動の一致、これが理想だ。


それにしても、日本語には、漢字本来の読みとは異なった読みを求める文字が多い。
九十九と書いて、ツヅラだったり、ツクモだったり。
これを読めるのも教養のうちのように思われているようだが、まるで判じ物だ。
四阿はどうだ。登山家には教養でも、一般者にはどうでもよいことだ。


四阿山の帰り、GSに寄ったら、担当者の胸に伊能の名札があった。
Unqさんが、伊能忠敬の縁者ですかと尋ねたら、その方、いえ、このあたりでは、この字は、イノウでなくイヨクと読みますとのたもうた。
こうなれば、漢字の異読は、すでに教養の範疇ではなく単に慣習の問題だ。

言いたいことは、これからの日本語表記では、漢字本来の読み以外の独自の読みを求める場合、必ずふり仮名を振るようにすべきだということだ。


あ、そうそう。GSはガソリンスタンドのことだが、最近、この手の頭文字表記がやたらに多すぎる。使っている自分たちだけが分かっていて、分からない人は相手にしないみたいな感じがして、不快に思っている。

昔は、数が限られていたから、入試対策によく暗記したものだが、最近は、ダブりもあって安易に問題にも出しにくいのではないだろうか。
このイニシャル表記を今後どうするか、これも日本語の大きな問題だと思う。

因みに、私のよく使うRWは、ロープウェーのことです。すみません。


以上、四阿山があまりにも変な読みなので、ついつい深入りしてしまった。
本題に戻ります。


四阿山は、本来、山頂眺望の優れていることで高名らしい。
残念なことに、今回は、山頂にだけ雲が下りていて、高名なほどには眺望は得られなかった。
もっとも、四阿山山頂だけでなく、周囲の山々にはもっと雲が降りていたのだが。

それでも、群馬県側の嬬恋高原が一望できた。
四阿山を含む幾つもの山々が取巻く浅間山山麓の高原は雄大だった。
その中で、高原キャベツの栽培が大々的に行われていた。
その現場を四阿山の稜線上から見渡すことができた。
そして、広大な原野を開墾して農地に代えてきた人たちの苦労が偲ばれた。

たまにはこんな人文的な山歩もいい。


二日間、自ら運転して引率してくれたUnq隊長に感謝の思いを深くして。

7:56 嬬恋村では、高原キャベツの収穫中

9:06 ゴンドラ山頂駅の上方に愛妻の鐘
   私のことよと鐘を撞く人

9:09 ヤマハハコ咲く道を進む

9:54 稜線からバラキ湖遠望 その周りは高原キャベツの畑

10:05 田代湖遠望  浅間山山麓へ続く高原の畑

11:00 キンレイカ咲く山頂に到着  南峰の上州祠

山頂付近でコケモモの実
   赤く熟して高山は既に秋の風情

山頂南峰に鎮座するもう一方の神様 信州祠

ついこの間まで花を見ていたのに
    ゴゼンタチバナも秋の装い

これは珍しい、5ミリくらいの小さな花 ココゴメグサ

13:26 ゴンドラ駅近くまで下山して、周りは秋のお花畑

アカショウマをとろうとする人

ヤナギラン
 野反湖湖畔の群生は終っていたが、ここにまだ花があった

13:40 ゴンドラ山頂駅の広場に、ノアザミ2輪
       ― ページのTOPへ ―