槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年9月6日  那須岳 初秋の爽やかな稜線歩き
      茶臼岳1915m 朝日岳1896m 三本槍岳1916.9m
                  
栃木県那須町・那須塩原市・福島県西郷村 

9:58 茶臼岳を越えて、峠の茶屋跡避難小屋の先中央に剣ヶ峰、その右の赤茶けた岩山が朝日岳
那須岳最高峰の三本槍岳は、剣ヶ峰の遙か後方、左方奥に隠れている

<この日のコース>
8:35那須RW山頂駅-9:09那須岳三角点-9:14茶臼岳山頂9:30-10:00峠の茶屋跡-10:37朝日岳分岐-10:44朝日岳山頂-11:04熊見曽根分岐-11:10 1900m峰-11:23清水平-11:32北温泉分岐-11:56三本槍岳山頂13:00-13:40清水平-13:53 1900m峰-14:41硫黄鉱山跡(巻道へ)-14:54無間地獄-15:00牛ヶ首-15:35RW山頂駅 <歩行距離 約11km 所要時間休憩含め 7時間 >

8:49 下界の那須高原を見下ろしながら、初めは省力のRW登山


YouTubeのスライドショーを
 →こちらから どうぞ!!


那須岳主峰の茶臼岳は、RWを使えば手軽に登れる。
三歳の幼児もお喋りしながら楽しく歩いていた。

とは言え、山頂直下は火山特有の岩の道で、40分の登りはそれなりに汗をかく。


さて、この山の魅力は、その先の稜線歩きにある。


茶臼の山頂から火口を回り、地球のエネルギーが噴き出した複式火山の風景を楽しんでいると、やがて、眼の前に赤茶けた荒々しくも刺々しい岩の山が見えてくる。
朝日岳だ。

鎖を頼りに、岩場の道を辿り、岩稜を登ると、朝日岳へのピストンの分岐点、朝日の肩に着く。
ここからは、茶臼から眺めた朝日岳とはまた違った朝日岳の姿を見ることになる。

南北に走る主稜線から東方の空に突き出した朝日岳の北面は、荒々しく削ぎ落とされた岩肌を曝していたが、南面の山肌は緩やかで緑に覆われている。

朝日の山頂へ急ぎ往復して戻り、緩やかな緑の主稜線を多少のアップダウンを楽しみながら歩いていると、道は、1900m峰から1810mの清水平へ下り、広大な平原の中を通る。

行く手には、大きく緩やかに盛り上がった丘のような山が横たわり、目的地の三本槍岳がどの山か、皆目検討がつかない。

ただ道に従って大きな丘を越え、木々の生い茂る窪地に下りて、もう一つの丘に登ると、そこが三本槍岳の山頂だった。


三本槍と称するからには、尖がったピークが三つもあるのかと思いきや、どこか拍子抜けのするような平らで長閑な山だった。


山名の由来は、ここがかつて、会津、黒羽、那須三藩の境界で各藩がそれぞれの槍を立てたことによるとのこと。

こんな所に槍など立てたら、雷様が待ってましたとばかりに直撃したろうになどと、その由来説に首を傾げつつ、昔々の暢気な時代、三藩の山役人たちがのんびりと槍を立てかけて弁当など広げて山頂に寛いだ姿が想像され、この山の長閑さからすれば、そういうこともありうるかもと、妙に納得させられた気分になるのは、この山の持つ風格、品格というものだろうか。


山頂で、Keynさんが手作りのお昼ご飯を、単独行らしい若者にせっせと勧めていた。その好意に応じて若者は味を誉めつつ喜んでKeynさんのお稲荷さんやら唐揚げやらを平らげていた。

大昔の三藩のお役人たちも、持ち寄った昼餉をこんな風にして分かち合って、和やかに山頂のひと時を過ごしたのかもしれない。
我々が冷えたビールで喉を潤したように、かのお役人たちも竹筒に入れてきた甘露を酌み交わしたに違いない。


三本槍岳は、そんな大らかな雰囲気をもっていた。
できれば、しばし昼寝などして過ごしたかったが、時間がそれを許さない。

早々に来た道を引き返した。

9:08 サンダル登山と侮るなかれ、山頂付近は険しい岩山

9:21 茶臼山頂から遠く左に男体山、白根山
   中央右に燧ケ岳、会津駒

9:37 茶臼岳から
  右方赤茶けた岩山が朝日岳、左方奥が三本槍岳 

9:38 茶臼岳の荒涼とした火口を回る・・・まるで月世界

9:57 越えてきた茶臼岳の外輪山に噴煙が上がる

10:07 剣ヶ峰のトラバース道
   目を和めるのはオヤマリンドウ

10:15 朝日岳への険しい岩場、鎖手すりの道が続く

10:41 分岐に荷を置いて朝日岳山頂へ
  朝日岳は南面(右)と北面(左)でその姿を180度変える 

11:09 1900m峰から振り返った朝日岳、その右後方に茶臼岳

11:18 1900m峰を越えると眼下に清水平 標高1810mの平原

11:23 清水平の木道、左方の山が槍に見えない三本槍岳

12:01 一等三角点1916.9mの三本槍岳山頂に憩う人々

14:25 朝日岳の刺々しい岩の道を下る一団

14:27 剣ヶ峰のトラバース道で
  恵比寿大黒岩の下に咲くオンタデ 

14:29 同じ道にエゾリンドウ

14:31 道の谷間にノリウツギか?
  目に優しく彩を添えてくれる

15:00 下山路は茶臼岳の噴煙上がる巻道を通って牛ヶ首へ

15:23 ガンコウランの緑もイタドリの紅葉も、
   荒れた地には嬉しい色彩
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