槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年10月5日  南蔵王の屏風岳・不忘山
          屏風岳 1817.1m 不忘山 1705.0m
                       
宮城県七ヶ宿町・蔵王町・白石市 

14:20 下山の頃  霧のカーテンが上がって、蔵王山腹のやわらかな紅葉

<この日のコース>
7:17南蔵王縦走コース登山道入口-7:52前山-8:18杉ヶ峰-8:32芝草平-9:07屏風岳-9:44南屏風岳-10:27不忘山10:33-11:15南屏風岳12:32-13:07屏風岳-14:02杉ヶ峰-14:18前山-14:55登山口下山

7:11 登山口付近から
  右・杉ヶ峰 中央・屏風岳 左・後烏帽子岳


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変転定まりなきは、人の心と秋の空、まして高山ともなればなおのこと。

山の天気予報では、この日の南蔵王はA(登山適)と出ていた。

しかし、沖縄辺りまで北上中の台風18号が引連れた雲が予想以上に広がったのか。
はたまた、大陸からの乾いた移動性高気圧の張り出しが予想外に弱かったのか。

いずれにしろ、この日の蔵王上空は厚い雲に覆われていた。
その雲が、山頂稜線の辺りまでカーテンのように垂れ下がり、時にはレースのカーテンのように紅葉を透かしてくれていた。

雲は、ところによって霞になったり、突然消え上がったりと、実に微妙な天候だった。


登山隊は、Ike会長を先頭に、アップ道もダウン道も、稜線の細道も湿地の木道も、トットトットと先を急いだ。

縦走路には、ピークが5つある。

前山は、ちょっと立ち止まって標示看板を見たくらいで通り過ぎた。

杉ヶ峰は、立ち止まることもなく横目で看板を見ながら通過。

屏風岳では、さすがここは南蔵王の主峰で宮城県最高峰ということで、全員で記念写真を撮った。

南屏風岳では、寒さに我慢できず、カッパを出して風除けに着た。それも実に素早く。

目的地の不忘山では、また記念撮影、そしてすぐにピストンの復。


なにしろ、周りは全て雲、眺望はゼロ。その上、寒い。


南屏風岳まで戻って、ここで、ブッシュと岩を利用して、シートを天幕代わりに張り、昼食会場を設営。

Ike会長のいつもの山頂焼肉亭。それに、持ち寄った食料やら、飲み物やら、寒さに震えながら小宴会。
準備も含めて1時間強の山頂滞在。

のんびりと、といいたいところだが、身体はガタガタ震えだす。

温かい焼肉とカップラーメンのありがたかったこと。
いつもUnqさんが点ててくれるコーヒーは、まるでホッカイロ。
山頂の寒さの中で、人の心の温もりが優った。


それにしても、夏山、秋山で、この寒さをすっかり忘れていた。

もう10月、高山に入るには冬の支度が必要な時期だった。
すっかり失念していた。
危ない、危ない。

次週は、火打・妙高の予定。しかもテント泊。
今回、好天に恵まれていたら、うっかり失念したまま山に入ったかもしれない。
そう思えば、南屏風岳山頂の寒さは、いい勉強になった。
むしろ僥倖とさえいえるのかもしれない。


僥倖といえば、この日の紅葉の山肌もそうだ。
往路では、ガスった中での紅葉は見栄えがしなかったのだが、復路、同じ山腹の紅葉は違って見えた。

前山まで戻る間はガスの中で、眺望もきかず、紅葉も期待できなかった。
それが、前山を過ぎた頃、ガスの上がりかけた蔵王の山肌は見事だった。

ガスが上がったとはいえ、まだ極小の霧の水滴が、カッパをぬらしていた。

カラッと晴れ上がった山の真っ赤な紅葉も、もちろんいいのだが、この日のように、しっとりと湿り気を帯びた山のオレンジと黄色主体の紅葉もいいものだ。

やっぱり山は、晴れてよし、濡れてよし。
雲は山に奥深さをもたらしてくれる。

もちろん、晴れるにこしたことはないのだが。

7:45 紅葉の山肌には薄くカーテンが掛って、いまだ朝ぼらけ

8:08 太平洋側は濃い雲の中

8:30 オヤマリンドウ咲く稜線の小径を行く

8:36 芝草平を進む  行く手には濃い雲

タカネバラの実

10:16 雲の稜線を進む  不忘山山頂間近、眺望ゼロ

紅葉でも咲くハクサンイチゲ

10:27 不忘山山頂

岩陰に咲くイブキジャコウソウ  その香りのいいこと

11:38 南屏風岳山頂   ブッシュの陰に陣取って宴会

14:31 傘差しながら紅葉の道を行く人  前方に刈田岳

14:32 傘差しながら紅葉に見入る人

ドウダンが彩る山の小径

秋のチングルマ

草紅葉の中のイワショウブ

14:36 殿を務めて紅葉の前山を下りてくる人
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