槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年2月11日 蔵王連峰刈田岳 厳寒の雪山を行く
 刈田岳 1757.9m  宮城県七ヶ宿町 蔵王町

9::57の樹氷原   まるでラインダンスで お・で・む・か・え

9:37の樹氷原  さながら、雪原に舞う妖精たち 

この日の画像は、YouTubeにもUPしてあります。
 →こちらから

樹氷の画像をたっぷりとどうぞ


昨年の連休に残雪を踏んで飯豊本山に登ったUnqさんが、ブログに書いていた。曰く、「この程度の登山は、小学生レベルだろう」と。
で、そのUnqさんに尋ねてみた。
「今日くらい厳しい寒さの冬山登山なら、中学生レベルといってもいいだろうかね?」と。
しばらく黙考したUnqさんが答えた。「いやー、小学校中学年レベルかな。確かに、寒さは厳しかったけど・・・」
言われてみれば、標高1450mまでリフトで上がり、その先もスキー履きで登れるくらいの緩斜面。その上、荷物はほとんどハイキングレベル。とても、飯豊の比ではない。
尋ねる方が野暮というものだ。
それはそうなのだが、1700mの冬山は初体験の我ら、稜線に出たときの寒さはただ事ではなく、かなりの冒険をした気分ではあったのだ。
手袋も靴下も2枚履きにしたのだが、それでも指先は痛かった。
氷点下10度にはなっていたらしい。強風で、体感はマイナス30度くらいになっただろうか。
因みに、Web上に「体感温度計算」サイトがあって、数値を入力すると簡単に体感温度を計算してくれる。便利なものだ。
正確には湿度も入力しないといけないのだが、気温マイナス10度で風速10m/秒だと大体マイナス30度前後のようだ。
UnqさんにYoumyさんは、手袋や衣類を余分に持ってきていて、寒さを感じたJynjyさんに貸してくれていた。
さすが山岳会だ。食糧だっていつも共同食だ。今回は強風で使わなかったが、テントも担いできた。もちろん、荷は少々ながら各自の体力に合わせて分担する。
そういえば、ひと月ほど前だろうか、飲み会で一緒になった、ある大山岳人が言っていた。
「最近の登山者は、団体で登っても、寝るときは自分自分で担いできた個人テントに入るのだそうて、いや、驚いた」と。
阿賀北山岳会は、昔ながらの良風を守っている。その大山岳人に驚かれるようなことはない。
荷の分担のことだが、事前に、Unqさんから分担する品物の連絡があり、20cm四方の板を私とJunjyさんで1枚ずつ担ぐことになっていた。
もちろんこれだけでなく、テントのポールとかラーメンとかもあるのだが。
その連絡を受けたJunjyさん、なんと、その板1枚自作して持ってきた。いかにもこの人らしいエピソードで、その場にいた人は皆、心温かくなった出来事ではあった。
さて、予定では、最高峰の熊野岳に登るつもりでいたのだが、何も見えない状況では無理して行っても仕方がない。
刈田岳の避難小屋であったかいラーメンを啜って帰途についた。
それにしても、リフトを降りてから標高1600mの夏リフトの乗場付近までの樹氷は見事だった。
幸い、そこを登っている間は、風もなく、時々、青空さえ垣間見えた。
逆光になったり、朝陽を浴びたりしながら樹氷は実に様々な表情を見せてくれた。
これだけでも来た甲斐があったというものだ。
樹氷を見るなら、地蔵岳ルートより坊平ルートがよいと、今日の山行を計画してくれて、その上、運転に幹事役にと、いつものことながらUnqさんには、感謝感謝の山行だった。
それに、いつも温かい心遣いのYoumyさん、Junjyさん、お蔭で楽しい山旅でした。本当にありがとうございました。

9:47の樹氷原 シュカブラの上で凄むモンスターたち

10:47 廃リフトに沿って稜線を目指す

11:08 強烈な寒風の稜線を行く

11:12 刈田岳山頂の刈田嶺神社 鳥居も社も氷の塊

12:13 刈田岳避難小屋の中に
 割込ませてもらって、ほっと一息

14:01 強風は稜線だけ、斜面の下りは快調
 しかし陽は射さず

14:29 ゲレンデ脇の林間を下山  麓は晴れ、山頂は荒れ
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