槍の穂先3180m '13.8.2
  山歩紀行 2014
 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました

飯豊・石転び沢雪渓 '13.6.16
 
    2014年4月3日  山中一面の花 弥彦山裏参道
        弥彦山 634m  新潟県弥彦村 長岡市

<水辺の妖精たち>     弥彦山裏参道の清水平は今が盛りの秘密の花園

<今回のコース>
9:30清水平登山道口-9:40清水平-10:00能登見平-10:50弥彦山頂11:30-12:40登山道口
 
まずは、雪割草です。


YouTubeは、こちらから
ヤマレコは、こちらから

 ゆっくり歩いてこそ

良いと思うことは、すぐに取り入れる。
自分ではこれは長所だと思っているのだが、軽薄、軽はずみという批判はもちろんある。

何のことかというと、守門でのUnqさんの名言のことである。

「ゆっくり歩いてこそ目に入るものがある、心に響くこともある」

この日の弥彦山は、その言どおりゆっくりと歩いた。
まるでNHKの番組「百名山」に出てくるガイド氏のように。

あの番組を毎回見ているのだが、いつも、ホントにこんなにゆっくり歩いているのかと眉につばをつけたくなる。
それに、あの番組は、いつも山頂に上がってお終いで、下山がない。
エンドは常に空撮で終るので、ああ今日もヘリで帰ったなどと悪態をつきつつ見終わる。
せっかくの登山番組が台無し。登山は、下山がなければだめでしょ。

それはともあれ話を戻すと。

連れのOkkaaのペースに合わせたので、結果的にゆっくりになったのだが、それだけでなく、豊富な花々たちに驚いて、あっちでパチリ、こっちでパチリ、腹ばって下から狙ったり、踏みつけないようにそおっと近寄ったりと、何枚写真を撮ったやら。

Murandoさんによると、こういうのを「ミツバチ山歩き」というのだそうで、花から花へ、飛び移ってはカメラを構えるのだから、必然的に歩みはゆっくりになる。

清水平の入口から、足下の斜面には、カタクリに雪割草に、諸々の花々がびっしり。
足の踏み場もないとはこのこと。
いやはや驚いた。

ここの雪割草は白が主体だが、紫の濃いのや薄いの、スジの見えるの見えないの、いろいろ微妙に違う。数は少ないがピンクや赤に近いのも見つけた。
同じ白でも、シベが色・形、それぞれに違う。

そもそも、山で雪割草を見るのは初めてだと思う。少なくても、こんなに沢山の雪割草が自生している山に入ったのは、ホントに初めてだ。

驚いた。

カタクリも、最後には「もういいぞー」と、見飽きるほど見た。
とにかく、目の届く限りの山中に一面びっしりと咲いているのだから。これも驚いた。

我が家の山林のカタクリ園も、知る人ぞ知るなのだが、いやー、ここにはとてもかなわない。足下にも及ばない。
物凄い数、いったいどうしたらこんなになるのか、お見事!! 参りました。

守門でUnqさんが、カタクリの花びらの中心に桜の花形があると言っていた。
スジの模様があることは前々から知っていたが、桜の花形とは感じていなかったので、改めて、失礼して下からよく覘かせてもらった。

桜の花形と言えば言えなくないが、とにかく色の濃いの、薄いの、いろいろあった。

ギフチョウが付きまとうように舞っていて離れない。
蜜を吸うのに邪魔だと怒っていたのかもしれない。

これだけ花があれば、どこでも蜜の吸い放題だと思うのだが。

花々についての話はこれくらいにして、山頂からの眺め。
全体に春霞がかかったような日だったが、その割には遠山もよく見えた。

飯豊連峰、五頭、菅名岳、白山、粟ヶ岳までずらりと見えて、守門岳は雲がかかり上半分は見えなかったが、下山した午後、麓の平野からよく見えた。
米山も海の彼方に見えて、海峡を挟んだ佐渡の山脈も白く輝いていた。

山頂で、人々は皆、思い思いに海を見、山を見ておにぎりをほおばっていた。

若い単独行の女性が、何やらイキがっているようなそぶりで昼飯をパクついていて、オトコなんて何だ、恋なんて何だ、なんて呟いているような気がした。
もちろん、当方の妄想なのだが、山頂のドラマのひと場面を見ているようで、それはそれで楽しかった。

山にはいつも、想定外の楽しみがある。

さてはて、阿賀北山岳会で弥彦山裏参道を計画に入れてから、Murandoさんご夫妻は、何度か下見にまで来てくれていた。

このまま弥彦山行を取止めたら、申し訳のないことになるところだった。というより、もったいないことをするところだった。

Murandoさんは多分、あの故郷なまりの独特の口調で、ニヤリとしながら
アド、オシエテヤンネ
などと言ったに違いない。

Murandoご夫妻の秘密の花園をこんなに吹聴してしまって、良かったのかななどと、多少不安に駆られながら、あまりの素晴しさに感謝の思いを込めて報告している次第です。

Okkaaが登れなくなったらいつでも下ろされるようにと、車を登山口近くの車寄せに待機させていたのですが、結局、山頂まで登りきって、難なく下山できました。
それもこれも、あまりにも花たちが素晴しかったからです。

改めて、Murandoご夫妻に感謝です。ありがとうございました。
 名付けて・・・弥彦の七ツ星
続いて、カタクリをどうぞ。
ギフチョウ
キクザキイチゲ
オウレン
山桜
ナツボウズ
日本海の彼方に米山
 
蒲原平野の向こう幽かに飯豊連峰
 
   
下山して巻の辺りの田んぼから  左に粟ヶ岳、右に守門岳
  山頂からは、やや霞んでいたのだが、午後になると白く輝く峰々がくっきりと見えた
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