八ヶ岳 '14.6.29 |
山歩紀行 2015 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって 単独行もいいし、仲間とならなおいい そんな山歩きの楽しみを今年も綴ります |
白山 '14.7.21 |
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2015年4月26日 スノボとスキーを担いで二王子岳へ | |||||
二王子岳 1420.1m 新潟県新発田市 ↑ 山名クリックで、地図表示 |
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10:18 Unqさんと二人、スノボとスキーを担いで Unqさんのブログから<Youmyさん撮影> |
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10:29 山頂間近、スノボを背に飯豊連峰に見入るUnqさん |
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<本日のコース> 6:39二王子神社登山口-8:06一王子-8:50定高山-9:47油こぼし-10:40山頂12:02-15:45下山 |
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7:20 神子石 全く雪なく、スキーを担いだものの不安に |
行程中の各地点の様子や若干の花画像など YouTubeにUPしてあります。 →こちら からどうぞ 急に決まった二王子山行、前々日、Unqさんのメールに ボクはボードを担いでいきます とあった。 スキーもどうかとは一切触れてはなかったが、誘いの気配がプンプンと匂った。 スキーには既に錆止め油を塗って格納していたのだが、友を見捨ててはおかれないと、それを出した。 問題は、靴。 Unqさんのボードは登山靴のままで滑れるが、当方のスキーはそうはいかない。ゲレンデ用のブーツだ。 登山口から雪があれば、そのブーツでもスノーシューを履けば問題ないのだが、この時期、かなり上に行かないと雪はない。 従って、登りは登山靴、ブーツもスキー同様担ぐしかない。 60ℓのザックにスキーを括り付け、ブーツを詰込んだ。 連休に飯豊連泊の予定だから、その足慣らし体慣らしにちょうどいいかと、20㎏はあろうかという荷を担いで登った。 どうにか定高山まで登るとUnqさんから喝が入った。 スキー2本付きザックを担いだことがないから、自分のボード付きザックと交換しようと言う。 Unqさんの喝は、いつもやさしい。 綿野舞語に翻訳すれば、 その重い荷では先が思いやられるから、オレに寄こせ ということになる。 それでは沽券に関わるので丁重に断ったが、その先は何とか標準タイムに遅れることなく山頂までスキーとブーツを運び上げた。 ナイスタイミングの喝だった。 さて、下りのことになるが、大きな失敗があった。 もちろん自慢できることでは決してない。が、後々のため、銘記しておくことにする。 山頂からの滑走は実に気持ちがよかった。いつも先行して待ってもらっているIke会長に、今度ばかりは逆ができるかなどと甘く考えて、お先にーなどと調子よく滑り降った。 裏磐梯でスキーの腕前を見せ付けられたKeynさんには、スキーを持って来ればよかったねーなどと、目の前を調子よく声かけて滑っていったものだ。 その上調子がいけなかった。 油こぼしの坂の上に出るブッシュの入口(地図のA)を通り過ぎて、一つ先の尾根筋の頭(B)まで行ってしまったのだ。 ルート違いに気づいたUnqさんが後から追ってきてストップをかけてくれた。 そこからルートに戻るには登り返しがしんどそうに見えた。 足元の小さな沢筋を横切れば対岸のブッシュに出る。そのブッシュを漕ぎ抜ければ油こぼしの下に出れる。地理を見取ったUnqさんは、そう判断してブッシュへ先行した。 ブッシュを覗いたUnqさん、藪の幅は広く密で漕ぎ抜けは無理だという。 そこで、ブッシュが途切れる下端(C)まで谷筋を下り、ブッシュの向こう側の谷を登り返すことにした。 この谷は、傾斜がきつく、スキー2本担いだままのブーツでは無理だと、Unqさんがボードとスキー2本を抱えて先行してくれた。 沽券などと言っている場合ではなく、今度ばかりは、甘んじてUnqさんに縋った。 急登を先行したUnqさん、油こぼしの下(D)で待っていたメンバー三人と合流し、事情を伝えた。 待ってもらっていたことはありがたかったし、それが大事にならずに済んだ要因の一つともなった。 あそこで待つという判断がなかったら、バラバラになってしまった恐れもあった。 Ike会長さんはじめ三人のメンバーの的確な判断に感謝だ。 待つ間の不安と心配を思い、可能な限り早く到着して無事と事情を伝えようとしたUnqさんの意図がよく分かった。 Unqさんに遅れて、頭から全身から水をかけたような汗を垂らしてようやく合流し、結果的に事無きを得たというわけだ。 失敗の原因は、私のルート見落としにあるのだが、反省点はそれだけでない、自分の判断ミスがあるとUnqさんは言う。 第1に、迷ったら戻れ、山の鉄則を踏まなかったこと。 B地点で、多少の労を厭うことなく戻るべきだったと。それは、ブッシュを漕ぎ抜けないと分かった時点でも考えるべきだったと。 第2に、油こぼしの坂上の藪の入口は見落としやすいのに、山頂から下る途中の私の様子から、ルートがよく分かっていないと思っていたにも関わらず、先行させてしまったこと。 第3に、そもそも、これだけ残雪が少なくなっていた時期に山スキーは無理だったこと。 以上の3点をあげてくれた。 あくまでもリーダーとしての自分の責任を考える謙虚なその姿勢に、改めて頭を下げた。 そして、ルートもよく分からずに調子に乗って先行滑走した自分の傲慢さが恥ずかしかった。 事無きを得るかどうかは、紙一重だ。大事に至らなかったのは、Unqさんの的確冷静な地理判断と体力があったからこそのもの。 そして、長く山行を共にする中で培われたメンバーの信頼感があったからこそ、不安の中でも待っていてくれたのだということ。 いい勉強になった。 恥ずかしさも含めて、銘記しておかねばと強く思い、ここに記録した。 そんな危機的状況に遭っても、決して落ち込まないのが、私の可愛げのなさであることは重々承知しているのだが、油こぼしで合流した後は、またまた、調子よく滑り降った。 北蒲原の平野を見下ろしながら滑り降る気分は、実に爽快だったし、雄大な気分に浸れた。 定高山まで降って、膝がガクガクいい出していた。 この先は、樹林が多く、そんな状態ではとても滑り降りできそうもなく、ここでスキーとブーツを脱ぎ、登りのときと同様に担いで下りた。 下山口近くで、チャルメルソウを初めて見た。 アズマシロガネソウの大株もあった。 登りの時には全く気づかなかったのだから、登り下り同じルートでも、新鮮な気分を味わえた。 大体、登りでは、この荷を無事に担ぎ上げることができるかが最大心配事だったし、どの斜面をどのようにしたら滑り降れるかが最大関心事だったのだ。 だから、いつものように山の風景に見入ることも少なかったし、同行者とのやり取りを楽しむことも少なかった。 とりわけ、Ike会長が今季初山行だというのに、ろくにその祝もしなかったし、殆ど話題にもしていなかったことに、今ごろ気づいた。 山スキーは、爽快なのだが、同行のメンバーには迷惑なだけだろうと、これも今ごろになって気づいた。 スキーはゲレンデにしましょ と言ったYoumyさんの優しい言葉が今は耳に痛い。 今季の山スキーはこれで終り。来年のことはまた来年考えよう。 それにしてもだ。下山して帰路についた途中の麓の路上から見上げた二王子岳は綺麗だった。 あの山頂からスキーで滑り降ったと思うと、何か夢見心地のような気分になった。 四半世紀も昔、新発田で勤務についていた頃、二王子ヘリスキーというのがあって憧れたのだが、あの山を滑り降るなど夢のまた夢だった。 それがどうだ。ヘリどころか、足で担ぎ上げての話だ。未だに夢現のような気分もしている。 いずれUnqさんのブログや、Youmyさんの撮った動画などを見せてもらえれば、多少は、現実に帰れるのかもしれない。 それを楽しみにしておこう。 |
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8:06 一王子 残雪で一安心、ボード1名、スキー1名、通常登り3名 |
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8:26 根開けが進む、いかにも春の残雪期らしい光景 |
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9:14 定高山を過ぎて、これくらい雪があれば下りの滑走は大丈夫 |
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9:26 遠くに朝日連峰、昨日登った光兎山もよく見えた |
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9:47 油こぼし この坂を下りにスルーして大失敗 |
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10:03 油こぼしの上は天然のゲレンデ、帰路、ここを調子よく滑って油こぼしの坂の入口を見落とした |
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10:08 後方に五頭連峰が光る |
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10:29 飯豊連峰が眼前に、 |
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10:32 スキー担いだ雄姿をこの日初めて自カメラで撮ってもらった |
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10:58 山頂では食べきれないほどの大ご馳走 |
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12:02 下山を前の記念撮影 ブーツにスキーにヘルメット |
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12:14 山頂から下る人々 お先に~などと調子に乗って滑り降ったのが、その後の間違いのもとだった |
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12:28 急斜面に気を引き締める この先は写真撮影なし |
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13:31 1時間後ようやく余裕が出てUnqさんの滑りを撮影、この間に、結果的には事無きを得たものの、実は大変な事態が起きていた |
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15:06 下山口も近くなった頃、初めて見たチャルメルソウ |
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15:24 流水の石に咲くアズマシロガネソウ |
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16:07 麓から見た二王子岳全景 あの山頂から滑り降った |
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