八ヶ岳 '14.6.29
  山歩紀行 2015

 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを今年も綴ります

白山 '14.7.21
 
    2015年2月7日  ロウバイの香り漂う宝登山山頂
           宝登山(ほどさん) 497.1m  埼玉県長瀞町
                         ↑ 山名クリックで、地図表示 

11:19 お目当てのロウバイ園   山頂南斜面、日当り抜群の西ロウバイ園は今が見頃

  <この日のコース>    九十九折の車道にショートカットする登山道が交わっています

10:10 まずは、宝登山神社に参拝


  行程中の各地点の様子は、
  YouTubeに画像があります。
    →こちら からどうぞ。



ここ何年か、この時期になるとOkkaaは、ホドサンホドサンと念仏を唱え出す。
ましてや先週だったか、TeNYテレビ新潟で、宝登山が放映されたものだから、(昨春、斑尾高原で会った大平ちゃんと遠藤何某の山歩番組だ。)Okkaaの念仏音声はますます大きくなるばかり。

だが、関東と越後のこの時期の天候は中々合わない。
もちろん、関東は晴が多いのだが、そういう日に限って越後は吹雪、凍結。
高速道の遠出はちょっと恐い。


ところが、この日は、どうしたことか関東が晴れで、越後も晴れ。
滅多にない両方絶好天の前日予報。
チャンスはこの日しかない、ということで急遽実行となった。
先月末に熱で三日寝込んだ後、ウィルスをOkkaaに渡したもので、その罪滅ぼしも兼ねてのことだ。


さて、宝登山は、神社横の登山口から標高差は300mほど、しかも登山道は九十九折の車道になっていて、1時間ほどの緩やかな登り道。
その上、各所にショートカットの山道が交差していて、個々の能力差に応じた山歩きを楽しめるようになっていた。
だから、OkkaaもRWは使わず、ゆっくりゆっくり歩いて登れた。

下山後の駐車場での話では、今日のRWは、待ち時間が90~100分だったとか。
歩いて正解だった。

そういえば、朝はスカスカだった駐車場も、帰りには満車で、我車が出たらすぐに空き待ち車が入ったほどだった。

とにかく次から次へと人が湧いていた。
山好きびと、花好きびとがこれ程に多いとは、何か、嬉しいような頼もしいような。

フリー人になってから暫くは、平日の観光地に行くのが贅沢のように感じられて休日は外していたのだが、何回か、人のいない観光地に出かけてみると、寂しさやつまらなさが募ってくるから不思議なものだ。

この日の宝登山は、山頂の場所取りもままならず、端っこの必ずしも座り心地の良くない斜面に仕方なくシートを敷いて、お湯を沸かしてコーヒーなどを啜ったのだが、これがもし、誰もいない山頂のロウバイ園で、それを独り占めしたとして、それで優越感に浸るのか、それとも、この日のように休日で、次々とやって来る人々の花を楽しむ姿を眺め、同類の多いことに安らぎを覚えるのか、さて、望むのはどっちだろう。

単独行の山頂で、前者の感覚を楽しむこともあるにはあるが、今日の場合は、後者の方が勝っているような気がする。
誰もいない山の上で花を眺める老夫婦二人、想像しただけでも侘しい。
だから、今日の休日でよかった。


宝登山山頂から見渡すと、南正面に特徴ある武甲山が見えた。
その西方奥には奥秩父の山々が並んでいて雲が溢れ滝雲になっていた。
その山並の中に、同定はできなかったが、雲取山があるはずだし、更にその西方奥には、甲武信ヶ岳もあるはずだ。
そのもっと奥には、見えないだろうが金峰山、瑞牆山もあるはずだ。
憧れの山々を想像しながら、ぐるっと真西に視界を巡らすと、これまた特徴ある両神山が目に入った。

どれも、Unqさんの山行記にあった憧れの山々だ。
今日ここから眺められただけでも来た甲斐があったというものだ。
きっと、いつか行くことになるだろう、まっとれや。


来た甲斐といえば、ロウバイもそうだ。
決して艶やかな花ではない。
が、ほかに花のないこの時期に、しかも、これだけの数で咲き誇っているからこその人気だろう。
いつも思うのだが、花は数だ。

それに、東ロウバイ園の紅梅、白梅も一株ずつだが、よかった。
たとえていえば、黄な粉餅をたらふく食べた後の紅ショウガかダイコン漬けか。

どちらにしても、ひと足早く、花の春を先取りしたようで、満ち足りた気分にはなれた。そんな宝登山山頂だった。


下山して、長瀞の岩畳を見ようと思い、栗駒山帰りの厳美渓のように、車中からちょっと覗ける場所を探したのだが、そんなうまい場所は見つからず、まっ川はどうでもいいかということで、まっすぐ帰路に着いた。
何しろ、往復10時間の行程だ、のんびりはしていられない。



かくして、何年かにわたったOkkaaの念仏は叶えられたのでした。

念仏は唱えておくものですね。いつか叶えられるときがくるのです。
かく言う私も、ユキクラユキクラと念仏を上げていたら、Youmy大明神のお耳に届いたらしく、Youmyさん担当月の山行計画に組み入れてもらえそうなのです。
調子に乗って、フジフジフジ、ダイキレットダイキレットと、念仏を増やしているのですが、さて、耳を貸してくれる神様は何処??

10:55 登山道中間からの眺望も抜群

11:14 奥宮境内の茶店も大繁盛

宝登山神社奥宮の狛犬は山犬(ニホンオオカミ)

11:24 Wintersweetというだけあって、その香りの甘いこと

ロウバイ園の蝋梅は三種とか  こちらは素心蝋梅

やはり花は数、見応えがあります 

和蝋梅  その彼方に武甲山  眼下に長瀞の町並み

遠く滝雲がかかる奥秩父の山々、右方に両神山、憧れの山々が並ぶ

11:34 宝登山山頂碑  登頂記念撮影も順番待ち

山頂の日溜りに憩う人々  割り込む余地もなく端っこにそっと

西ロウバイ園  次々に止めどなく人が上がってくる

12:37 東ロウバイ園の見頃はこれから  紅梅と眼下に長瀞 

ロウバイの黄尽くしの中で、紅梅、白梅が目に嬉しい 

13:11 下山途中、ショートカット登山道の雑木林がなんとも気持ちよく
― ページのTOPへ ―