八ヶ岳 '14.6.29
  山歩紀行 2015

 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを今年も綴ります

白山 '14.7.21
 
    2015年12月20日 五頭連峰・野須張で今季初ラッセル 
野須張(のすばり) 902.8m  新潟県阿賀野市・阿賀町     

11:15 標高820mの小ピークから、山頂への緩やかな稜線となる  そこは雪のブナ林

13:12 午後になると予報通り青空になって、今回も後ろ髪引かれる思いの下山 

登山口(阿賀町石戸)7:56―11:49野須張山頂13:05-15:23下山

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先月、五頭連峰南端の宝珠山に登って、その先、菱ヶ岳までの縦走路をいつか歩いてみたいものだと思っていた。その途中にある野須張という妙な名前の山も気になっていた。
その機会が、案外に早く来た。
今年最後の山行は、野須張から菱ヶ岳を歩くと、Unqさんから案内があった。
登山口は、旧三川村石戸から。いわゆる裏五頭の一部。隈なく歩いているUnqさんも始めてのルートだという。地図を見ると結構な急登コースのようだ。こころして臨んだ。
それに、この時季。今年はまだ麓には雪はないが、900mの山のこと、雪山仕度をして出かけた。

登山口付近は標高50mくらい。雪は全くなく、曇り空だが空気はどこか暖かく、晩秋の雰囲気。
目指す山頂はもちろん白くなってはいるが、さてどのくらいの積雪か。ワカンも一応持っては来たが、それほどでもなさそうなので車中に置いて、軽アイゼンだけザックにつめた。
乾いた落葉を踏んで歩く山道が何とも気持がいい。
標高300m位からうっすらと雪道になって、それが徐々に厚くなる。ただ、昨日単独で登り下りしたらしいトレースがあって、登山道に不安はなかった。
500mになるとかなり雪は深くなり、道は急斜面へ登りつく。
昨日の人はその急斜面の直前で撤退したらしい。トレースは途絶えた。
Youmyさんが先頭で、ノートレースの急斜面にアタック。雪はまだ斜面の土に馴染んでいないから、よく滑る。足をとられて、その都度消耗する。
尾根筋に出て、10分交代でラッセル。無垢の新雪を漕ぎ分け、かき分けていく、きついことはきついのだが、その気持のいいこと。
傾斜が急なので、雪の深さは膝くらいまではある。
トレースはないので、野生の勘を働かせ、林内にコースをとって進む。ごくたまに赤テープの目印が出てくる。かなり古くなった目印だが、それでもコースを違えていないことが確認できてホッとする。
帰宅してから、GPSの軌跡を2万5千分の1地図に落したら、地図の登山道にピッタリ重なった。
我等の野生、まんざらでもないと自画自賛。
それにしても、今季初ラッセル。なんとも疲れはてた。

予定では、野須張から菱ヶ岳へ足を延ばすつもりだったのだが、野須張までで予定の時間をたっぷりと使ってしまっていた。
だから、野須張山頂でゆっくり昼食をとることにして、菱ヶ岳は諦めることにした。

その山頂は、意外なほど広かった。兎やそのほか獣たちの足跡だらけ。多分、ウサギのダンスやらタヌキの宴会やら、月夜の晩などは賑やかな広場になるのだろう。
その広場を借りて、Youmyさん、雪上レストラン開業。
なんと、イタリアンのトマト鍋リゾット。チーズ隠し味に、野菜、肉、エビの具沢山ときた。
またまた天下一品もの。極上の天空雪上レストランは、もちろん五つ星。
満腹になって、身も心も温まり、イザ下山という頃には、青空も。
真っ青な空をバックに雪面を下り、時々、野須張という妙な名前の山を振返り、ブナの梢を見上げた。
登りが急傾斜だっただけに、下りの下界はよく見えた。大河阿賀野川が深い緑の色で眼下に横たわっていたし、対岸には鳴沢峰、菅名岳、大蔵山、少し離れて白山、その奥には粟ヶ岳。
御神楽岳も午後には雲から姿を現した。
500m位まで下ったら、それまで雲に隠れていた飯豊連峰が真っ白な姿を顕わにしてくれた。大日岳から北股、そして更に下ると鉾立峰と朳差岳まで見事にその全容を見せてくれていた。
来年こそは、あの白い峰の上を歩かせていただきたいと、遥かな山々に向って手を合わせた。
200mまで下れば、ポカポカと陽の射し込む晩秋の雑木林。





腰まで浸かってこざいた積雪は何処のできごとだったかと、不思議な気分がしてくる。
一日で、晩秋の落葉の道と初冬の積雪の道を満喫できて、一度で二度得した気分。いやいや、トマト鍋リゾットもあるから、一度で三度の得をした気分。
真に真に、一年を締め括るに相応しい山行となったのでありました。

この日で年間山行日数は42日で、スキーを入れれば46日となった。
年末にJunjyさんと山城探索を予定しているのだが、さて雪はどうなるか。
とまれ、これだけの日数、山行できたのは、阿賀北山岳会の皆さんのお蔭、そしてOkkaaと健康,、何よりも迎え入れてくれた山々に感謝感謝。
ありがとうございました。来年もまた、よろしくお願いします。


8:10 標高150m付近 遥か彼方に野須張山頂が見えた

8:30 標高250m付近は晩秋の林 枯葉の道が気持ちよく

8:37 標高300mになると登山道に昨日降ったくらいの雪

8:48 標高370m 白い道の先彼方に野須張 その右に菱ヶ岳
9:47 標高550mの尾根へ上がる 滑る積雪に悪戦苦闘 

9:58 標高600m トレースなし、新雪の急斜面をラッセル

10:14 標高650m 膝までの雪で、10分交代のラッセル

11:27 標高840m 笹薮に積もった雪は腰の深さ

11:28 野須張山頂への稜線 山頂まで距離200m 雪を漕ぐ

11:51 野須張山頂 意外と広くウサギたちの足跡だらけ

雪上レストラン 今回はイタリアンリゾット もちろん五つ星

13:07 下山 山頂から見下ろす阿賀野川と対岸の菅名岳

13:18 標高820mまで下って後ろ髪引かれる思いで山頂を見る

13:20 青空のブナ林を緩やかに下る ここから先は急坂下り
13:29 眼下に阿賀の大河 晩秋と初冬の混在 

13:58 標高550m付近 登りで苦労した雪道を下る

14:31 標高490m 飯豊連峰・大日~北股の白嶺 手前に蒜場

15:08 標高200mまで下れば、陽射温かい晩秋の雑木林
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