2015.7.27鳳凰三山
  山歩紀行 2016

 人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを今年も綴ります
 
2015.9.21栂海新道へ
 
   2016年6月6日 月山のこのアオイが目に入らぬか
  月山 1984m  山形県西川町・庄内町・鶴岡市   

8:48 姥ヶ岳の裾を巻いて牛首へ続く残雪斜面のトラバース道を確認中、Okkaaの初アイゼン

14:20 後ろの月山山頂から雪の斜面を下って来て一息 万一の滑落に備え安全ロープでがっちり確保

姥沢駐車場7:30-7:50リフト下駅(始発)8:00-上駅出発8:25-8:40雪面でアイゼン
装着-9:30分岐でアイゼン外し-9:55シラネアオイ群生地-10:30再度アイゼン着け
月山への登り-11:55鍛冶小屋跡-12:10頂上小屋前(引返し)-12:20鍛冶小屋跡
13:10-16:18車道の分岐-16:25駐車場着

YouTubeのスライドショーもどうぞ。
画像に綿野舞流山歩徘徊句を添えてみました。
→こちら


痛めた脹脛


前日寝るまで左足を引きずって歩いていたが、寝る前に消炎剤やらシップやらマッサージやら、その手当てが効いたのか、翌朝起きたら痛みはほとんど消えていた。
念のため外に出て歩いてみた。
傾斜の下りで少々痛みが出るものの、登りも平地もほとんど問題ない。
昨晩、若いから寝て起きれば治るでしょうなどと口では言ってみたものの、内心、この痛みが引かなければ月山登山は無理かもと、少々弱気になっていた。
多分、これなら大丈夫。まだまだ若いと自己賛美。


行ってみたら雪の山

月山リフトの上駅に着いたら、目の前の姥ヶ岳は全面真っ白の山スキー場。
リフトのスタッフに登山道の状況を訊ねると、まだ山開き前でルートは調べていないので自己責任でお願いしますと言う。さらに別のスタッフは、巻道は雪の状況が悪いので、姥ヶ岳に上がってから稜線を歩いた方がいいと言う。
その言に従った登山人もいたようだ。
だが、Unqさんの見立ては違った。
姥ヶ岳への雪面登りはかなり傾斜がきつい。滑ったら、山スキーのコースを殆ど直滑降状態で滑り落ちることになるだろう。
それは致命的ということで、巻道を行くことにした。
そこも、滑落したら危険は危険なのだが、傾斜はやや緩く、その上ほぼ水平に移動するのだから、気を付けさえすれば、楽は楽だ。


Okkaaの雪山初歩き

ということで、Okkaaの靴に初めて6本爪のアイゼンを装着した。
その上で、Unqさん、ザックからやおらハーネスをとり出してOkkaaの腰に取り付け、カラビナに固定したロープの残りを私に寄こした。
万一の滑落に備えて、後ろから確保して歩けというわけだ。
車の中に置いて行こうかと迷ったピッケルだが、持ってきてよかった。

とは言え、間髪を入れずにピッケルを雪に刺しロープを止めるなどという高級芸当が、果たして私に出来るものか。
自信はないが、いざとなったらヤルッキャない。でなければ、一蓮托生だ。クワバラクワバラ。

この事態を、Youmyさんが、一番心配してくれていた。
Okkaaの年齢と未経験さを考えれば、当然のことだ。
ここでお昼を食べて帰ってもいいんですよとか、行くんですか?とか。キヤワーリ思いが顔と声に出ていた。
それでも、誰もやめようとは言わない。なにより、当人が一番うれしそうな顔をしている。
嬉々として雪上を歩き出した。
地面より歩きやすいなどと言う。そりゃまあ、確かにそうだ。
見ようによっては、私の方が引っ張ってもらっていると誤解されやしないかと、妙なことが気になったりしたものだ。


シラネアオイの群落

幸いと言うか、高級芸当を見せることもなく、姥ヶ岳の山腹斜面を巻いて分岐の稜線鞍部に出た。
ここで一旦アイゼンを外し、花の稜線歩き。
まずは、キンバイロード。両側にミヤマキンバイの黄色の列。そこに混じってチングルマ。
ヒメイチゲだと思ったのが、どうも葉が広い。
Murandoさんの花写真集に確か、別なイチゲがあったはずと思うのだが、思い出せない。帰宅して調べたら、エゾイチゲ。

稜線に後からやってきた方、植物観察員だと名乗って曰く。
この先に、シラネアオイの群落があると。
なるほどビックリ。牛首の前後の稜線道、その両側にシラネアオイがびっしり。
咲いたばかりなのだろう、色が鮮やかで濃い。
これまで、その時々の山で見かけたのは、雑木の藪の中でひっそりと咲く花ばかり。それがどうだ。月山では、笹薮の中にも外にも、びっしり。
いやはや、花はあるところには、あるもんだ。

そんなこんなで、花から花へのミツバチ山歩をたっぷり楽しみながら、山頂へ。
もっとも、Okkaaは、その一歩手前の鍛冶小屋跡で休憩。
ここまで来れば山頂へ行ったも同然だし、何より、小屋跡直前の急登でかなり消耗していたから、下山の体力を回復するためにも、これ以上の疲労は避けることにした。
賢明な選択だった。
お陰で最も心配した下山時でも、私の高級芸当は披露しないで済んだ。

山頂でクロユリの蕾を確認して、すぐにOkkaaの待つ鍛冶小屋跡へ引き返した。
7月に、村の健康登山がある。その時にはクロユリの開花を見ることができるだろう。
夏の月山、またどんな花が待っていてくれるのか、楽しみではある。

7:07 駐車場から朝日連峰 左端・大朝日岳 右端・以東岳

8:28 正面の姥ヶ岳には登らず、右裾の雪面を巻いて行くことにする

8:59 Unqさんの計らいで万全?の安全確保 一番心配したのはYoumyさん

9:39 牛首に続く稜線道、右前方に月山山頂

ハクサンイチゲ 牛首の稜線はお花畑 チングルマやミヤマキンバイも

北海道と月山に咲くというエゾイチゲ  ヒメイチゲより葉が広い

シラネアオイ 道の両側にびっしりと群生していて、ビックリ仰天

その色の鮮やかなこと  

ウズラバハクサンチドリ

ヒナザクラ  咲いたばかりか、寝起きの髪乱れ風情

10:34 目の前の急斜面が、左奥の月山山頂に続く道

11:40 振り返れば、姥ヶ岳からの稜線、中間に牛首

12:13 ミヤマキンバイ咲く月山山頂、霧に浮かぶ月山神社

14:25 前方に横たわる朝日連峰を眺め、振返れば下って来た月山山頂

サンカヨウ 今季初お目見えの花ばかり

15:47 下山路の沢筋にリュウキンカの大群落

拡大すると葉に三角形の鋸歯あり、これは、エゾノリュウキンカか

16:18 お転バアさんの大冒険、無事終了を一番喜んでくれたのはYoumyさん
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