綿野舞 watanobu 山歩紀行 2009.5.23 月夜平 
 標高320m付近 新潟県関川村   

東俣川に架かる橋を渡ると月夜平に入る。
その川の崖にフジの花が咲いて垂下がっていた。
 

飯豊連峰朳差岳の麓にある関川村大石集落では、毎年、月夜平の自然に親しむ会を開催している。
大石集落に住む知人Tさんに誘われてOkkaaと参加した。

月夜平は、大石ダム湖右岸の林道に入り、車止めのある東俣彫刻公園から林道を歩いて約2時間半程の山中にある、鬱蒼としたブナの大木林である。

月夜平の林間に腰を下ろして、ハーモニカの演奏を聴いたり、食事をしたり、のんびりとしたひと時を過ごす会だ。

もちろん、往復4時間半ほどゆっくりと散策しながら歩く山道も楽しい時間だった。一般車は入れないが、林道なので道はほぼ平坦、草木を眺めたり、おしゃべりしたりしながらの山道歩きだ。

大石集落の人たちの温かい人柄と月夜平の魅力で、なかなか人気のある催しになっていて村内外・遠方からも多くの人たちが参加していた。


ところで、月夜平という素敵な名称だが、ここのブナの木にツキヨタケという茸が沢山生えるからだという説があるらしい。ツキヨタケは猛毒の茸だが、月夜には光を発するとか。
昼なお薄暗い林間で、夜のその光景を想像すると、ちょっとぞっとする。

もう一説には、月の夜にブナの葉越しに差し込む月光が素晴らしいからというのもあったように記憶している。こちらの方がロマンチックだと思うのだが、果たしてどうなんだろうか。


林道の途中に遭難碑のプレートが岩盤に埋め込まれていた。その日付と当時救助活動に当ったTさんの話を照合すると、この遭難事故の日、ちょうど私と友人数人で、尾根を挟んだ反対側の西俣登山道から朳差岳を目指して入山した日に当る。
確か、登山道入口の神社に御遺体が安置されてあったような記憶がうっすらとあるが・・・と、Tさんに話したら、それがその事故のときだと奇しくも一致した。
44年も昔の出来事だ。


月夜平のブナの大木は、思わず「おみごと!!」と言いたくなる
 

途中の湿地にモリアオガエルの卵があった
 
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