綿野舞 watanobu 山歩紀行 2009.5.30 鷲ヶ巣山 
 標高1093.3m 新潟県村上市    

本山山頂へ向う登りの途中、中岳展望台で待ってくれている人たちをズームで撮った。
                             その中岳越しに、下界の景色もよく見えた。 

  鷲ヶ巣山山頂、二等三角点がある。
山頂の大岩の上に立ちたかったが、風が強くて止めにした。
 

鷲ヶ巣山は、懐かしい山だ。

何しろ半世紀も昔の話だが、高校生の時、友人たちと春と秋2回登っている。
1回目の理由はよく覚えていないが、確か同級の登山部員が登ったからオレ達もというようなたわいのない理由だったような気がする。
そのとき一緒の一人が、夏休み中に交通事故死して、秋に慰霊登山だといってまた登った。
山頂の大岩の上で撮った集合写真が今もアルバムにあるはずだ。

だもんで、Haseさんから誘いがあったときには、二つ返事で飛びついた。

小学1年生から80歳の長老、壮年2人に老年2人という面白い組合せのメンバーだった。

中岳展望台まで登って、皆、ここまでにしようと言う。私一人、折角ここまで来たからには山頂へ何としてもと言い張ったら、長老が、ならばここで待っててやるから一人で行って来くればと言う。
その言葉に甘えて、一人山頂を目指した。

急いだせいもあって、かなり難儀な登りになった。足が上がらず、両手で持ち上げたり、塩を舐めたりして何とか上を目指した。
中岳までの道はよく整備されていたのだが、本山への道は、枝・草伸び放題、山頂稜線は獣道状態。
この山は、今は、中岳で引き返すのが常態のようだった。

が、無理して山頂まで上がったかいがあった。石の祠、大岩、みな昔のままだった。懐かしく撫でてると涙が出かかった。
しかし、ゆっくり感傷に浸っている余裕などない。風が強く、雲も厚くなってきた。
この頃はまだ、独りでの山頂は心細かった。大急ぎで、写真を撮りまくって、握り飯を口に抛り込んで、皆の待ってくれている中岳へと駆け下ったのだった。


アップダウン激しいこの山の山頂まで登りきったことで俄に自身がついて、この後、私の山行の頻度が増した。

そして鷲ヶ巣山は、ますます忘れられない山になった。



 登山道の傍らにヒメシャガの花

山頂から、光兎山とその向うに朳差岳、飯豊連峰。
                   この頃はまだ、高くて遠い山だった・・・
 

山頂から、朝日連峰だと思うのだが、風が強くなって雲が厚くなってきた。
              この頃はまだ、独りの山頂は心細くて・・・
 

山頂から、越えて来た前ノ岳と中岳
  鷲ヶ巣山は、この二つの山を登って下ってまた登って下ってから登る
 
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