荒川沿岸の風物、旅の出会いなど、折々に綴る      
    
綿野舞watanobuの
風物記 2013  
 2013年11月5日 R399鳩峰峠へ

酷道愛好者には隠れた名所らしい鳩峰峠へのR399、山形県高畠町から入ったところ
路面に積もる落ち葉とコンクリ擁壁を覆う苔が、なんとも言い難いいい味を出していた

カーブミラーのずっと上、白っぽく見える頂きの辺りが目的地、
標高790mの鳩峰峠、あそこに上がるまで、ヘアピンカーブの
大蛇行が連続する

前日の霊山の紅葉は素晴らしかったのですが、それを自分だけ独り占めにしていると、この後の山行に何かと支障が出かねません。
ということで、この日、Okkaaのご要望にお応えして、例のR399鳩峰峠へ向かったのでした。
途中、新潟・山形県境R113赤芝峡で、風のない穏やかな荒川の水面に映る紅葉が素晴らしく、これを見たら帰ってもいいいのだがと思ったくらいです。
その水面を写真に撮ろうとするのですが、残念なことに道路沿いに駐車スペースがなく、大型車が風を切る道で路肩に停車する勇気もなく、場所を探しているうちに通り過ぎてしまったのでした。
代わって、小国町を過ぎた片洞門休憩所にはゆうゆう駐車できたので、そこのトンネルの中を歩いて橋の上から、明沢川渓谷の紅葉を何とかカメラに収め次へ進みました。
さて次は、亀岡の文殊様です。
ここは子供たちが進学の度に神頼みに来たところですが、それが終ってすっかりご無沙汰のところです。
何十年ぶりの参詣でしょうか。
3店あった土産屋は1軒になり、持ち帰り自由だった智慧の利根水はそれが禁止になっていました。
人の世の変化が、何やら寂しいかぎりです。
そうやって、いよいよ鳩峰峠へ向かいます。
前回、先月14日の夜とは反対の方向で登りますが、相変わらずの大蛇行、ヘヤピンの連続。でも、夜と昼とでは大違い。
ナビも、一切うろたえることなく平静に案内します。
前回の暗闇では、あんなにうろたえたのに、不思議なものです。さすがのコンピュータも、夜の暗闇はさぞかし不安だったのでしょうね。
そして、峠へ到着。
さすが人気のスポット。こんな素敵なところだったのです。
車に単車に、結構な数が停まっていました。
駐車場から少し登ると展望場になっていて、高畠町出身の童話作家浜田廣介の詩碑が建っています。

峠で暫し休憩の後、登ってきたのと反対方向、つまり、前回の夜登ってきた方向に下ります。
楢の木を主にした雑木林の中の道で、対向車に気をつけさえすれば、晴れた日の昼に走るには最適の道です。
木の葉が黄金色に輝きながらハラハラヒラヒラと降りかかってきます。
親子の猿が行き交い、真に穏やかな秋のドライブウェーです。
やがて、稲子の集落に出ます。
夜見たときとは予想外の軒数があって、おばあさんが野良仕事などをしていて、全く雰囲気が違って見えました。
夜と昼とではこうも印象が違うものですね。
前回、蕎麦屋が、この集落にあると思ったのは、全く違っていました。
「蕎麦屋はこちら」と示す看板があって、それは、稲子の集落から七ヶ宿へ抜ける間道を示しています。
その間道は、これまた曲がりくねった峠越えの山道で、夜なら絶対に入らないでしょうが、明るい昼は、臆することなく進めます。
結局、R113に出て、そこにその蕎麦屋さんはあったのです。
R399の通行車を山道を通ってR113まで呼び込もうというその魂胆には脱帽です。
が、残念なことにこの日はどういうわけか休業でした。
遥々、鳩峰峠に稲子峠に、峠を二つも越えて辿り着いたというのにです。
ま、その蕎麦屋さんが目的の旅でもないので、どうでもよいことなのですが。
R113を東に走って七ヶ宿の街を過ぎ、白石市の小原の材木岩を見物することにしました。
実は、前日、霊山の帰路、このR113を通っているのです。その時、運転のIke会長さんが、材木岩という面白いところがあると紹介してくださったのでした。
ことのついでに、そこを訪ねたというわけです。
Okkaaもこの名所は知っていたらしく、前から来て見たいと思っていたようです。
帰路、明日はJunyさんと光兎山だと言ったら、眉が微かに動いたようですが、それで済んだのは、Ike会長さんと鳩峰峠のお蔭です。文殊様のご利益もあったかもしれません。
Okkaaはこの峠をすっかり気に入って、来年は新緑の頃に来て竜ヶ岳に登るんだなどと言っています。          

鳩峰峠 正面の山は竜ヶ岳994.2m 峠から登山道が伸びている

峠の展望台から 麓の置賜盆地に南陽市、高畠町などの市街、
あれが先月14日の夜ここから眺めた夜景の正体か、大都会に
見えたのだが

峠を宮城県側に下る道、黄葉が舞う楢の木林の道で・・・

・・・子猿を背負って崖を駆け上っていく親猿を見た

朝、山形県小国町を越えたR113
片洞門休憩所近く明沢川の渓谷

 鳩峰峠R399の登り口、
 山形県高畠町の亀岡文殊堂

亀岡文殊堂にて  十六羅漢 

鳩峰峠を宮城県側に下って稲子集落から間道を通ってR113に出、
七ヶ宿を抜けて、白石市は小原の材木岩を見物した
こちらが自然の造形美なら  こちらも自然の妙