ブドウの秋庭
9月、猫額苑では、ブドウが実った。
デラウェア、小粒のブドウだ。
初めて実がついた年、ヒヨドリの親子が飛んできて
親鳥が実をついばんでは、口移しで子鳥に食べさせていた。
なんともほほえましい光景を目にして
以来、鳥寄せになればと、
摘果せず、小さいままで実を多く生らせようとしている。
が、鳥よりも、ハチ寄せになってしまったようで
ハチがせっせとやってきて、実を舐める。
実はしぼんでいくし、危険だし
ということで、摘み取ることにした。
もちろん、幾房かは、ヒヨドリとハチのために残してあるが。
今年のブドウは、結構、甘みが強い。
絞ってジュースにした。
氷と水で薄めて飲めば何杯かは楽しめそうだが、
わずかな量だ。もったいなくて、冷蔵庫に仕舞ってある。
昨年のブドウは、失敗だった。
実が色づく前、実も葉も、急にしぼみはじめた。
水不足かと、せっせと水をやってみたものの、ついにダウン。全滅。
よく見ると、ツルのところどころに小さな穴があいて、木屑が出ている。
ブドウ虫だ。
それにしても、ブドウの木は強い。
ブドウ虫の食害にあった箇所を全て切断したが、その下から新芽が出て、グングン伸びた。
それで、今年は、春から、ツルの一本一本に注意を払った。
ブドウ虫の穴を見つけたら、すかさず、その穴から薬剤を注入した。
というわけで、今年は何とかブドウの味を楽しめた。
果実はなかなか手がかかる。