綿野舞(watanobu)只管走記(ひたすらはしるのき) 2017
 
11月5日 七十路(ななそじ)を越えて掴んだサブ(ファイブ)
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五泉紅葉マラソン 記録 グロスタイム  4:55:45
ネット(自己計測)タイム  4:55:28
「七十路の熱い血潮のサブ5」 10月9日の新潟大会でサブ5(5時間切り)を達成すべく、この句を用意していた。しかし、6時間もかかって失敗、10月30日が誕生日なので七十路を越えてしまってもう使えない。だから代わりに、「七十路を越えて掴んだサブ5」
前回、フル挑戦3年目にしての初完走だったのだが、トータル10㎞分も歩いてしまったのでは、達成感は薄く高揚感もなかった。が、今回は違った。いっさい歩かなかったからだ。真実の「完走」、だからその充足感たるや、「ヤッター」はこんな時のための雄叫びだ。
 渡辺伸栄watanobu
今回、写真撮影は全てOkkaa。小さなウエストポーチは薬とサプリでパンパン、スマホの入る余地はなかった。
9:00フルマラソンのスタート。私は遥か後方、それでも参加者が少ないせいで17秒のロスで済んだ。前半、絶対にキロ7分ペースを保つことを肝に銘じたのだが、周りのランナー皆速い。どんどん追い越していく。
「それでも我慢してペースを絶対に上げないこと」と、新潟大会の前日、TVで高橋尚子さんが初心者完走のコツを指導していた。「追い越していくランナーの多くが後半必ず落ちてくる(遅れてくる)から、それを一人ずつ拾っていく(追い越していく)のも、マラソンの楽しみの一つだ」と。
 
13:55、ゴール会場のグラウンドをフィニッシュラン。高橋尚子さんの言う通りだった。19㎞を過ぎた辺りで初めて、落ちてくる人一人拾い、そこからポツポツ、やがて次々と拾い続けて、今まさに最後の一人を拾おうとしているところ。「あと少し、がんばろう」と声をかけて追い越すべきだったのだが、この時は、そんな余裕はさらさらなかった。
その一人を追い越して、フィニッシュゲート目前。もうここまで来れば、ずっと目標にしてきた5時間切りが間違いなしと、嬉しさがこみあげてきていて、それまでの疲れも脚の痛みもすべて吹っ飛んで、自分では快走でゴールに向かったつもりだった。今こうやって写真を見ても、結構、背は伸びているし腰も前に出ている。手がやや下がっているのが難といえば難。
ゴールして、何はともあれ記念撮影。後ろの時計を見ると、3分しかたっていない。この間に、水をもらって、靴に付けたチップを切り取ってもらい、記録証を打ち出してもらったのだから、それほど疲労困憊している状態でもなかったようだ。多分気持ちが高揚していたのだろう、この後、大腿筋が固まり始めて立っていられなくなった。
 
男子55歳以上は、後で要項を見たらエントリー数153人、112位だからかなり後方。ゴールのタイムを1km平均にすれば、ちょうど7分。スローペースだから当然と言えば当然の順位。名簿で70歳以上は9人、さてどのくらいの位置だったか。ま、順位はさておき、大事なことは自分の記録への挑戦。新潟大会の記録を1時間10分短縮して、サブ5の記念すべき完走証となった。
感謝 
それにしても、気持ちの良い大会だった。まず、天候がベストコンデションの日だった。暑からず寒からず、適度の冷風に汗もすぐに乾いた。
それに増して、沿道の応援。各集落には必ず人々の固まりがあり、学校近くでは元気な生徒たち、老若男女どの人からも温かい気持ちが伝わって来た。ゼッケンに大きく書かれたカタカナの氏名を見て、名前を呼んで応援してくれる人もいた。その都度「ありがとうございます」と応えながら走った。
それに、沿道には個人名を書いた応援小看板が立ち並んでいて、33㎞付近だったと思うが、「阿賀北山岳会 渡辺伸栄さん71歳 完走へがんばって」と書いた看板が目に入ってビックリ仰天。思わず飛び上がるところだった。カメラを持っていなかったのが悔やまれたが、しばらくニヤニヤ嬉し笑いしながら走った。
足が棒になりかけていた38㎞付近には、旧知の教育長さんが大声で私の名前を呼んで待っていてくださった。嬉しくて有り難くてハイタッチ。一番困難な場面でどれだけ力になったか。
とにかく、皆々、感謝感激のマラソンだった。

新潟大会の反省と対策
計算上、キロ7分で走れば5時間はぎりぎり切れる。それほど無理なペースではない。新潟大会の失敗は、足が攣って走れなくなったことにある。なぜ足が攣るのか、どうしたら防げるのか、あれからいろいろ情報収集した。わかったことは、
1 30㎞走の不足
足が攣るのは、第一に長距離走り込みの不足というのがあった。9月に30㎞1回、25㎞1回、20㎞2回走っているが、それ以前は暑くて思うように長距離を稼げていなかった。
それで、10月も30㎞1回、26㎞1回、20㎞2回走り込んだ。不思議なもので新潟大会で42㎞を経験したら、20㎞や30㎞が全く苦でなくなっていた。10月は、9月とは違って余裕をもって走り通せた。
2 大量発汗による水分とミネラル分の喪失
新潟大会はとにかく暑くて、最初の10㎞で水を被ったようになった。大量の発汗が足攣りを起こすという。給水は欠かさなかったが、飲み過ぎないように一口くらいに抑えたのが悪かった。それと真水とポカリを交互にとったのも。汗と共に喪失したミネラルの補充が不十分だった。
五泉大会では、ポカリを多く飲んだ。ミネラル補充に、今回初めて塩熱サプリというのを購入して5㎞おきに口に入れた。

3 エネルギー切れ対策
新潟大会でも、5㎞ごとにブドウ糖、15㎞と30㎞でアミノ酸を口に入れた。必要分をウェストポーチに入れて走った。
五泉大会では、それに加えて、着替時に口に入れたのが、Youmyさんからの秘薬と、Unqさんからのエネルギー補給剤。さらに、Unqさんは、23㎞に置いてもらえるスペシャルドリンクを私とYoumyさんの分まで用意してくれていた。23㎞の給水所に着くと、その2本だけが残っていた。キロ7分ランナーがスペシャルドリンクをもらうのは気恥ずかしかったが、エネルギー補給に助かった。
4 早め早めの漢方薬
足攣り対策の専門漢方薬がある。新潟大会では足が攣るとその都度服用、飲めば治まる。が、また攣ってまた飲んでの繰り返し。31㎞では、強烈に攣って服薬しても治まらず座り込んでしまったほどで、ポーチに入れた3服全て使い果たした。
それで、今回は、足が攣る前に少し違和感を感じたら早め早めに飲んだ。最初に控え所を出るとき、アップの前に飲んだ。次に飲んだのは21㎞、35㎞、最後のグランドに入る直前と、計4服。

これらの効果があって、今回は足が攣ることもなく、一度も歩かずキロ7分ペースで走り通せた。もっとも、肌寒いくらいの気候だったことも大きい。それと、Margoの親からもらった京都・護王神社の足の御守の霊験もあったのかもしれない。もちろん、地元の教育長さんはじめ皆さんの応援のお陰も大きいし、UnqさんとYoumyさんの配慮、それとOkkaaの支援への感謝も欠かせない。

次へのための反省記
今回は歩かないでキロ7分で走り通せた。今後、タイムの更新は可能かどうか。1㎞毎のラップタイムを見てみた。
ロス 1km 2km 3km 4km 5km 6km 7km 8km 9km 10km 11km 12km 13km 14km 15km
分秒 0'17" 6'57" 6'49" 7'03" 6'50" 7'02" 6'48" 6'57" 7'05" 6'43" 6'07" 7'06" 6'40" 7'04" 6'29" 6'32"
  16km 17km 18km 19km 20km 21km 22km 23km 24km 25km 26km 27km 28km 29km 30km
分秒   6'41" 7'33" 6'36" 6'41" 7'11" 6'50" 7'40" 6'55" 6'45" 6'16" 6'44" 7'17" 7'05" 6'50" 7'28"
31km 32km 33km 34km 35km 36km 37km 38km 39km 40km 41km 42km 0.195
分秒   7'07" 7'17" 6'43" 6'41" 6'54" 8'27" 6'53" 7'16" 7'20" 8'24" 7'25" 7'00" 1'23"
ずっとキロ7分前後のペースを保って走った。これを縮めるのは難しい。後半ダウンする可能性が高いからだ。どこを削るか。7分を大きく超えている箇所は、給水所のロス。停まってウエストポーチからサプリや薬を探し出すのに時間がかかったり、食物をもらったりの時間。ここは各30秒くらいは短縮できるか。もっとも、給水所のロスは次の給水までの間にできるだけ回復しようと少々ペースを上げたので、結果は同じ事になるかもしれない。36㎞の8分台は小用トイレだし、40㎞のはキツイ登りの坂、ここのタイムはやむを得ないかもしれない。実は、残り10㎞になったら6分半くらいにペースを上げようなどと虫の良いことを考えて前半抑えていたのだが、いざ30㎞を越えると、とてもとても7分の維持がやっと。35㎞過ぎたら急に脚が棒になってガチガチ。タイムを見るとキロ8分に落としても5時間ギリギリに入れそうなので気を楽にしたが、とてもペースアップなんて無理の無理。
ということで、5時間切りがやっと。これ以上タイム短縮は多分無理。欲をこかないでサブ5を毎回達成することを目標にした方が良いようだ。


ともあれ、これで2017年のマラソンシーズン終了。振り返れば、フル初完走、10㎞、ハーフ、フル、全て自己ベスト、地元大会で6位入賞。実にいいシーズンでした。病膏肓に入り、来シーズンに向けてまた只管走の開始です。
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