人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
さて、お待ちかねのご褒美、前エブリからエブリ山頂まで、天空の漫歩道が続く。明日はその先にもっと続く。
稜線歩きこそ縦走の醍醐味。
これを楽しみに、大汗かいて息を切らして登って来る。そこには別天地がある。天上界、期待はいつも裏切られない。今日のような晴天日は特に。
15:14 「長者平」、エブリ山頂直前の1600mに天上の平原。草原が広がり池塘が点在する。花の時期ならまさに天上の楽園だろう。
その平原に立ってふと目を前にやると、そこに雄大な飯豊連峰の山塊がで~んと現れる。暫しうっとりと眺めて時を忘れた。
15:43 エブリ山頂に立つ。
とりあえず小屋に下って荷を置き、水場へ。二沢の出合まで下るもカラカラ状態。諦めて戻る。エブリ小屋の水はあてにならないので、余分に3.5ℓ背負ってきた。まだ1ℓは残っているが、今夜はビールとパンで過ごすことにして、それを持って再び山頂へ。
昨年急逝したY先達の事故現場、西俣川の方向に黙祷。
そして、山頂ビール。これもご褒美の一つ。
ひとまず小屋に戻って防寒対策の後、再度山頂。夕日と名月を待つ。
やがて、夕焼け、東の空には満月。名句をパクッて一句
「エブリ山頂 月は東に 日は西に」
この間に、二人組が小屋に来て、水がないと伝えたら、持ち水に余裕がないらしく、深刻な顔で下っていき、やがて、相当下の沢から水を汲み上げてきた。窮すれば通じるとはこのことか。水がないときは、あるまで下るのだとか、そうすれば必ずあるのだとおっしゃる。脱帽、勉強になりました。
この二人組、この日山頂には登らず、結局、今年も「エブリ山頂独り占め」で、中秋の名月、優雅な月見となりました。
東俣ルートで山に入る人はAlpinistというよりはNaturalist
(さる山岳人のブログから)
昨年、エブリ差岳に立って、来年こそは大石口から登ってみようと思っていた。
台風一過の17日以降、今行かなくていつ行くかという程の晴天日が続いている。
行くなら今だと、単独行で東俣ルートに入った。
ちょうどこの日は、中秋の名月、1636mの山頂で月見ができれば、これまた風流か。
6:18 大石ダム奥の彫刻公園に車を置いて、登山開始。
汗を流すほどの速歩で林道を1時間進む。このルートの我慢の歩きが早くも始っている。
林道終点で東俣川の橋を渡り、ブナの大木林「月夜平」を通り過ぎる。
東俣川の水はあくまでも青く澄み切っていた。下流の大石川が濁っていたにも関わらずだ。ダムを挟んで上下の水の違い、これは一体なんだ。
8:33 2本目の橋を渡り、ここからいよいよ急登。標高330mの橋の袂から847mのカモス峰(頭)まで、標高差500mの一気の登りが結構きつい。
権内尾根はこのカモス峰から始るのだろう。1001mの権内ノ峰で一息ついて若干のアップダウンの後、1164mの千本峰へ。
この付近まで来ると展望が効いて、大境山がすぐそばに見え、関川盆地、わかぶなスキー場、立烏帽子に葡萄鼻山、光兎山、鷲ヶ巣山など見知った景色を確かめながら進む。
千本峰から1534mの前エブリ差岳まで、ここもひたすら我慢の登り。
左を見ると東俣川支流の大沢に2段の大きな滝。2万5千分の1地図にも記号が載っているが、無名のようだ。登っても登っても見える景色は殆ど変らない道中、大滝で気分転換。
14:07 前エブリ差岳にようやく登り着いた。
いつの登山でも、苦労の末のご褒美が必ず待っていてくれる。それは、天上界の漫歩道とそこからの眺望。
今回、昨年の反省を生かして300mmのズームレンズをザックにつっこんできた。
前エブリの山頂で早速それをとりだしてカメラに装着、我が家の辺りにズームインしてみた。
とは言え、我が家からは長峰山の裾の陰でエブリ差岳は見えない。当然のことながら、エブリ差岳からも我が家は見えない。
普段のジョギングコースにしている温泉橋に焦点を合わせて、1500m上空からの俯瞰撮影、いつも眺めている視線と真逆の空撮写真ができた。
本当はエブリ差岳山頂からの撮影にしたかったのだが、既に午後2時、エブリ山頂は3時を過ぎる。
最近は夕方になるとエブリ山頂は雲に覆われる。昨日もそうだった。チャンスを逃すわけにはいかない。
実際、エブリ山頂に立った頃、雲は湧かなかったが、下界の景色はかなり霞んできていたから、前エブリで撮影して正解だったと思っている。
山歩紀行 2013 |
西穂山荘 2011.8.28撮影 |
|
|
|
2013年9月19・20日 エブリ差岳~地神北峰 飯豊連峰ミニ縦走
1日目 東俣ルート権内尾根をエブリ差岳へ
前エブリ差岳1534m エブリ差岳 1636.4m 新潟県関川村
↑ 画像にマウスポインターを当てれば頼母木小屋付近が拡大します
東俣ルートの権内尾根をようやく登り詰めて前エブリ差岳に上がり、一旦鞍部に下がった後、なんとか
エブリ差岳山頂手前の長者平に出た。とたん、突然のように眼前に飯豊連峰の山塊がど~んと現れる。
その雄大さに、それまでの疲れをすっかり忘れて茫然として立ち尽くした。
ひたすら我慢の登りが続くこのルートは、この光景を見せるためにあったのか、と頷きつつ。
稜線の上にポツンと白い建物、標高1626mに立つ頼母木小屋が別世界感を際立たせている。
いかにも飯豊らしい山容がここにあった。(19日15:24 長者平から)
6:43 朝陽差し込む林道を、男一人、そそくさと急ぎ行く
7:35 「月夜平」で、タヌキが月見で踊るのだろうか、
今夜は中秋の名月
10:19 権内ノ峰1001mと千本峰1164mを仰ぎつつ、
我慢の登りが続く
12:27 千本峰を越えるとようやく展望が開け、
すぐそばに大境山 そこから葡萄鼻山に続く尾根、
その向うにわかぶな高原、光兎山も
12:32 前エブリとエブリ差岳が見えてはきたが、
中々どうして遠い遠い
12:40 左方かなたに大きな2段滝
写真はズームイン、実際は遥か
14:15 前エブリ頂上1534mから 300mmのズームレンズで、いつものジョギングコース温泉橋を俯瞰
14:39 前エブリ頂上から見た、エブリ差岳山頂へ続く
天空の漫歩道
15:11 「長者平」、標高1600mの山頂付近に天上界の
草原や湿原
15:44 エブリ差岳山頂から、登ってきた権内尾根、
前エブリを振返る
16:39 何はともあれ山頂ビール
17:45 エブリ差岳山頂から、佐渡の山陰に沈む夕日
18:00 東に昇る中秋の名月、右端に飯豊本山、エブリ差岳山頂1636mで月見
今日出合った花たち。夏の名残の花たちや、この季節の花たちが咲いていてくれた。
ホツツジ オヤマボクチ
エゾシオガマ ミヤマコゴメグサ
コウメバチソウ ミヤマキンバイ
ミヤマトリカブト 別名ハクサントリカブト とも タカネマツムシソウ
モミジカラマツ ハクサンフウロ
ミヤマトリカブト咲く山頂斜面 向うに飯豊本山 タカネナデシコ
最後に、花ではないが珍しい「主三角点」 長者平で見つけた。
明治時代に農商務省山林局が設置した三角点だとか。
昨年、大平山で見つけて以来2コ目。
|
|
|
― ページのTOPへ ― 2日目へ続く |