人と交わり、草木と交わり、山気と交わり
それら一瞬の表情を写真で切り取る楽しみも広がって
単独行もいいし、仲間とならなおいい
そんな山歩きの楽しみを綴ってみました
6:30 鉾立峰1573m
鉾立山頂から、稜線上に連なる本日のルートを眺める。朝日に当って、麗しきかな天空の漫歩道。
7:23 大石山1567m
道々、咲く花をカメラに収める。結構まだ花たちが咲いていてくれた。途中、何人かの単独行者とすれ違う。皆、同様の年代か。道や水の情報交換。
8:00 頼母木小屋1626m着。ここは水が豊富でありがたい。顔洗い歯磨きもここで。風が強いので、小屋の中で朝食。アルファー米にカレーをかけてがっちりと食事。コーヒーも啜って、どうにか人心地。
昨夜この小屋で泊まってエブリまで空身でピストンした人が帰って来て暫し談笑。今夏、当方が槍から南岳を歩いたちょうどその頃、槍から大キレットを越えて奥穂に登ったという。初めてだったが、天候と体力さえあれば大丈夫と言う。ほぼ同年代。がんばっている。俄然やる気が増してくる。
そんなこんなで、小屋で暢気に時間を費やして、
9:37 頼母木小屋出立。
9:57 頼母木山1730m
ここは、イイデリンドウの群れ咲くところ。まだ残っていないかとあちこち草叢の中を探し回ったが、見当たらない。頼母木山を越えたところで、後ろから人が来る。随分な軽装、道を譲ったら、「日帰りです」などと笑いながら、稜線上を走って行く。トレイルランというのだろうか、凄いもんだ、脱帽。
1700mを越えると、草紅葉が始っていた。エブリの辺りとは山肌の色合いが違う。地神北峰の斜面は少々色づいて、紅葉のはしりが見られた。
10:27 地神北峰1800m着。
今回のコースの最高地点。
ここから、今日来たルートを振り返る。スタート地点のエブリ差岳は遥か遠くに見える。遥かなあの頂から、鉾立を越え、大石山を下って1530mの鞍部から多少のアップダウンはあるものの1800mの北峰まで、緩やかな上りの稜線ルート。
何度も来ていると、下界の景色は変わり映えもなく見慣れてしまったように感じるが、稜線上の光景は、いつ見ても新鮮に感じられる。
流れる雲が違い、山肌の色が違い、吹く風が違う。何よりも、自分が違う。1年前よりも楽に歩いていることが嬉しくありがたい。
北峰に荷を置いて空身で地神山まで往復しようかと歩き始めてみたものの、下山口到着が予定より遅れると、麓で待つOkkaaに余計な心配をさせることになりかねない。ここは早めに下山するに限ると思い直して、北峰に戻った。
10:50 北峰から丸森尾根の下りにはいる。
エブリ差岳やそこから続く稜線を眺め、名残を惜しみつつ下る。「折角登ったのに勿体無いなー」と、下りではいつも思う。これは、登山人誰もが抱く大矛盾。
11:26 丸森峰着
11:37 同発
何人かの登り人とすれ違う。やはり単独者、同年代。途中途中の情報交換は、登山ならではの行動。
12:46 夫婦清水
水はいい勢いで流れていた。頼母木小屋から担いできた水をここで詰め替える。ザックの中で温まった水が、冷たく生きのいい水に替わる。ついでにかなり消耗した足をここで休める。登りより下りが辛い。足がパンパンだ。
13:15 夫婦清水発
14:40 飯豊山荘前登山口到着。無事下山。
結局15:30約束のOkkaaよりかなり早く着いてしまった。仕方なく山荘前の大石に腰掛けて、ただ待つのみ。こんなんだったら、地神山まで往復するんだったなーなどと悔やんでも後の祭り。いつも、何かしらの心残りはある。それは次回の楽しみでもある。
ともあれ東俣からのミニ縦走完了。来年は逆コースも面白いかななどと思っている。
一晩中、15夜の月で外は明るかったが、風が強く、小屋は唸っていた。昨日遅く来た二人組は二階に上がってくれたので、一階を独占して、のうのうと熟睡することができた。
食って、出して、寝て、ひたすら歩いて、感動して・・・山の行動は単純明快だ。
4:30起床。身支度を整えて山頂へ。朝焼けのシルエットが素晴らしい。やがてご来光、秋分の日が間近なので、ほぼ真東からの日の出。逆にほぼ真西には、一晩中輝き通した名月。またまた名歌をパクッて
「ひんがしの山に朝焼けの燃ゆ見えて、かえり見すれば月かたぶきぬ」
さてはて、こんな光景は二度と見られるかどうか。
小国盆地は、いつ見ても雲海の中だ。Okkaaは、この雲海から溢れ出した雲が大境山の脇の山裾を越えて関川盆地に流れ落ちる光景を、朝、物干し台から眺めて「滝雲を見た」と、喜んでいる。今朝の雲は、滝雲にはならず、さながら龍のように荒川の流れに沿って関川盆地に下っていた。これはこれで中々見応えのある光景で、バシャバシャとシャッターを切って、Okkaaへのお土産にした。
感動の一方で、冷静な計算を働かせるのも登山。昨夜の夕食は水を節約して、山頂でビールとパン、おかず少々で済ませた。昨日の行程中、ほぼ1時間おきに行動食を立ち食いしたお蔭で、空腹感はない。
山登りの1時間当り消費カロリーは、荷を加えた自重×5だとか。
自分だとほぼ400kcal、これを摂取し続けると確かにバテは来ないようだ。が、高カロリー行動食はどうしても甘味が過ぎるのが難点。何かいい方法はないものだろうか。
それはともあれ、残した1ℓの水は本日の行動飲料に回して、朝食は水の豊富な頼母木小屋で作ることにし、朝食代わりの行動食を摂取。
5:50 エブリ小屋出立。予め行動食を摂ったのが良かったのだろう、歩が軽い。
山歩紀行 2013

                 西穂山荘 2011.8.28撮影
 
  2013年9月19・20日 エブリ差岳~地神北峰  飯豊連峰ミニ縦走

 2日目 エブリ差岳から地神北峰へ稜線歩き、丸森尾根を下る
             エブリ差岳 1636.4m 地神北峰1800m
                       新潟県関川村 胎内市 山形県小国町


2日目は、エブリ差岳から地神北峰までの稜線を歩く。
陽射しは強いものの西からの強風が吹いて汗が乾き実に快適、快調に天空の漫歩道を進む。
10:27 地神北峰1800mに到着。一息ついた後、北峰を地神山側に下りて、今日来た道を振り返った。
出発地のエブリ差岳は遥か彼方、左隅の稜線上にかすかに頼母木小屋が見える。右端が地神北峰。
                    (20日10:34 地神北峰を越えた鞍部から)


5:10 エブリ山頂から、雲海の彼方に黎明の朝日連峰を望む

5:23 ほぼ真東からの日の出、右端は飯豊本山
その左遥か吾妻連峰

5:23 同時刻、エブリ山頂のほぼ真西方向に沈みゆく15夜の月

5:32 小国盆地に溜まった雲が荒川の流れに沿って
関川盆地へ下る

5:51 朝陽を背に受けつつ、エブリ小屋を後にする

6:16 本日のルート <右端の鉾立峰1573m、その左方稜線上に大石山、頼母木山、地神北峰>を望む

6:31 鉾立峰山頂でガンダムの影か?↑ポインタを画像に
当てて下さい

こちらは自分の影

7:21 大石山1562m山頂から頼母木山1730m、その下に小さく
小屋も

10:04 頼母木山を越えた稜線、草紅葉の道を走る人がいて
驚いた

10:36 地神北峰の斜面に紅葉のはしり、最早エブリは稜線
の彼方に

10:52 丸森尾根から、6月に下った梶川尾根、その向うに
飯豊本山

10:53 丸森尾根から、エブリ差、鉾立、頼母木からの稜線
に別れを

12:33 丸森尾根にて、まるで鯨のアバラ骨の間を通る
ような気分で通過

本日出合った花たち
 
ハクサンシャジン 鐘の音が聞こえるよう       タカネナデシコ2連
 
ミヤマクルマバナ  ミヤマがつくと別格      タカネマツムシソウ  マツムシという鐘の形からとか
 
イワインチン                        コウメバチソウとイワインチンの2ショット
 
ハクサンイチゲ 息の長い花             オヤマリンドウ 気難しがり屋が開いて見せた
 
豊作のナナカマド  ブナも豊作だった       ミヤマママコナ  今が花盛り
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