綿野舞(watanobu)山歩紀行2018
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5月8日 要害の (いにしえ)偲ぶ 名花孤高
高坪山570.4m 新潟県村上市  地理院地図は→こちら
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高坪山にシラネアオイの花が咲くという。去年は鳥海で、一昨年は月山で見た。その前はと言えば、4年前の蒜場山、7年前の金北山。一々、覚えているくらい印象に残る深山の花。それがこんな近間の、しかも600m足らずの、高坪山にある?半信半疑で出かけたのだが、・・・あった‼ それも、これまで何度も通ったことのある登山道に。たった一株一輪。孤高というか、清楚というか、高貴というか。13日は、この花を探す公民館行事。多分その時には花は終わっている。毎度のことながら、今回も下見の時が絶好期となってしまったようだ。それにしても、この花を探すのを名目に、高坪山塊を南端から北端まで全縦走させようという計画。平面距離で11㎞、沿面で12㎞あって山男3人でもほぼ8時間近く要した。20人近くの老若男女が参加予定という。本番は、半分行程にして今年と来年2回に分けるのが順当だろう。
<後日追記>などと、下見後に計画変更を検討していたら、当日は雨予報。前日のうちに中止と決定された。来年の花の時期、乞うご期待だ。
 渡辺伸栄watanobu
黒川城主郭(本丸)跡から、眼下に水の張られた田園、豊穣の風景。日本海に浮かぶ粟島、その手前、荒川河口の海岸線にポツンと見えるのは、新潟県で一番低い山・稲荷山15.3m 
高坪山塊南部は、ブナの巨木が林立する鬱蒼とした峰の道を進む。空いっぱいに枝葉を広げたいのちの輝き、その下に立つと、樹のパワーを浴びているような気がしてくる。
巨木だけでなく、こんな爽やかなブナ林も高坪山の魅力。かつて一度伐採された後、一斉に芽吹いた若木達。この中から、やがて巨木が生き残るのか。
ブナは、今この時間も命の再生現場。早々に花を咲き終わらせ、実を生らせようとしている。これからおよそ半年近くかけて、次世代の命を育む。 
ブナ林は、春の花盛り。ユキグニミツバツツジ、緑の中に鮮やかな赤色が目立つこの時期の花。
こちらは林床に咲き群れるチゴユリ。数多く一個一個はそれほど目立たない花だが、アップでよくよく見るとなかなか味わい深い花。
ツクバネソウ。名付けて妙というか、よくもまあ整った形になるもんだと妙に感心させられる。ツクバネウツギも咲いていた。ほかに、ハンショウヅル、ガマズミ、ナナカマド。
 
そして、ついに発見、シラネアオイ。登山道に突然、この一株のこの一輪だけ。その孤高ぶりがこの花の高貴さを一層際立たせていた。一般登山者の良く通る道、よくぞ残っていたものだ。どうか、このまま大切に残しておいてほしいものだと祈るだけ。ただし、日程の終了頃、シラネアオイの葉だけは結構いくつか見ることができた。今後に期待だ。 
貝附城址、足下にR113が通る。貝附の狹戸、対岸には遠矢場城址があり、街道の要所を抑えた城であることが一目瞭然。 
 
貝附山城の堀切跡。高坪山塊は南端に黒川城址、北端に貝附城址があり、その付近にはこのような堀切跡が随所に見られる。中世戦乱の時代を偲ぶ要害の山、それが高坪山。 
<コースとタイム> 樽ヶ橋P発8:52-9:58黒川城址10:09-11:55蔵王権現跡-12:15釈迦岳(昼食)12:45-13:09高坪山頂分岐-13:53虚空蔵コース分岐-15:13貝附山城跡15:25-16:14貝附城址-16:44花立駐車場着
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