綿野舞(watanobu)山歩紀行2018
綿野舞の記TOPへ
6月4日 回る回るよ 時は回る 今昔(いまむかし)
東黒森山766.2m 山形県山辺町  地理院地図は→こちら
~山歩紀行目次へ~
山々の頂に憩いありと言ったのはゲーテ。百の頂に百の喜びありと言ったのは深田。とはいえ、東黒森山の頂にあった憩いと喜びには、さすがのゲーテも深田も思い及ばずに違いない。山の尊さは高さにあらず、そこに憩う人喜ぶ人があってこそ尊さ。東根マラソン翌日の登山、今年もまた思い出深い山歩となりました。百聞は一見に如かず、まずは動画でどうぞ。 
 渡辺伸栄watanobu 
この日の朝のこと、キャンプ地のコテージで朝食をとりながらの話題。目の前の林に朴ノ木を見てOkkaa曰く、子どもの頃、あの木の葉で包んだお菓子が田植えの人たちに振舞われたものだと。小生も追加、あの木の葉で包んだきな粉まぶしのご飯のおいしさ。すると、Youmyさん曰く、あの木の葉で風車を作って畦道を走って回したものだと。朴ノ木の葉の風車?どうやって回る?その疑問にUnqさんが答えた。まず、葉のついた枝を採る。次に、葉を束ねて縦半分ちぎる。さらに、各葉を主脈から横半分ちぎる。そして、葉のついた枝の先の芽を抜いて窪みをつける。そこへ、先をとがらせた別の枝を挿し込んで完成と。話しだけでは半信半疑のところへ、猫がやって来てその話題は終了したのだった。
コテージのデッキで優雅に朝食中。そこへやって来たのがこの猫。飼い猫ではないようだが、根っからの野良ネコでもなさそうな風情。コーヒータイムには、デッキに上がり込んですっかりくつろいだ風。が、人が近づけばきっちりと1m強の間合いはとって、決して媚びず、食べ物をねだるふうでもなく、かといって威嚇するでも警戒するでもなく、穏やかに泰然として、出されたものが好物なら食べるが、そうでなければ小魚でも手は出さない。ノラとしての矜持は高いと見た。 
で、場面は再び東黒森山の山頂。ちょうど朴ノ木があって、Unqさんが論より証拠とばかり、半信半疑の解消行動に出たというわけ。この後、実際に自分でも作ってみた。葉は奇数で左右対称でもないし大きさも異なる。その上、芯にした枝は曲がっているしで、畑のモグラ除けにペットボトルで作った風車から見たら、なんとも雑極まりないのだが、走りさえすれば、これがまたよく回る。その意外性が喜びのタネ。顔も動作も自ずから童子に戻る。こんな楽しい遊びを学校で教えなかったのは、多分わけがある。各児童に1個ずつ作らせたら、朴ノ木が丸坊主になるからだ。
山頂の童遊びでどっと疲れが出、木陰を求めて大休止。この後二人ほど、間をおいて上ってきた。さっきまで山頂に童子4人風車に興じていたことなど知る由もなく。我等もさっきまで童子であったことなど、全くそ知らぬふりで大人の挨拶。
下山すれば麓は自然公園で、みこくぼ沼の周囲をのんびりと散策。近くに東屋があって、そこへサーバントを召し連れたセレブ風のレディ二人。かのサーバン氏、甲斐甲斐しくも野外料理の提供。我らが去れば周囲には誰もいない。眺望もなく風景もさして格別の場所ではない。サーバン氏がしゃべり続け、レディ二人、微笑みを絶やさずうなずき返す。さすれば、風景に代えてあまりあるサーバン氏の話題話術か、はたまた調理の腕かと、内心感心しながら脇を通り過ぎた我ら。あれは多分ホテルの出張サービスだと冷静に観察したのはUnqさん。
ちょうど卯の花が満開で、遊歩道は真っ白なフラワーロード。サーバント一人ぐらい、なにさ!こっちは二人も召し連れているのよ!と、花の絨毯を歩くこのレディ二人、思ったかどうか。それにしても、去年の三吉山であれほど見つけたハナイカダ、今日の東黒森山では結局影も形も見なかった。第一発見者にアイスクリームを賭けて、鵜の目鷹の目で捜し歩いたというのに。不思議なことだ。
<コースとタイム>
 駐車場発9:35-9:47西登山口-10:25山頂11:03-11:33東登山口下山
ページのTOPへ