綿野舞(watanobu)山歩紀行2018
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7月20・21日 月山の キスゲもびっくり 大団体
月山1984m 山形県西川町  地理院地図は→こちら 
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21日は、関川村公民館主催の健康登山。今回は本年2回目で、月山を計画したら50人超の申込み、大団体となった。さすがは人気の山。この時季、少し終わりかけてはいるもののニッコウキスゲの花盛り。その中を長い隊列が進む。各地の山を歩いているが、50人もの団体登山は見たことがない。それだけ山好き人が多いということで喜ばしいことだが、主管する我ら阿賀北山岳会もそれなりの覚悟がいる。前日に下見して残雪状況を確認、必要箇所にステップを刻んでおいたり、当日も、雪渓の状況を確認してステップ切り。会員多数参加して班長を務め、班単位で、人数確認や班員の体調把握、ペース配分。お陰で参加者全員無事登頂を果たし、花の月山稜線歩きを楽しんでもらえた。山頂広場に三々五々屯する50人超の登山人にパワーを感じて、主管者の一員として喜びを感じたものでした。
ここに載せきれなかった写真はYouTubeにあります ⇒こちら  
渡辺伸栄watanobu 
姥ヶ岳への残雪斜面。ここの傾斜が結構あって、滑落したら危ない箇所。予め切っておいたステップが効いて、どうやら全員登り切った。
姥ヶ岳の山頂、人員確認後記念撮影。ここまで上がれば一安心で、この先暫くは稜線歩き。班長さんの班員掌握が最大の安心材料。
牛首の分岐付近で白装束の三山巡り参拝者と交差。いかにも信仰の山・月山らしい光景。
鍛冶月光の急坂は、上り下りの人多く渋滞の様相。お陰でゆっくりの進行となって、我家のOkkaaも無事登頂できたのだから、渋滞もときには福の神。
この日は時に帽子が飛ぶほど風が強かったのだが、幸い西風で、山頂東側の広場は風が当たらないだろうとの事前の読みが的中。三々五々散開して1時間ほどの弁当休憩。頂にはいつも、なべての人々に憩いがある。
下山は稜線を通らず下の巻道を通る。そこにも雪渓が残っていて、既に大勢の人が歩いたから、雪が固くなって氷結状態になっている。Unqさんと二人で先行し、凍った固い雪面をピッケルで削ってステップを切った。緩い傾斜でも、滑るような固い雪面の下りは、怖がる人もいる。50人もいれば人様々。すべての人に安心してもらうのが主管者の務め。
ニッコウキスゲとウゴアザミ。この時季の月山の魅力は、花。先行するUnqさんが花のカードを道端に置いていく。参加者がそれを見ながら進み、後詰の私がそれを回収していく。一つでも二つでも花の名を覚えてもらえれば、登山の楽しみが増える。中には、花そのものでなくカードをカメラに収める人も。そうやって名を覚えるのだとか、なーるほど。
ナンブタカネアザミ シロバナトウウチソウ
トキソウ  草むらの中に咲く小さい花、うっかりすると見逃してしまう
ヒナザクラ 雪消の直後に咲く可憐な花、小さくて白くて目立たないところがいい
イワイチョウ 葉が銀杏に似ているからというがちっとも似ていないし、おまけに岩とは無関係の湿地の花。この花を見るといつも、植物学(というか命名)のいい加減さを思う。ただし、この花の好ましさとは全くかかわりのない話。
タテヤマウツボグサ 上高地の辺りで路傍にポツポツとある。こんな群れ咲くところもあるのだと妙に感心したりして。
<21日のコースとタイム> 姥沢P発8:35-8:59リフト乗車-9:12下車-9:22姥ヶ岳雪渓9:38-9:52姥ヶ岳山頂9:57-10:48牛首分岐上部10:58-12:00月山山頂広場13:14-14:03牛首分岐下雪渓14:27-15:14リフト乗車-15:29下車-15:41姥沢P
前日20日の下見。この時の青空が翌日は打って変わって、風と霧。本番当日、50人超の参加者誰一人熱中症にもならず元気に山頂往復できたのは、風と霧のお陰ともいえる。何しろ、下界は猛暑。下見時は陽射し強。それが、本番の稜線と山頂は、別世界の天然クーラーの中だったのだから。 何が幸いするかは分からない。
雪渓にステップを刻む。なれた登山人ならこの程度の雪面、キックステップで登りは爪先をけり込み、下りはかかとをけり込めば難なく通過できるのだが、50人ともなれば経験も様々、安全第一、準備入念。
青空に映える稜線のニッコウキスゲ。参加者にもこの景色は見せたかった。ま、奉仕作業に来た人へのご褒美か。このつい2日前まで、槍~前穂をつなぐ大縦走で、連日岩壁との格闘だったものだから、月山の柔らかい地面、草原、花々は、ホッと寛げる気分。のんびりと花を撮りながら歩く山もいいもんだな~などと、思ったりするのでした。
ヒナウスユキソウ  ベニバナイチゴ
ウズラバハクサンチドリ  コシジオウレン
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