綿野舞(watanobu)山歩紀行2018
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10月22日 苗場山麓 無汗 空中散歩
田代高原1400m 新潟県湯沢町  地理院地図は→こちら 
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山に登らずとも、山を好み歩き、山のことを考え読む人のことをアームチェア・マウンテニーアというのだと、深田「瀟洒なる自然」にある。だとするなら、無汗の空中散歩でここまで来たとは言え、今日の我らも立派な安楽椅子の登山家。否否、我等だけでない。この日、平日にもかかわらずドラゴンドラは大繁盛長蛇の列。日に一万人近く押し掛けるのでは?安楽椅子派とはいえ、これだけの登山家がいるのであれば我が国の山岳界は盤石。ただし、山を好み歩くだけではだめで、山のことを考え読む人でなければならない。条件は甘くない。さて、何割差し引くべきか。
  渡辺伸栄watanobu
左が苗場山、右は神楽ヶ峰。あの峰を歩いたのはもう6年も前になる。神楽から鞍部に下り、苗場への登り返しがキツイ急坂だったことを思い出した。あの斜面だったのだ。ただ、あの時は雨の日で眺望が全く利かず、苗場山名物の山頂湿原もほとんど見えなかった。こんな日だったら、どれだけ見事な眺望だったか。それを思うと、安楽椅子は放棄してすぐにもあそこへ向かいたい気分。
苗場山に背を向ければ、反対側に谷川連峰。先月歩いた谷川岳から一ノ倉岳、茂倉岳の稜線を目で辿る。中央の谷川岳、右のピークがトマノ耳で左の盛り上がりがオキノ耳、震えながら昼食をとった奥の院の岩山。苗場も谷川も、こうやって自分の歩いた峰を離れた位置から辿ってみるのも山の大きな楽しみの一つ。あの辺りにあれがあった、あの辺りはこうなっていたと、ずっと前のこともちょっと前のことも懐かしく思い出す。そうして、登った山はオレの山になる。 
リフトを降り田代湖を目指してゲレンデをゆったりと下る。ダケカンバの白い木肌と黄葉がなんとも爽やかで、新潟マラソンの朝、玄関で転倒して全治3週間の怪我を負ったOkkaa、暫く落ち込んで寝込んだりしていたのだが、この山行のお陰ですっかり立ち直った。山は人を元気にしてくれる。深田の本に書いてあったかどうかわからないが、これは間違いのない真理だ。
田代湖の湖畔に陣取って昼食会。食べること、笑うこと、人を元気にするのは愉快な山の仲間。これまた紛れもない真理。深田の本には、そこまでは書いてなかったかも。ともあれ、Okkaaが立ち直って、我家にとっては実にありがたい山行だったのです。
あれは田代RWの山頂駅。二居からRWで来た人たちが,あそこからどっと列をなして下って来てドラゴンドラに乗る。我らのように最初からドラゴンドラで来た人たちは殆ど帰りもドラゴンドラで降るのだから、帰りの乗場の人混みときたら、それはもう。これじゃ1時間待ちだと思ったかどうか、我ら全員の切符を持ったままトイレに行ったUnqさんが返ってこないうちに、列はゾロゾロと案外に前に進む。ゴンドラは次々と人を乗せ結構なスピードで運んでいく。切符がなくてどうしようと気をもむ間もなくUnqさんが戻ってきた。
ドラゴンドラ、5㎞もの距離を走行しているというから驚きだ。しかもかなりのアップダウン、途中では谷川の水面近くまで下る箇所もある。まさに空中散歩。これじゃ、大繁盛長蛇の列ともなるわけだ。
さて、この日の帰り、高速道を途中下車して三条燕のワールドビュッフェで夕食。ここは、知る人ぞ知るバイキング食べ放題。しかもシルバー千円。勿論、ソフトクリームもケーキも、なんぼでも好きなだけ食べられるという実に危ない仕掛け。結局は、日頃の節食も何のその。ここで食べ込んだ分、翌日からの走り込みでせっせと減量するのだから、マッチポンプに近い所業と相成った。
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