綿野舞(watanobu)山歩紀行2019
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11月2日 秋日和 紅葉日和の健康登山
嶽薬師391m 新潟県村上市 朴坂山438.2m 新潟県関川村  地理院地図は→こちら 
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先月14日に下見した嶽薬師~朴坂山縦走の公民館登山。19日の予定が悪天で延期になって今日が本番日。天候大当たり、時期も大当たり。登るにつれて紅葉の色が増し一行21名秋色にたっぷり染まり、その上稜線からの眺望は抜群で、西に新潟から村上まで延びる海岸線、薄く佐渡島と粟島、北に神納平野広がり、東に女川の河岸段丘、南に荒川が貫流する関川村の盆地と飯豊山・朳差岳。嶽薬師と朴坂山の間のあこや谷最低鞍部のダウンアップも何のその、軽快に里山の秋散策を楽しんだ一日でした。
 渡辺伸栄watanobu
標高250mにある姥杉を越えると、坂はきつくなり俄に木々の色づきが増してくる。ブナの緑と黄、そこへ混じるモミジの赤。
急坂を登り終わって嶽薬師山頂直前の稜線道に出た。標高390mともなると、さすが麓とは紅葉の深まりが違う。
山頂で暫し休憩の後、出発直前の集合写真。御堂前の山頂標示は386mとなっているが、これは御堂より手前にある4等三角点の標高。御堂のある所が最高点で標高391m、だからここが山頂。三角点は測量の都合で据えたもので必ずしも山頂と一致しているわけではない。また、山名も地理院地図は嶽薬師となっているが、標示は薬師岳。これも間違いだろう。この山を麓では一般に薬師山と呼んでいるので混乱したのだろう。ま、だれも気にしたふうでもないのは、さすが細かいことにこだわらない登山人というべきか。かく言う私もこの写真を見ていて気付いただけなのだが。
小岩内から嶽薬師への登山道はよく手入れがされていて、さすがは太古からの信仰の道と感じいったのだったが、そこから朴坂山への縦走路は通る人もないのか手入れはされてないふうで、多少藪漕ぎ気分の箇所もある。笹藪を漕いで紅葉を愛でるのも登山人にはまた一興。
せいぜい400mの低山ながらここの稜線道はなかなかどうして、高山に分け入ったかのような雰囲気がある。それに時々展望が開けて、荒川がまっすぐに流下してくる関川村の盆地を一望できて、これがまた絶景。行く手のピークはミクラ山399mであそこを越えるとあこや谷の最低鞍部へ一気に下る。
その下り道。せっかく登った道をどこまで下るのだろうかと登山人に不安を抱かせるほどの急降下。下見の感じでは200mは下ったかとカン違いしていたが、実際は100mだった。何処の山でもそうだが、初めての時と2度目の時では、受ける感じが違う。たいてい2度目は、初度より楽な感じがするものだ。
最低鞍部からの登り返し。こちらの方が斜度がキツイのだが、皆グイグイと登っていく。みんなで登ればコワクない。団体登山の強み。コワイはキツイの方言か。アーコーウェなどと言う。
朴坂山山頂稜線へあと一息というところ。モミジの紅葉が見事。モミジは種類があるのだが、詳しくはよく分からない。モミジだってただのモミジでよいと思っているにちがいない。ただ、紅葉をもみじと読ませるのはやめてほしい。木のことを言っているのか葉の色を言っているのか、よく分からないから。ヤマウルシをもみじと言ったら、おらはモミジでないと怒るに違いない。ま、これもどうでもよいことか。 
朴坂山山頂で文字通りの三々五々。憩いのひととき。これが多くのハイカー登山人の最大の楽しみ。道々しゃべくりまくっていて、まだ足りなくて、ここでもおおしゃべり。山へ何しに来たの?もちろんしゃべりに来たのよ、それがなにか⁉ そう言えば思い出した。いつかの古道歩きでヤマヒルがでてギャーァと大悲鳴、あれが平場だったらパトカーが飛んできたに違いないほど。山は別世界。平場ではできないほどの大声でしゃべっても、だれも驚かない。どうやら樹々がみな吸込んでくれるらしい。山で吐き出して樹々に吸い取ってもらって、登山人皆さっぱりとした顔をして平場に戻る。あぁーだから山なのか。
この縦走路の眺望は本当に素晴らしい。一つのピークから360度の大展望というのではなく、道々、どちらか一方向の眺望が開けて、それが所によって北だったり南だったり東だったり西だったりと、トータルすれば360度大展望したことになる。その都度の変化を楽しめるという点では、こういう大展望もなかなか乙なものがある。
乙と言えば、足下の紅葉も味わいがある。色とりどりの靴とどことなく調和がとれているような。この日のお陰で、今年もどうにか秋の色たっぷりの山を味わうことができた。春夏秋冬山に入って思う、高い山もいい低い山もいい、賑やかな山もいい静かな山もいい、白い山青い山赤い山黒い山、みんないい。何故それほどに山へ?高尚な理由など何もない、ただ60兆の我が細胞諸君が喜んでくれている、その実感だけ。
ここに載せきれなかった画像はYouTubeで⇒こちらから
<コースとタイム> 小岩内登山口発8:30-9:25姥杉-9:47嶽薬師山頂10:00-10:31ミクラ山-10:50最低鞍部-11:24朴坂山山頂13:00-14:33朴坂集落着
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