山の記 2020
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4月12日 山ゆけば ブナの小径にイワウチワ 
高坪山 570.4m 新潟県村上市  地理院地図は→こちら 
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高坪山、標高570m。蔵王ルートと虚空蔵ルートを周回する定番コースを積雪期以外に歩くのは10年ぶり。あまりに見事に整備された登山道に驚いた。まるで公園の遊歩道のよう。まっすぐ天に昇る階段道、スラリと伸びたブナの美林、色柔らかなショウジョウバカマにイワウチワ、日本海、飯豊、朝日の展望。低山とは言え、何とも魅力ある山。とりわけこの時期は、ブナをはじめ木々のミドリ芽が動き始めた時で、林間は明るく、まことに爽やかな山歩を楽しめた。登山口には予想外の車があり、途中すれ違うのは意外にも若い衆。山頂についたら、反対コースから若い家族連れが楽しそうに上がってきた。山にコロナはいない。健康な喜びの顔。こちらまで嬉しくなる。山はやはりいい。今日は、次の日曜に開かれる公民館登山の下見。午前中は江浚い(用水路の清掃共同作業)があって、午後から下見に来た。3時間ほどの急行山歩。当日は登山初心者対象の事業だから、この倍の時間をかけてゆっくりと山を楽しんでいただく。今日のように絶好天だといいのだが、山を楽しめるかどうかは天候次第。下見はいつも絶好天の日、予報を見て、そんな日を選んでいるのだから当然と言えば当然。本番はそうはいかず、運次第。さてどうなるか、コロナの渦に巻き込まれて中止などということには絶対にしたくない。
 渡辺伸栄watanobu
昼過ぎの駐車場。予想外の車の数に驚く一行。そういえばこの前日も、新潟での会議が昼前で終わり、日和山海岸公園にランニングに行ったら、意外なほどの人々が走ったり歩いたりしていたし、帰りに豊栄の道の駅に寄ったらそこも結構な車があった。ガラガラだったらどうしようと余計な心配をして寄ったのだが、安心した。みな、決して気を緩めたふうはなく、節度を保った健全な人々のように見えた。中でも、この日の登山びとたちは、みな健全。山が一番安全と見たのかもしれない。こういう人たちにはコロナも近寄れまい。そうあってほしい。
まっすぐに階段道が伸びる急坂に、濃い色のショウジョウバカマたち。春を謳歌の風情。
休憩所、ここからの日本海と水田の広がる平野の景色がいい。急坂を登って一息つける場所。
見上げれば山桜。漢字で書けば、山に自生する桜全般のこと。ヤマザクラと書けば特定の品種の事。見分けは難しいからすべて山桜。これも春の謳歌。
足下にイワウチワ。この時期のこの花は、可憐そのもの。登山道が歩く幅以上に広く刈り払われて丁寧に整備されていた。まるで遊歩道のよう。多分だが、この花が咲きやすいようにという意図もあるのかもしれない。
高坪山の山頂直下のブナ林は、どの時期に来ても絶品級。スラリと伸びた幹と枝が一斉に天を目指す。その様がなんとも心地よく、なぜか胸がスカッとする。
山頂のブナ林は、鬱蒼とした森の中の感があるのだが、この時期はとにかく明るい。枝先のミドリ芽が萌え始め、花の蕾を綻ばせ始めたブナの木も。木の芽時とはこの時期の事。人の心を惑わせる時期とも。ただ、我らはもうそんな歳ではないのだ。達観達観。
展望台。飯豊連峰を一望する。というより、ここでの主役は朳差岳。連峰中心部の北股岳は奥に慎ましやかに控えているし、主峰の大日岳はどれだ?と登山びとは指差し探す。右端はニ王子岳、左端は大境山。画面中央の低い山が牟礼山。ここは、さっきいた高坪山頂より少し標高が高い。なら、ここが高坪山の頂のはずなのだが、だれもあまりそういうことにはこだわらない。
白くて楚々としたイワウチワもいいが、ピンク色の濃いイワウチワもいい。山の花写真に登山びとが入ると一段と良く映える。良く映えるのは、人?それとも花?もちろんどっちもだ。ただし、どっちにピントを当てるかはカメラ次第。ボクのせいではありません。
稜線には、朝日連峰がよく見える場所がある。左に鷲ヶ巣山、中央に光兎山、その右が未だ見ぬ山・頭巾山。それらの後方に以東岳から大朝日岳まで連なる白嶺の朝日連峰。あの長い稜線を歩く日が果たして来るかどうか。体力が問題なのでなく、両端の登山口までの交通手段が未解決。この日も、歩き歩き、ああしたらどうか、こうしたらどうかと、Unqさんと談義。だれか、送り迎えを買って出てくれる奇特な方、いないかな~
<コースとタイム>   P発13:23-13:34登山口-14:00休憩所14:12-14:41山頂14:51-15:09展望台15:25-15:50分岐-16:27登山口-16:37P着
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