山の記 2020
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9月21日(月) 八幡平 三度目にしてやっと晴れ <東北山旅3日間の2日目>
八幡平1613.3m 岩手県八幡平市・秋田県仙北市 地理院地図は→こちら
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八幡平にはこれまで2度来たことがある。まだ勤めていた頃で登山など始めるずっと前。だから、その頃は八幡平が山頂のある山だなど、つゆ思わず。まして百名山の一つだなんて。2回とも、濃い霧の中で1回目は、そのまま素通り、2回目は山頂レストハウスのある広い駐車場でお昼を食べたが、他にいた車は自衛隊の何台かだけ、展望も何もなかった。松川温泉に泊まり、後生掛温泉にも浸かったが、八幡平など、単なる湿原くらいにしか思っていなかったから、ぜひ見たいともその頃は思わなかった。
その後登山をするようになって、れっきとした百名山だと分かり、折角そこまで行っておいて山頂を踏まなかったことを悔やみはしたが、ま、いつでもドライブがてら行けるだろうとは思っていた。そんな昨今、今回、東北山旅のコースに入れてもらって、百名山を一つ稼ぐことができた。八幡平という湿原に立つ八幡平山かと思えば、山の名そのものが八幡平。だから、八幡平の山頂・・・なんかおかしいが、そうなっているのだからそう言うしかない。文句を言う筋合いでもないし。
 渡辺伸栄watanobu
途中、後生掛温泉に立ち寄った。と言っても入浴はせず、温泉奥の自然探索路の見学だけ。湯と共に湧きたつ青白い粘土を手で掬ったり、握ったり、肌に塗ってみたり。何でもやってみなければ気が済まない一行。名物の温泉黒タマゴを食べたかったが、朝早くてまだ営業前、残念。
八幡平の駐車場道路わきの登山口。天候はよくなかった。3回目もガスの中かとカッパを着込んで半分観念したら、徐々に雲が薄くなり始め、先行き明るい雰囲気になってきた。結局、行動中は薄日も射したりして気温も上がり、絶好のハイキング日和となった。それが、下山して、駐車場の車に入ったとたん、ザーザーの雨。あくまでも僥倖がついて回った一行なのでした。
登山口から高度を50mほど登り、樹林帯を少し進むと湿地帯が開け、前方に八幡沼が見えてきた。八幡平は花の百名山でもあって、イソツツジの名所らしいのだが、もちろんこの時季は見られない。いつもその山の花の最盛期にその山へ行けるとは限らない。花はなくても、草紅葉のこの光景だけで十分。
代わって今はリンドウの盛り。エゾオヤマリンドウは、オヤマリンドウとエゾリンドウの交配らしいが、勝手に区別しているのは人間で、リンドウには関係のないこと。同じ種類なら交配するのが当たり前。ごたくを並べている間に、どうやらピントは隣のネバリノギランに行ったらしい。
颯爽と木道を歩むのはKeynさん。腰から来る神経痛でしばらく山を休んでいた。だから、嬉しくてたまらない。その気分がステップに出ている。ひと月前の頼母木・杁山行の私が全くそうだった。だから、気持ちがよくわかる。この翌日の栗駒の登りはもっともっと快調、まるでスキップだった。分かる分かる。良かったねぇKeynさん。
八幡沼はタテヨコ600m×200m、水深は22mもあるという。沼というにはちと大きすぎ。爆裂火口が幾つも連なってできた火口湖とのこと。なるほど大きいわけだ。湖畔のベンチに大勢座って寛いでいた。対岸から遠目に見たときは、撮影会でもあるのかと思ったほど。
山頂に建てられた展望台に上がって、ツーショット。あまりにも平らで、土を盛って山にしたこともあったのだとか。それはまずいと思ったのか、その後、展望台を建てたらしい。 もっとも三角点は自然地形の上でなければならないという決まりはないらしく、かつて、関川村では小学校の屋上に三角点があった。だから、土盛りでもなんでも構わないのだろう。ただ、山の標高はあくまでも自然地形の高さで測ると聞いたから、八幡平の標高はこの展望台の上ではない、と思う。
<コースとタイム> 登山口発10:17-11:19源太森11:25-12:04八幡平山頂12:07-12:22周回路合流点(昼食)12:45-12:51登山口
2日目の泊地は、八幡平から約200㎞南下して栗駒山麓の須川湖キャンプ場。ここは前日のオートキャンプ場とは打って変わって、御覧の通りの自然態。いかにも周りの薮に魑魅魍魎が潜んで食糧を窺っている雰囲気。だから、食事後のゴミは全て車に積み込んで密閉、明日の食糧は各自のテントの真ん中に保管して匂いや形で誘わないように十分警戒。それでも、昨日のキャンプ場の場違い感から解放されて、やっと自然のキャンプに戻れた気分。明日はメーンの栗駒山。
YouTubeはこちら⇒ 第1部 寒風山と八幡平
⇒ 東北山旅3日間の3日目・栗駒山へ続く(UPは後日)
Unqさんの山行録は ⇒こちら
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