山の記 2021
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4月16日(金) 峠道探すついでの若ぶな山
若ぶな山630.0m 新潟県関川村
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ここは標高630m若ぶな山山頂の三角点。薮の中のように見えるが、少し先へ出ると飯豊連峰の大展望台。二王子から杁、飯豊本山まで一望。その手前には葡萄鼻から大境への稜線が連なる。眼下には大里峠。そして、180度向きをかえれば、朝日連峰。祝瓶に大朝日三山、以東までの稜線。さらに登ってきた道の下には若ぶな高原スキー場、その先に関川盆地、さらに先に日本海。葉の茂る前の今なら360度の大パノラマ。しかも、スキー場上部の電波塔から登山道もしっかりついている。こんないい山に、公民館登山でぜひ来たい。
ところで、今日の本当の目的は、この山の下を流れる荒谷沢の深い谷を越えて金丸へ出る古道・茅峠越えのルートを探ること。この後、一旦下山して車で金丸へ行き、そこから対岸の茅峠の峰へ上がり、谷を越えるルートの目星をつけた。久しぶりのChuzyさんとの藪漕ぎ登山。それどころか、金丸では、旧知の方々に何十年ぶりでお会いして、懇切丁寧に茅峠への道を教えていただいたり、さらには、さざれ石を頂いたり、ちょうど祭りだからと赤飯まで頂いて、いやはや、盆と正月と祭りと誕生日が一緒に来たような嬉しい日になった。谷越えの本番は来週の予定。
 渡辺伸栄watanobu
若ぶな高原の稜線に上がり、電波塔①から荒谷沢を覗き込むが木々で沢は見えない。足下は急な傾斜で、沢へ下るルートも分からない。そこから、若ぶな山の山頂へ上がって、暫し眺望を楽しんだ後、引き返して電波塔②まで行き、再びルートを探る。荒谷沢対岸の山の稜線とそこから荒谷沢に下る斜面を観察した。茅峠と思われる最低鞍部から、斜めに北方向へ下れば傾斜はゆるく沢へ降りやすいように見える。こちら側、つまり若ぶな山側の傾斜はきついので登りに使った方がよさそうだ。そこまで確認して、今度は逆に向こう側、つまり金丸側の稜線に登って、こちら側のルートを確認することにした。一旦下山して車で金丸へ。金丸の集落内で偶然旧知のKさんに会い、事情を話すと山道に詳しいHさんを呼んでくれた。かつて茅峠の稜線を越えて荒谷沢の斜面で造林の仕事をしていたという。登り口の下まで案内してもらって、さらに、離れたところから見た方が分かりやすいからと、金丸開田の田んぼの真ん中まで行って、そこから茅峠へのルートを教えていただいた。尾根を一直線に登り、8合目くらいで平らになるところから右へ斜めに横断して最低鞍部へ向かう。そこが茅峠だと。尾根道は昭和42年大水害後の新道で、古道はその右の谷沿いにジグザグに最低鞍部の峠へ繋がっていたという。そこまで教えていただけばもう大丈夫と、Chuzyさんと二人、登り口から尾根を直登して尾根のピークまで進んだ。途中でトラバースする道も確認できたが、一旦尾根のピークへ上がった方が状況がよく分かるだろうとの判断だ。上がってみれば木々の密度が濃くて沢も対岸の斜面も見えない。が、そこから最低鞍部の峠へ続く稜線は確認できた。時刻はちょうど15時、今日はここまでにして下山した。
若ぶな高原から貝附の狭戸と日本海  ここは毎冬、小・中学生とスキーをした所、いよいよなくなるとなると、無性に寂しい
電波塔から若ぶな山へ登る 予想外に道がついていた
若ぶな山山頂からの眺望 正面に朳差岳、その左が大境山、さらに左端が沼山 杁の右遠くに二王子岳、右端が葡萄鼻山 大境山から葡萄鼻山へ長い稜線が続く、Chuzyさんはかつて歩いたという峰、来春先、チャンスがあれば案内するという
画面中央の鞍部が大里峠 右の山は沼山で、沼山と大里峠の間にある小さな山の左側に大蛇が枕にした石という大岩が黒く見えている
ズームで見ると、大里峠の祠の後ろの高台に立つ送電線の鉄塔が良く見えた。鉄塔の下の草地が展望台になっていたところ
眼下に山桜の群れ咲く斜面が見えた 画面中央の下部あたりがケヤキの巨木ではなかろうか?
 電波塔②から 左端に若ぶな山、その右に大境山と杁差岳、右端に葡萄鼻山 耳にスキーをする子どもたちの声
帰途、沼集落にある「追分石」を見せていただいた。大里峠の道と茅峠の道との分岐点に立っていたという。
金丸で道を教えていただいたHさんとKさんと、Chuzyさん。道は3人の真後ろの尾根にある。尾根を直登して8合目あたりで平らになったら右斜め上へ横切って稜線の最低鞍部へ上がる、そこが茅峠。登り口は、杉林の楔形に切れ込んだ所。実に分かりやすかった。旧道は尾根の右の大きくえぐられたような幅広い谷にあったという。そこが茅峠越えの旧街道。昭和42年の大水害で道が流れ、尾根に新道をつけ直したとのこと。茅峠道は、大里峠開通道以前に使われていたという古街道。街道だけあって、険しい山の中でも比較的緩やかな箇所を選んでいる。親切なお二人に感謝です。
登り始めると一面の岩団扇 
 尾根の途中から、さっきお二人から説明していただいた金丸開田が碁盤の目になってよく見えた
使われなくなって久しいのだろう尾根の道も消えかかっていたが、それでも人が歩いた痕跡を辿ることはできた。葉の茂る前だからそれほどの藪漕ぎにもならずに済んだ。尾根を一気に直登して530mの稜線に上がって、本日の下検分は終了。ここから茅峠を探し、荒谷沢へ下って沼側へ登るルートもなんとかイメージすることができた。本番は来週。
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