山の記 2023
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8月21日(月)~24(木) 歩いたり!38キロ 3万3千段
双六岳2860.4m 笠ヶ岳2897.6m 岐阜県高山市
~山の記 目次へ~
22日朝、小池新道を登り上り鏡池に近づいた頃
槍から西穂までの穂高連峰が大迫力で眼前に迫る
ジャンダルム界隈を除いて、皆、歩いた峰
登った山はオレの山
気になる山というのがある
双六岳と笠ヶ岳
双六は、2018年の奥黒部周回で三俣蓮華や鷲羽から遠見している
山容がのっぺりとして、とらえどころのない山
その割に、本やTVによく出てくる
平らな山頂から眺める槍の姿が天下一品だなどと言った人もいた
笠ヶ岳は、2011年に西穂山荘の眼前、雲海に浮かんでいた山
2018年の大キレットを越えた日の穂高山荘の大夕焼けでも
赤く染まる雲海の上に浮いていた
ついこの間の焼岳前泊の平湯温泉からも
いかにも笠らしい山容を見た
阿賀北山岳会夏の大遠征は、気になっていたこの二山になった

今回は、娘が留守番をかって出てくれた
わざわざ、京都から、母の見守りに
娘の家族が言ったという
ジーちゃんもあと何年山へ行けるかだろうから
行ってあげればいいよと

それで、三泊四日家を空けることができた
前回焼岳の息子夫婦と言い、今回の娘とその家族と言い
もはや、感謝しかない
<21日>関川村発4:15-10:36新穂高温泉11:29-13:46ワサビ平小屋(泊)
<22日>ワサビ平小屋発5:04-8:53鏡平9:37-10:44弓折分岐-12:06双六小屋13:06-14:12双六岳-15:00双六小屋(泊)
<23日>双六小屋発5:27-7:31弓折岳-9:45秩父平10:06-13:33笠ヶ岳山荘(泊)
<24日>笠ヶ岳山荘発5:39-5:56笠ヶ岳-6:16山荘-7:30抜戸分岐-12:05笠新道分岐12:30-14:00新穂高14:09-14:17飛岳の湯15:53-21:29関川村着
 
帰宅して登山データを整理してみれば
4日間の歩行距離38㎞、累積標高差3300m
高さ10㎝の階段を3万3千段昇り降りした勘定
我ながらよく歩いたものだと自画自賛してみたものの、待てよ
笠からの下り、一緒になった小母さん
確か、自分より3歳位しか下でない超高齢者
その御方がなんと九州からの単独行で
あろうことか、ワサビ平小屋から、双六小屋を素通りして一気に三俣小屋へ進み
そこに二泊して鷲羽を越え水晶にピストン
で、四泊目は、三俣小屋から笠小屋まで一気通貫
それで足りずに、笠から下山したら麓にもう一泊して
最後に焼岳に登って帰ると言うのだから、恐れ入谷の鬼子母神
終始ニコニコして、昨日はガスの中、笠小屋になかなか着かなくて
周りは見えないし半べそ状態だったなどと楽しそうにのたまうのだから
ただただ脱帽。
世の中には、すごい人がいるもんで、まだまだ足元にも及ばない

とまれ、夏の大山行、無事終了
それもこれも同行のUnqさんとYoumyさんのお陰
いつものことながら、ありがとうございました
 
22日午前 鏡池の逆さ槍ならぬ逆さ奥穂
南岳の獅子鼻、大キレット、北穂、奥穂
あそこを歩いた2018年
ラーメンを食べた北穂小屋のテラスが見えたよう
22日午後 双六岳山頂へ向かう途中の三俣山荘巻道分岐
正面に鷲羽岳、その左奥黒いのが水晶岳
その更に左が祖父岳、そのまた左端が三俣蓮華岳
みな、2018年に歩いた懐かしい奥黒部の山々
鷲羽岳の前面鞍部に三俣山荘の赤屋根も見えた
黒部五郎から三俣蓮華を登り返してたどり着いた、懐かしい小屋
23日朝 双六小屋を出てすぐ
前方右端に朝陽を浴びて屹立する笠ヶ岳
左端のとんがりは抜戸岳
これから、あの峰々を踏破する
ここの谷間を流れ下る双六沢が、双六岳の名の由来とか
沢の名の由来は、神様が降臨してさいころをふって遊んだからと
いっそ、あの平らな山頂広場に降臨してさいころをふれば
あまた居並ぶ峰々へ、双六で回れたのにと思うのだが
笠ヶ岳へ向かう稜線上、弓折岳近く
朝陽のシルエット、槍・穂高
ところで、弓折岳よりずっと双六小屋近くの稜線に
クロユリベンチという休憩展望所があって
そこに、愛用のゴープロカメラを置き忘れてしまった
暫く進んでふと気づき、あわてて取りに駆け戻った
途中すれ違う登山人に、ベンチでカメラを見なかったか?と尋ねつつ
結局ベンチ近くまで戻った時、それなら拾って持ってきたという人
鏡平小屋に預けるつもりだったと言う
危なかった
笠へのルートは、その小屋は通らない
カメラもさることながら
せっかくの撮影記録がふいになるところだった
雨にも雷にも、わずかの差で遭わなかったことといい
すべて僥倖に恵まれた
日頃の行いの良さのたまものとは思いつつ
思いあがらずに謙虚に生きよう
槍の左が上級コースの北鎌尾根
その手前の稜線が双六小屋から槍ヶ岳へつながる西鎌尾根
今朝、大勢の登山人が西鎌から槍に向かった
双六小屋は、奥黒部へ、槍へ、老若男女行き交う銀座四丁目
弓折岳から眺めた双六岳の全容
のっぺりとした平らな、とらえどころのない山
山頂は中央奥のちょっとした盛り上がり部分
右側の急斜面の下に双六小屋がある
昨日午後、あの長い稜線を歩いて山頂に立った
しかし、夕立のガスが湧き、眺望はゼロ
雷鳴があり、天上の原っぱで雷はごめんごめんと
大急ぎで小屋へ下った
24日 朝一番に笠ヶ岳山頂に立った
しかし、霧混じりのガスが濃く、そこも眺望ゼロ
笠新道を下って、カールの底・杓子平に着いた頃
一瞬、笠山頂のガスが薄れ、台形の山頂と小屋と小笠が見えた
登山人はこんな時必ず、ああ、見送ってくれてると思う
2024年の年賀状用のイラストは、何といっても前年の大山行
その中の一コマがこの一枚
弓折乗越から双六小屋へ向かう稜線上
救難ヘリが旋回していて、西鎌尾根の下あたりだったか、何かを捜索しているふう
そのうち、稜線上の我らの方へやってきた
ついうっかり、手を振ってしまった時の出来事
忘れられない一コマ
辺伸栄watanobu 
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