綿野舞(watanobu)の畑作記2019
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9月16日 為せば成る 鍬一丁の筋トレ畑
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7月末にジャガイモを掘ってから、放置。その畑に、炎熱の夏の終焉を待って8月31日、ひと月ぶりに行って見た。案の定、そこはまるで牧草地。ネギもサトイモも、よくよく探せば叢の中に葉の先がちょこっと見える。はびこった雑草どもの、あまりの凄まじさにもう放棄しようかと真実思ったほど。だがすぐに立ち直った。山とマラソンで鍛えた心身、そうやすやすとは引き下がれない。上杉鷹山公の名言もある。この日から8日通って、格闘。この美畑、畑友Naruさんに捧げたい。なにしろ種蒔きのダイコン・タマネギ、何袋買えばいいか、どうやって種を蒔くかと、電話したり訪ねたり。散々教えを乞うたのだから。今日16日、マルチの畝にニンニクとラッキョウを植付けてひとまず秋作の一段落。以下は、今日まで格闘8日の記録。
渡辺伸栄watanobu
作業1日目・8/31、何はともあれの草刈。牧草地状態に呆れて写真は撮る気もしなかった。とりあえず全面草刈り。とにかく凄まじい草で、背丈も高いし根も張り放題。ネギ畑の草も、抜き取ろうなどという気は全く起きず、畝間に草刈機をかけ刈り倒した。篤農のNaruさんに笑われること覚悟でその話をしたら、小声で、実はオレもそうしたのだ、と。上の写真は、その4日後の作業2日目・9/4。9月1日は荒沢岳だったし、2日と3日は雨で来れなかったから、待ちに待った畑作日。
 
作業2日目・9/4の作業は、ダイコン畑を作ること。前日、ラン友のMasacoさんにドームで会ったら、ダイコンの種は9月5日までに蒔かないとならないのだと言う。だから、今日の朝コメリで石灰と堆肥と化成肥料を買い、刈った草をどかしてそれらを撒いて耕して畝を立て、大急ぎで畑を作った。それでお昼になったから、年寄りの半日仕事は終了。種蒔きは明日。5日までというのには、5日は入るのかな-?
毎年種蒔係長のOkkaa、去年のことは忘却したらしく種を何袋買ったのか曖昧模糊。前日に、コメリに寄ったとき種袋は見ておいた。粒数でも書いてあればそれで計算できるのだが、mlで書いてあって皆目見当がつかない。で、Naruさんに電話して一袋でどのくらいの畝長に蒔けるか聞いた。とまあ、前日用意周到にして作業3日目・9/5朝、コメリで少し余分に買って、いざ係長を伴って畑へ。あまり大量に収穫しても始末に困るからとかなり余裕を空けて蒔いたら、結局一袋余った。
 
係長がダイコン種蒔の間、こちらは長ネギの追肥土寄せ。畝間の土を鍬で鋤き、草の根を取って捨てて、土をネギの根に寄せていく。続いて、サトイモ、ヤツガシラ、ショウガの畑も同様にしてくるめた。今までは、一旦畝間の草を抜いてから土寄せをしていたが、やってみると、今回のこの方式の方が効率が良い。もしかしたらNaruさんもそれが分かっていての常道だったのかもしれない。何にでも抜け道はあるものだ。ともあれ、これで何とかダイコン種を蒔き、長ネギ芋類のくるめが終わり懸案が片付いた。さて、次の作業はタマネギの種蒔き。これまでは苗を購入して植えていたが、今年から種から自分で育てることにした。とはいえ初めてのことで、これもNaruさんにご教示を乞うた。
で、作業4日目・9/6日、いつものように朝コメリで種を2袋買い、畑に短い畝を立て苗床にして筋蒔き。2畝用意したのに1畝で蒔き終わってしまった。密に蒔き過ぎたようだ。隣りの畑のあの親切なお婆さんがやってきて、なに芽が出てから選って疎らにすればいい、と言う。そうすると結局苗数が不足する恐れがある。だから、明日買い足してもう1畝に蒔くことにした。と思ったら、翌7日から2日間猛烈な熱波で、外働き不可。9日は、例の台風15号。
 
そんなこんなで、作業5日目・9/10となった。この日は、買い足したタマネギ種をもう1畝に蒔いた後、埋まっていた排水路の復元。この畑、元々は水田で地下水位が高い。その上南側の斜面から常に水が滲み出している。そのため、周囲に排水溝を切ってあるのだが、刈った草や崩れた土などで簡単に埋まる。だから、その手入れ。その後、作業1日目に刈った草を集めて堆肥作り。あの牧草地がどんどん真正の畑に変貌していく。なんとも遣り甲斐がでてくる。為せば成る、さすがは鷹山公。
 
ダイコン畑。種蒔後5日でこんなに双葉が出揃った。これを見ていると、なにか喜ばしい気分が湧いてくる。だが、冷静に考えてみると、畑の草もダイコンも、もとをただせば、同じ草。ダイコンがこれなら草だってこの勢いで芽を出し伸びていくわけだ。あなうれしや、あなおそろしや。畑は、草との格闘競技。
作業6日目・9/12。周囲の畦にもう一度草刈機をかけた。草刈機は1日目の鋼の歯ではなく、ナイロン紐の歯。これで土の表面を撫でるように刈っていくと、実に綺麗になる。畑に植わっている果樹の枝も、日陰になるので切り落とした。最後は、ニンニクとラッキョウ用畑の土を打ち耕して、この日の作業は終了。全て鍬一丁の力仕事。ヤンマーポチ号の出番は今回は一切なし。
作業7日目・9/14。まずは、前回打ち返したニンニクとラッキョウの畑に、いつもの如く石灰と堆肥と化成肥料を蒔いて鋤き込む。その後、前回残った畑地草地全面をナイロン紐の草刈機で撫でた。最後は排水路の再度の江浚い。これで完璧。ここの畑を耕してから、かれこれもう10年位になるが、こんな綺麗になった畑は見たことがない。Naruさんが見たら何と言うだろうと、勝手に秘かに自画自賛。明日はOkkaaを連れてきて見せてやらねば。
今回の秘密兵器がこれ。ナイロン紐の歯。これまで家の周りの道路の草などをこれで撫でていた。以前には、Okkaaの実家の芝生や石庭の際などもこれで撫でまくった。そういう所には実に役立つ代物だ。畑で使ったのは初めて。使いこなすには少々コツがあって、だれでも使いごちが良いというものではない。しかし、使い慣れれば、なかなかの代物。 
仕上がりはご覧の通り。土でも石でもコンクリでも苦にせず、草の生え際から土ごと撫で切り払う。土を出したくない草地はそれなりに手加減すれば草だけ撫で切り払う。もっとも、4,5日もすれば草たちはまた芽を出し伸び始めるから、除草剤にはかなわない。
作業8日目・今日9/16。マルチの畑に、ニンニクとラッキョウの植付け。マルチの穴を中央3列使ったがまだいくらか余ったので、球根を買い足してもう少し植え増やそうかと思っている。常々ほどほどの量をと思っているのに、つい欲が出る。意欲の欲と我欲の欲と、どっちだ?
種を蒔いて11日目、ダイコンはもうこんなになって、一回目の間引き。取った菜っ葉を茹でて食べた。それはそれは、採りたての自作品、いつもの事ながら美味いのなんのって。
ダイコンの翌日に蒔いたタマネギの種もぞっくりと芽を出し始めた。今朝、いつも苗を買っている八百屋さんに、今年は種から育ててると言ったら、出た芽はすぐ虫に食べられるから、オルトランを撒くようにと教えてくれた。さっそく実行。ありがたいことだ。
最後の作業は、タマネギ用畑の打ち返し。夏草の根が張り放題のガンガン地面に鍬を打込んでいく。草刈は別にして、全作業鍬一丁の筋トレ畑。あ、なぜポチ号を使わないか。軽トラへの積み下ろしが面倒だったこともある。が、一番の理由は、畑に張りはこびった夏草の根が耕運機の回転歯に巻き付いて、それを取るのにかなりの手間がかかること。その上さらに、畑の土の中には前回マルチしたビニル片が埋まっていて、それも根と一緒に巻き付くと、厄介さの10乗くらいになる。マルチは収穫の後剥がすのだが、四周の土に埋めた部分は剥がしきらず切れて土の中に残っている。鍬で土を打ち返しながらそれらを一つ一つ引っ張り出していく。結局、手作業に勝る畑作はなし。為せば成る。以上、長い長い8日間の格闘全記録でした。
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