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 綿野舞(watanobu)風物記2018
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 6月2日 ユリを見て 棚田見て エアの神参り
 渡辺伸栄watanobu
東根マラソンの前日は、山形路の隠れた名所めぐり。まずは、昨年花の数に驚かされた大江町のヒメサユリ公園へ。今年も満開の花が一面びっしり。が、去年ほどには驚かない。人間の感覚というのは不思議なもので、咲いていて当然と思えば最早驚きや感動はない。かと言って、花の園で寛ぐ気分が薄れたわけでもない。東屋に陣取りユリの香に包まれてのんびりと昼食。その後のコーヒー。花の数には最早驚かなくなってはいるが、群れ咲くユリに囲まれたここの公園の雰囲気は変わらずに、いい。そのうち、山形弁の小母さん連がガチャガチャと入って来て、ああだこうだとおしゃべり。我等はこの後、キャンプ地の朝日町へ行くのだと知ると、棚田を見ていけだのキャンプ場の脇には空気神社があって今日はお祭りをやっているだのと、親切に情報提供。

ここの公園の良さの一つが、この大展望。標高371mの大山の上から、山形盆地を取り巻く山々を360度見回すことができる。上の写真は、朝日連峰。下の写真は月山。
小母ちゃんたちに薦められた「椹平の棚田」へ移動。ジンベイダイラかと思ったらクヌギダイラと読むのだそうだ。椹は本来はサワラなのだが、ま、そんなことはどうでもいい。日本の棚田百選に入っているのだとか。山形は宣伝が上手い。夜、田毎の月を見られたら、多分合点がいくことだろう。谷間の先にうっすらと見える雪山は大朝日岳。
棚田を見下ろす山の斜面にもヒメサユリが沢山咲いていた。管理していた地元の人曰く、種を採取して山に撒いて何年もかけて育てているのだと。感心して聞いていたらその先が蛇足だった。曰く、だからここのは自生のヒメサユリで本物、大山公園のはバイオで増やしたのだから本物ではないと。自らを持ち上げるのはいい。ただ、そのために他を貶めるのは下の下。上の上の人は、他を持ち上げながら自分も持ち上げる。バイオでも実生でもヒメサユリはヒメサユリ。 
そして、空気神社の空気祭りへ。誰しも不思議に思う神社名、でっかい看板でその由来を知らしめようとの意図か。「世界に先駆けて空気神社を造ろう」という呼びかけに応えた町の人が、すごい。この柔軟な発想、見習いたいものだ。
ご神体の大鏡。いや、ご神体は空気だから、この鏡は象徴か。いやいや、実と虚と、両者相まって真実を現すという深遠な宇宙観か。感じ入りながら厳かに左手を上げて祈りを捧げる人。 
神社の境内下に広がる家族旅行村。その一角のコテージが2泊3日の我らのベースキャンプ地。ここから、翌早朝、東根マラソンに出走して、また戻り、翌々日、東黒森山へ。 
コテージへの来訪者は、ネコとこのガ。ネコにも風格があったが、このガも中々の風格。名前を聞いたのだが、忘れてしまった。小生、虫にはとんと興味がないもんで。
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