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上杉景勝の書簡 天正19(1591)年か 重文・渡辺邸所蔵
この史料は、上越市史の資料編に掲載されていて、公開されていることが分かりました。所在も明らかにされています。 
上越市史の翻刻と比較したところ、全102文字中以下の4文字が違っていました。
⑤行目  下 → 上   
⑨行目  追行 → 延引
⑬行目  伺 → 面    

なお、歴史館の田村さんは、この4文字全て上越市史の翻刻と同じに読んでいました。私が同意せずに、あえて上のように読んで見事敗退となりました。
また、私の解読文中、次の2文字も田村さんからの教示によります。だから、自力の正解は102文字中96文字ということになります。
③行目 去・・・私は玄かなと、玄月=旧暦9月                             
⑬行目 攄・・・この文字は手元の辞書にもなく、全く不明で田村さんから教えてもらいました。
改めて、田村師範に脱帽です。

只私としては、
⑨の延引だけは、追行でなければ前後の文の意味がつながらないように思えてならないののですが、どうなんでしょうか?

ま、いずれにしろ、正解が見つかる前に、自力で解いておいてよかったなと思っています。高級貴族宛におそらく祐筆が相当気を使って書いたきちんとした文字、文章。だからこそ、私程度の初心者でも94%も読めたということになるのでしょう。
中世文書は難しいと思っていましたが、読めば読めるもんだと思っています。もっとも、辞書と首っ引き、AI字引もフルに駆使して、四苦八苦の末ではありましたが、実に面白い作業ではありました。 
 
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