綿野舞(watanobu)猫額苑四季(ねこのひたいのにわのしき)2019
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7月5日 子育ての君にあげたい表彰状
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母は依然として戻らず、改装した部屋は無人のまま。その部屋の窓のすぐ外にアケビの棚がある。そこに初めてキジバトが巣をかけたのが先月の14日。今日、雄の呼び声に雌がいっとき巣を離れたその隙に、下から覗いたら雛が生まれていた。すぐに戻ってきた雌、まだ目も開いてない雛に餌をあげている。巣をかけてから3週間。雨の日も風の日も日射の日も、ずっと卵を抱き続けた番の2羽に、ようやったと表彰状を贈りたい気分。ずっと入院の母にこのことを知らせたいが果たして通じるかどうか。洗濯物を取替に、2,3日おきに病院へ通っている。眠っていることが多いが、時々目を覚ましていて頷いたり笑ったり。今度覚醒の時に話してみようか。ただ、この番、無人の部屋と分かって巣をかけたのなら、ちょっと辛い。写真中心部のアケビの葉の中に雌の頭と嘴が見える。
渡辺伸栄watanobu
巣をかけたアケビ棚。営巣の前日6月13日に庭木の刈込をやった。例年だとアケビの伸びた蔓も刈り込むのだが、虫の知らせというのだろうか、今年は何故か刈り残した。その翌日に巣を見つけたのだが、もしかしたらもっと前から巣をかけていたのかもしれない。だとしたら、この番の念じた何かが私のどこかに伝わり、何となくここの刈込を止めたということになる。不思議なことだが、ないことではないような気がする。世の中は不思議さに支配されている。 
営巣に気付いた日の翌日(15日)のこと。窓越しに見ていたら、雄が来て巣で抱卵中の雌に餌をやっていた。その雄が飛び立って、何処へ行ったと思ったら庭に降りて辺りをキョロキョロ。刈込を終えてさっぱりとした庭が気に入ったのか。
ズームにしてみると中々いい男ぶりだ。今の言葉だとイケメンパパ。いやいやイクメンパパか。
 
頭隠して尻隠さず。生い茂る蔓と葉の中に隠れているが、棚の下から見上げれば、なんともお粗末で雑な巣が丸見え。小さな巣で親の身体ははみ出ている。それでも、卵も孵化した雛も見えないから、これで十分ということなのだろう。合理的なのかもしれない。図鑑によれば卵は多くて二つとあるが、どうやら生まれた雛は一羽のようだ。見上げる私と親鳥と目が合う。穏やかな丸い目でじっと見下ろしている。 
7月13日になってようやく雛の写真が撮れた。観察係のOkkaaによると、私が東北山行中に親は巣を離れ雛だけになったとのこと。親がやって来て餌をあげているのをたまに見かけるという。私はまだその場面は見ていない。さすが観察係。草取りの最中など巣の下に行っては何やらゴジョゴジョと呟いている。どうやら雛や親鳥に話しかけているらしい。雛は確実に大きくなっている。棚の下の地面が糞だらけになってきた。棚の下には卵を狙う蛇が潜んでいたようで、抱卵中の親は一たれも糞を落とさなかったのだが、蛇の心配はないということなのだろうか。 
月山から拾ってきた種を蒔いたトウゲブキの花が今年も咲いた(7/13)。あれからもう8年になる。Unqさんによれば、全くセンスのない恰好で山に登っていた時代だ。今改めてHPを見てみればむべなるかな、だがなつかしくもある。
こちらは5/29のエゴノキの花。今は実がびっしりと垂れ下がっている。今年はどういうわけか何の木も花つきがよく実成もよくて、庭の梅の実は7キロも採れた。玄関前の桃も枝が垂れ下がるほどなっている。
その上、ザクロの花が初めて咲いた。この庭を造ったときに植えて既に十数年になる。咲かぬなら切ってしまうぞザクロの木などと言いいながら、去年、根元にたっぷりと肥料を施した成果かもしれない。五輪程咲いたが、果たして実になってくれるかどうか。これまでになく沢山花をつけた杏が1個も実を着けなかった。だから、ザクロもどうなるか分からない。なんにしろ、キジバトのお陰でまた一段と張り合いのある庭になってきたとみえ、Okkaaの草取りが例年になく丁寧だ。
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