綿野舞(watanobu)只管走記(ひたすらはしるのき) 2018
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10月8日 走れども走れども速くならざる我が走り
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新潟シティマラソン 記録 グロスタイム  5:52:23
ネットタイム  5:52:18
28㎞の折返し、後ろからビックリするくらいの人数が続々とやって来る。殆どが歩いている。かく言う私も歩いている。実は、22㎞のエイドステーションで足を止めバナナを喰ったりトイレに寄ったりしたら、どうにも走り出すことができず、そこから歩いた歩いた。海岸公園の自販機で炭酸水を買い、もうやけくそ気味にそれを飲み飲み歩いて28㎞の関門までやって来た。そこで待機している収容バスが目について、よっぽど乗り込もうかと迷いつつ、折返しのポストを回ったらこの光景。なんだ、皆同じかと思い、ゾロゾロと集団に混じって歩きを続ける。不思議なことだが、歩いている限りは調子がいい。それがちょっとでも走り出すと、なぜかツライ。まだ足は一度も攣っていないし、どこかが痛むわけでもなく、息が上がるのでもない。ただ足が走るのを拒否する感じ。なのに、歩くのは苦にならない。まわりの人々も皆こんな感覚なのだろうと妙に得心しながら只管歩く。計算上は、このまま歩いても7時間の制限にギリギリ滑り込めそう。多分皆そう思って歩いているのだろう。ゾロゾロ進む。心はやけくそ気味のまま。
 渡辺伸栄watanobu
ゴール寸前、タイムの掲示板を見たら5時間52分。一時は7時間ギリギリ、いや最悪、関門閉鎖も覚悟して歩き続けたのだが、30㎞でどうにか走り始めることができた。足が何とか走る気になってくれたというような感じ。足のせいにしているが、多分、あと12㎞だと終りが見えたせいなのだろう。ゆっくり走っても歩くのよりは速い。頭に目印の風船をつけた6時間のペースセッターに追いついて、ずっとそれと前後しながらキロ8分のスローペースで走り通した。5時間切りの目標はとっくに捨て去ったが、これならどうにか6時間切りはできそうだと目標を立て直した。歩いている人を随分追い越した。これも一応ゴボウ抜きなのだろうか、否否、そんな爽快なものではとてもない。ただ、沿道からのナイスランという声援は嬉しかった。お陰で、このタイムでフィニッシュを迎えられた。結果的には、去年のこの大会のタイムより13分速い。途中でバスに乗り込まないでよかったと、しみじみ思った。
ゴールの新潟市陸上競技場に入ったこのときの、嬉しさといったらそれはもう、ここまで来れたと、何と言ったらよいか言葉にできない喜びが込み上がる。10㎞レースでもハーフのレースでも、もちろん感慨一入の場面ではあるのだが、42.195㎞のフルマラソンともなれば、達成感とか安堵感とかの既成の言葉では言い足りない、何か特別以上に格別な感慨がある。ここからフィニッシュゲートまでの数十メートルのランがなんとも気持ちいい。多分、この得も言われぬ快感こそがマラソンの魅力なのかもしれない。否、魔力というべきかも。
朝のスタート直前。この大会、今年からスタートを2回に分け、私は、8:30の第1波スタートから10分遅れの第2波スタート。よせばいいのに、その先頭集団に混ざり込んだ。気付けばそこには4時間のペースセッターがいた。ということは、周りはサブ4ランナーばかり。どおりでスタート直後に皆勢いよく飛び出した。私の目標は5時間、いくら何でも速過ぎる。キロ7分まで落とそうとするが、中々落ちない。5㎞まではアップのつもりで流れに任せ、そこから漸くキロ7分へ落とした。背に当たる陽射しがとにかく暑い。10㎞で汗びっしょり。再三、タオルで顔や頭を拭き、そのタオルを絞りながら走った。昼頃に沿道の気温計は26度。暑い、予報ではこんなはずではなかったのに。
いつも一緒の阿賀北山岳会只管組。Youmyさんは記録的には私のライバル的存在。今回も、ほぼ同タイム。それにしては、方や毎月200㎞の走り込み、方や大会直前の数十㎞、それでいてタイムは同じ。素質の違いと年齢の差は如何ともし難い現実。サブ3.5ランナーのUnqさんは最近調子を落としていて、今回は去年の小生の五泉大会タイムをほんの少し上回る程度。後ろから来たランナーが私に見えて肝を冷やしたのだとか。そもそも、いつか師匠を越えて恩返しをしたいというのは若い人のセリフ。だから、そんな日が来ることはないだろうけど、夢にだけは見ておきたいと思う。
来月の五泉大会はハーフだけになったから、今年のフルマラソンはこの1回きり。71歳の最後の月のいい記念写真ができた。ゴールしなければ絶対に撮れない写真。途中で挫けかけたが、やめなくてよかったと心底思う。これはそのことを忘れないための写真でもある。
 記録と反省
キロ ロス 5 10 15 20 25 30 35 40 ゴール
5キロラップ 0:05 33:20 34:18 35:01 37:06 56:31 53:37 46:03 40:25 15:57
1キロ平均ラップ 6:40 6:52 7:00 7:25 11:18 10:43 9:13 8:05 7:16
これまでの反省改善の成果で、今回は足攣りも無し、身体各所の痛みも無し、事前の練習も体調も快調そのもの。それなのに結果が出ない。その原因は・・・

①成功の秘訣は控えめにスタートし極力ペースを抑えることだと、以前からラン友のMasakoさんに再三忠告され、いつも自分に言い聞かせているのに、前日までの練習と体調が好調だと、ついつい忘れて調子よく出てしまう。何度もこれで失敗しているのに身につかない。原因は、今日はいけるかもと思ってしまう山師根性。性分だから、分かっているけど直らない。
②辛くなるとすぐに歩いてしまう諦めの速さ。60兆の細胞諸君が無理するとろくなことがないから走るなと足の筋肉にストップをかける。ぶっ倒れてしまえば元も子もない高齢者には、無理は禁物。だから、これは安全対策上やむを得ない措置。ヤバイと見ればすぐに手を引くのも山師根性の一つで、これも性分。
③以上の分析からすれば、改善の見込みはほぼなし。このまま行くしかない。それで、うまくゆけば記録がでるし、そうでなければ今回のようになる。それは仕方のないことと腹をくくろう。ただし、途中で棄権するのだけは絶対にやめること。リタイヤは全てを無に帰す。これが25戦までで得た最大の教訓。
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